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2.縋りたい気持ち

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家に帰ると雄一はまだ帰ってきていなかった。飲みに行くと行っていたから、きっと遅くなるんだろう。

残っている家事や明日の準備を一人でこなす。
もしもこの先、雄一と別れることがあったら、すべて一人でやっていかなくてはいけない。元々一人で経営を継ごうと思っていたソレイユ。これくらい、なんでもないわよねと自分に言い聞かせた。

実際、家事については雄一がいてもいなくても大して変わらない。そんなものなのかな、なんて物思いにふける。

入浴を済ませて寝ようとベッドへ入った頃、ようやく雄一が帰ってきた。

「おかえり」

「ただいま。遅くなってごめん風呂入ってくる。先に寝てて」

「うん、おやすみ」

私の横を通り過ぎる雄一から、今日はあの香水の匂いはしない。そのことに、胸を撫で下ろしている私がいる。

よかったのか、何なのか。
自分の気持ちがよくわからない。

穂高さんに話を聞いてもらって、少しすっきりした部分もある。考えることはたくさんあるし、疑いが晴れたわけじゃないけれど、今日は特にやましさなんて感じられなくて、やっぱり私の思い過ごしかなと眠りについた。
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