捨てられた彼女は敏腕弁護士に甘く包囲される

あさの紅茶

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13.ちゃんと、した。

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ドラッグストアでそれだけ買って、帰路に着く。結局、店員さんから変な目で見られることもなく、何事もなくスムーズに購入。気にしているのは私だけで、刻一刻と近づくその時間にただ緊張が高まっていく。

スーツからラフな格好に着替えただけなのに、無駄に穂高さんにときめく。いや、無駄ではないけど……。シャツから覗く鎖骨がセクシーだなとか、腕まくりする仕草がかっこいいなとか、もう気になって気になって仕方がない。

はー。ちょっと落ち着いて私の煩悩。とりあえず、料理をしよう。軽く食べられるもの、軽く食べられるもの……。

「穂高さん、何か食べたいものはありますか?」

「そうだなぁ、莉子……」

「ひっ」

「……が作るものならなんでも食べるけど。なんか想像して妄想した?」

「いえっ、いえ、なにも。じゃあサンドイッチはどうですか?」

「いいよ」

穂高さんが楽しそうに笑う。絶対揶揄われた。意地悪されて悔しいのに、穂高さんがそうやって笑ってくれることが嬉しい。

「なにか手伝うよ」

「じゃあパンにバターを塗ってください」

その間に、私は厚焼のだし巻きたまごを焼く。パンに挟んで厚焼き玉子サンドの完成だ。他にもハムサンドと野菜サンドを作った。食べやすい大きさに切って、盛り付ける。

「莉子は本当に料理上手だね」

「これくらいしか取り柄がなくて」

「他には可愛いって特技があるね」

「えっ?」

「可愛い、だよ」

覗き込まれた穂高さんと距離が近くなる。そのまま自然と唇を寄せた。ほんのりバター風味で美味しい。

ささっと食事を済ませて、シャワーを浴びる頃、穂高さんによって再び私の煩悩が呼び起こされた。

「一緒にシャワーする?」

「っ! む、むりっ……! あの、ほんと、恥ずかしいので……」

「そんなこと言って、このあともっと恥ずかしいことするのに」

「そうだけど、そうじゃないっていうか、し、心臓がもたない……!」

「そんなにドキドキしてくれてるんだ?」

「そりゃ、しますよ。だって穂高さんかっこいいし――きゃあっ」


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