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日下の記憶
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その日は香苗に連絡をしても返事が返ってこなくて、大学でも姿を見かけなかった。だけど悪い予感なんて全くしていなかった。ただ忙しいだけなんだろう、そんな日もあるさと軽い気持ちでいた。
俺たちはお互いを信頼しているからこそ、深く干渉しない関係を築いていた。一日連絡がなくたって心配したりはしない。だから敢えて連絡を取ろうなんて考えもなかった。
俺はいつも通りバイトを終えて夜に帰宅した。その時間を見計らったかのように、香苗から電話があった。
『バイトお疲れ様』
「ああ、うん。今日どうかした?授業出てなかったじゃん?」
『うん、あのね、ちょっと入院することになっちゃって』
「入院?どうしたの?」
『大したことじゃないよ』
「明日病院に行くよ」
『ありがと』
驚いたけれど電話越しの香苗の声はいつもみたいに元気で、いつもみたいに明るく笑ってて。だから本当に大したことないんだと思った。入院って言ってもすぐに退院できるものだろうなんて軽く考えていたんだ。
なのに……。
俺たちはお互いを信頼しているからこそ、深く干渉しない関係を築いていた。一日連絡がなくたって心配したりはしない。だから敢えて連絡を取ろうなんて考えもなかった。
俺はいつも通りバイトを終えて夜に帰宅した。その時間を見計らったかのように、香苗から電話があった。
『バイトお疲れ様』
「ああ、うん。今日どうかした?授業出てなかったじゃん?」
『うん、あのね、ちょっと入院することになっちゃって』
「入院?どうしたの?」
『大したことじゃないよ』
「明日病院に行くよ」
『ありがと』
驚いたけれど電話越しの香苗の声はいつもみたいに元気で、いつもみたいに明るく笑ってて。だから本当に大したことないんだと思った。入院って言ってもすぐに退院できるものだろうなんて軽く考えていたんだ。
なのに……。
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