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7.片想い
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「どうしてそんなに……悲しそうなんですか?」
だって彼は今にも泣き出しそうなくらいにつらそうで、心配になってしまう。穂高さんは何も悪くないというのに。
「……俺が守るって言った」
「はい」
「でも莉子さんにケガをさせてしまった。本当に、ごめん……」
ぎゅうっと抱きしめる力が強くなる。穂高さんは私の肩に顔を埋め、またごめんと呟いた。
そんなに謝られるといたたまれなくなってしまう。だって本当に穂高さんは何も悪くないし、こうなってしまったのは穂高さんの言いつけを守らなかった自分の責任なのだ。
――絶対に一人で何かしようとしないで
約束を破るつもりは毛頭なかったけれど、結果的にこうなってしまったのは私の浅はかな行動のせい。謝らなきゃいけないのは私の方だ。
「私が悪いんです。不用意に家に帰ったりなんてしたから。だからこうなっちゃって。仕事が終わったらすぐにここに戻ってくるべきでした」
「仕事中は大丈夫だった?」
「はい、いつも通りで。あの人は、外面はいいんです。だから外では私に何かすることはないので平気です」
「それでも――」
穂高さんは抱きしめる力を強くする。
とても苦しそうに小さく息を吐いた。
「やっぱり仕事に行かせるべきではなかったなと思う。莉子さんの安全が最優先だって、わかっていたのに」
「それは……私がソレイユが大事でソレイユを休むわけにはいかないって言ったから、その気持ちを優先させてくれたんですよね?」
そう言葉にしたら、穂高さんの優しさが改めてじわりじわりと体に浸透していって、胸がいっぱいになった。この人はちゃんと私のことを考えて、尊重してくれる。答えが間違っていても絶対に責めない。それどころか自分を責めてしまう人なんだ。なんて慈悲深くて繊細な人なんだろう。
雄一とは違うんだって、今はっきりとわかった気がした。
彼を少しでも疑った自分を恥じる。雄一と比べてしまうことは浅はかなことなのだと、思い知らされるようだ。
だって彼は今にも泣き出しそうなくらいにつらそうで、心配になってしまう。穂高さんは何も悪くないというのに。
「……俺が守るって言った」
「はい」
「でも莉子さんにケガをさせてしまった。本当に、ごめん……」
ぎゅうっと抱きしめる力が強くなる。穂高さんは私の肩に顔を埋め、またごめんと呟いた。
そんなに謝られるといたたまれなくなってしまう。だって本当に穂高さんは何も悪くないし、こうなってしまったのは穂高さんの言いつけを守らなかった自分の責任なのだ。
――絶対に一人で何かしようとしないで
約束を破るつもりは毛頭なかったけれど、結果的にこうなってしまったのは私の浅はかな行動のせい。謝らなきゃいけないのは私の方だ。
「私が悪いんです。不用意に家に帰ったりなんてしたから。だからこうなっちゃって。仕事が終わったらすぐにここに戻ってくるべきでした」
「仕事中は大丈夫だった?」
「はい、いつも通りで。あの人は、外面はいいんです。だから外では私に何かすることはないので平気です」
「それでも――」
穂高さんは抱きしめる力を強くする。
とても苦しそうに小さく息を吐いた。
「やっぱり仕事に行かせるべきではなかったなと思う。莉子さんの安全が最優先だって、わかっていたのに」
「それは……私がソレイユが大事でソレイユを休むわけにはいかないって言ったから、その気持ちを優先させてくれたんですよね?」
そう言葉にしたら、穂高さんの優しさが改めてじわりじわりと体に浸透していって、胸がいっぱいになった。この人はちゃんと私のことを考えて、尊重してくれる。答えが間違っていても絶対に責めない。それどころか自分を責めてしまう人なんだ。なんて慈悲深くて繊細な人なんだろう。
雄一とは違うんだって、今はっきりとわかった気がした。
彼を少しでも疑った自分を恥じる。雄一と比べてしまうことは浅はかなことなのだと、思い知らされるようだ。
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