112 / 161
未来
112
しおりを挟む
「すずお風呂は?」
まとわりつくすずを剥がしながら、柴原さんが聞く。
「まだー。」
「じゃあ入っておいで。」
「パパと入るー。」
すずはパパに剥がされてもめげずに纏わりつき、パパがいいパパがいいとリクエストだ。
「あ、じゃあお願いしまーす。」
いつもすずと一緒にお風呂に入る私は簡単に引き下がり、柴原さんにお任せして、二人がお風呂に入っている間に家事をこなそうと考える。
なのに、
「ねえねも入るー。」
「は?」
すずが突然に手を引っ張るのでバランスを崩して倒れそうになった。柴原さんがすかさず私を支えてニヤリと悪い顔になる。
なに?嫌な予感。
「なるほど、すず、いいアイデアだ!美咲も一緒に入ろう。」
「いやいやいや、ないわー。」
首と手を横に振って完全拒否をしているのに、二人は私を連れていく気満々だ。
「ひゃあっ!」
突然に視界が揺れて、私は目を丸くする。
何事かと驚いたが、ただ柴原さんが私を抱きかかえただけだった。
いや、何で?
「あー!すずもだっこしてー!だっこだっこ!」
すずが足下でピョコピョコ跳びはね、柴原さんはいとも簡単に私を抱く反対側にすずを抱えた。
「さ、お風呂に入ろう。」
「おっふろー!」
「ちょっと、無理だから無理だってば。むーりー!」
私の悲鳴が部屋中に響くと同時に、柴原さんとすずが楽しそうに笑った。
まだ結婚はしてないし気持ち的にもまだまだ先になるんだろうけど、なんだかすごく家族っぽい気がして、私は心があったかくなった。
お姉ちゃんがくれた出会い、大切にするね。
まとわりつくすずを剥がしながら、柴原さんが聞く。
「まだー。」
「じゃあ入っておいで。」
「パパと入るー。」
すずはパパに剥がされてもめげずに纏わりつき、パパがいいパパがいいとリクエストだ。
「あ、じゃあお願いしまーす。」
いつもすずと一緒にお風呂に入る私は簡単に引き下がり、柴原さんにお任せして、二人がお風呂に入っている間に家事をこなそうと考える。
なのに、
「ねえねも入るー。」
「は?」
すずが突然に手を引っ張るのでバランスを崩して倒れそうになった。柴原さんがすかさず私を支えてニヤリと悪い顔になる。
なに?嫌な予感。
「なるほど、すず、いいアイデアだ!美咲も一緒に入ろう。」
「いやいやいや、ないわー。」
首と手を横に振って完全拒否をしているのに、二人は私を連れていく気満々だ。
「ひゃあっ!」
突然に視界が揺れて、私は目を丸くする。
何事かと驚いたが、ただ柴原さんが私を抱きかかえただけだった。
いや、何で?
「あー!すずもだっこしてー!だっこだっこ!」
すずが足下でピョコピョコ跳びはね、柴原さんはいとも簡単に私を抱く反対側にすずを抱えた。
「さ、お風呂に入ろう。」
「おっふろー!」
「ちょっと、無理だから無理だってば。むーりー!」
私の悲鳴が部屋中に響くと同時に、柴原さんとすずが楽しそうに笑った。
まだ結婚はしてないし気持ち的にもまだまだ先になるんだろうけど、なんだかすごく家族っぽい気がして、私は心があったかくなった。
お姉ちゃんがくれた出会い、大切にするね。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
【R18】スパダリ幼馴染みは溺愛ストーカー
湊未来
恋愛
大学生の安城美咲には忘れたい人がいる………
年の離れた幼馴染みと三年ぶりに再会して回り出す恋心。
果たして美咲は過保護なスパダリ幼馴染みの魔の手から逃げる事が出来るのか?
それとも囚われてしまうのか?
二人の切なくて甘いジレジレの恋…始まり始まり………
R18の話にはタグを付けます。
2020.7.9
話の内容から読者様の受け取り方によりハッピーエンドにならない可能性が出て参りましたのでタグを変更致します。
お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?
さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。
私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。
見た目は、まあ正直、好みなんだけど……
「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」
そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。
「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」
はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。
こんなんじゃ絶対にフラれる!
仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの!
実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。
極道に大切に飼われた、お姫様
真木
恋愛
珈涼は父の組のため、生粋の極道、月岡に大切に飼われるようにして暮らすことになる。憧れていた月岡に甲斐甲斐しく世話を焼かれるのも、教え込まれるように夜ごと結ばれるのも、珈涼はただ恐ろしくて殻にこもっていく。繊細で怖がりな少女と、愛情の伝え方が下手な極道の、すれ違いラブストーリー。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
『番外編』イケメン彼氏は警察官!初めてのお酒に私の記憶はどこに!?
すずなり。
恋愛
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の身は持たない!?の番外編です。
ある日、美都の元に届いた『同窓会』のご案内。もう目が治ってる美都は参加することに決めた。
要「これ・・・酒が出ると思うけど飲むなよ?」
そう要に言われてたけど、渡されたグラスに口をつける美都。それが『酒』だと気づいたころにはもうだいぶ廻っていて・・・。
要「今日はやたら素直だな・・・。」
美都「早くっ・・入れて欲しいっ・・!あぁっ・・!」
いつもとは違う、乱れた夜に・・・・・。
※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんら関係ありません。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?
すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。
病院で診てくれた医師は幼馴染みだった!
「こんなにかわいくなって・・・。」
10年ぶりに再会した私たち。
お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。
かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」
幼馴染『千秋』。
通称『ちーちゃん』。
きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。
千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」
自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。
ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」
かざねは悩む。
かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?)
※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。
想像の中だけでお楽しみください。
※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。
すずなり。
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる