36 / 104
重い事実
36
しおりを挟む
「いつものちょーだいっ」
「はー、またアンタは泣きながらここに来る。他のお客さんがドン引きするからやめてよねっ」
日下さんの元から逃げ出して、その足で訪れたのはいつもの【金木犀】だ。
カウンターに座りぐずぐずと泣く私に、ママは呆れながらもピーチフィズを出してくれた。
「私きっと男見る目ない」
ぼそっと呟く私に、ママは容赦なく同意する。
「分かってるじゃん。今度は何よ?」
「……ママ一推しの日下さん」
「暁ちゃん?暁ちゃんはいい男よ」
「日下さん結婚してるんだもん」
「いい男は大抵結婚してるもんよね」
「そんなの薦めないでよ。不倫は絶対しないんだから」
「当たり前でしょ。不倫はダメよ。あんなリスクの高いもの、さすがにアタシも推奨しないわ」
日下さんのことを薦めておきながら不倫はダメだというママの言葉は矛盾している。私は大人げなく頬を膨らませたがママは気にもとめてくれない。
「はー、何で好きになっちゃったんだろ。……おかわりっ」
「やけ酒はオススメしないわねっ。暁ちゃんから何か聞いたの?」
「何かって?」
ママは少し考える素振りをしてから、逆に質問をした。
「はー、またアンタは泣きながらここに来る。他のお客さんがドン引きするからやめてよねっ」
日下さんの元から逃げ出して、その足で訪れたのはいつもの【金木犀】だ。
カウンターに座りぐずぐずと泣く私に、ママは呆れながらもピーチフィズを出してくれた。
「私きっと男見る目ない」
ぼそっと呟く私に、ママは容赦なく同意する。
「分かってるじゃん。今度は何よ?」
「……ママ一推しの日下さん」
「暁ちゃん?暁ちゃんはいい男よ」
「日下さん結婚してるんだもん」
「いい男は大抵結婚してるもんよね」
「そんなの薦めないでよ。不倫は絶対しないんだから」
「当たり前でしょ。不倫はダメよ。あんなリスクの高いもの、さすがにアタシも推奨しないわ」
日下さんのことを薦めておきながら不倫はダメだというママの言葉は矛盾している。私は大人げなく頬を膨らませたがママは気にもとめてくれない。
「はー、何で好きになっちゃったんだろ。……おかわりっ」
「やけ酒はオススメしないわねっ。暁ちゃんから何か聞いたの?」
「何かって?」
ママは少し考える素振りをしてから、逆に質問をした。
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
ずっと君のこと ──妻の不倫
家紋武範
大衆娯楽
鷹也は妻の彩を愛していた。彼女と一人娘を守るために休日すら出勤して働いた。
余りにも働き過ぎたために会社より長期休暇をもらえることになり、久しぶりの家族団らんを味わおうとするが、そこは非常に味気ないものとなっていた。
しかし、奮起して彩や娘の鈴の歓心を買い、ようやくもとの居場所を確保したと思った束の間。
医師からの検査の結果が「性感染症」。
鷹也には全く身に覚えがなかった。
※1話は約1000文字と少なめです。
※111話、約10万文字で完結します。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
どうして隣の家で僕の妻が喘いでいるんですか?
ヘロディア
恋愛
壁が薄いマンションに住んでいる主人公と妻。彼らは新婚で、ヤりたいこともできない状態にあった。
しかし、隣の家から喘ぎ声が聞こえてきて、自分たちが我慢せずともよいのではと思い始め、実行に移そうとする。
しかし、何故か隣の家からは妻の喘ぎ声が聞こえてきて…
彼女の母は蜜の味
緋山悠希
恋愛
ある日、彼女の深雪からお母さんを買い物に連れて行ってあげて欲しいと頼まれる。密かに綺麗なお母さんとの2人の時間に期待を抱きながら「別にいいよ」と優しい彼氏を演じる健二。そんな健二に待っていたのは大人の女性の洗礼だった…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる