83 / 93
◆ハッピーエンド◆
83
しおりを挟む
「あなたがシャルロットと恋人になったとき、本当に驚いたわ。それに王が大反対したわよね。それはあなたたちが兄妹だからなの。今まで隠していてごめんなさい。そしてアズール隊長、あなたまで巻き込んでごめんなさい。シャルロットの婚約者に仕立て上げたのはそういう理由からなんです」
お母様の長い話を聞いた私たちは、それぞれがそれぞれに考えることがあり、しばらく黙った。
といっても、私はシャルロットの姿でありながら菜子なので、お母様の話をなるほどと感心したし、私の知っている本の内容から大幅にずれていることに不思議な気持ちでいた。やはり私がこの世界に来たことで、未来が変わってきているんだと実感する。
お鍋がコトコトと沸いている。
私は席を立ってキッチンへお邪魔した。お鍋の蓋を開けると良い香りが漂う。
「とりあえず、お夜食食べません?お母様に作ってもらったのはアクアパッツァっていうお魚料理で、私の国の料理なんです」
「私の国?」
ジャンクとお母様が不思議そうな顔をする中、アズールは眉間にシワを寄せた。
お母様の長い話を聞いた私たちは、それぞれがそれぞれに考えることがあり、しばらく黙った。
といっても、私はシャルロットの姿でありながら菜子なので、お母様の話をなるほどと感心したし、私の知っている本の内容から大幅にずれていることに不思議な気持ちでいた。やはり私がこの世界に来たことで、未来が変わってきているんだと実感する。
お鍋がコトコトと沸いている。
私は席を立ってキッチンへお邪魔した。お鍋の蓋を開けると良い香りが漂う。
「とりあえず、お夜食食べません?お母様に作ってもらったのはアクアパッツァっていうお魚料理で、私の国の料理なんです」
「私の国?」
ジャンクとお母様が不思議そうな顔をする中、アズールは眉間にシワを寄せた。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
月読の塔の姫君
舘野寧依
恋愛
『イルーシャはわたし、わたしはイルーシャ』
今まで惰性で生きてきた少女、由希。ある日目覚めたらなぜか絶世の美女になっていた彼女は、古の王妃として第二の人生を歩むこととなって──
これは伝説の姫君と呼ばれた少女とその周囲の人々と国の変化の物語。
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
年下男子に追いかけられて極甘求婚されています
あさの紅茶
恋愛
◆結婚破棄され憂さ晴らしのために京都一人旅へ出かけた大野なぎさ(25)
「どいつもこいつもイチャイチャしやがって!ムカつくわー!お前ら全員幸せになりやがれ!」
◆年下幼なじみで今は京都の大学にいる富田潤(20)
「京都案内しようか?今どこ?」
再会した幼なじみである潤は実は子どもの頃からなぎさのことが好きで、このチャンスを逃すまいと猛アプローチをかける。
「俺はもう子供じゃない。俺についてきて、なぎ」
「そんなこと言って、後悔しても知らないよ?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる