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◆だって推しなんだもの!◆

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「魔法をかけられそうになったのはお前だろう?なぜ俺が死ぬんだ」

「あ……」

無意識に余計なことを口走ってしまったらしい。私の焦りにアズールは眉を上げ目を細めた。

「ずっと思っていたのだが。シャルロット、……お前は一体誰だ?」

ドキッと血の気が引いていくのがわかる。
私はこっそり呼吸を整えながら冷静に言葉を紡ぐ。

「えっ、誰って、シャルロットでこの国の王女だけど?」

「本当に?記憶をなくしてから別人のようだが」

「そう、かな?」

アズールの手が私の頬に触れた。
大きくて暖かい手は、優しく頬を撫でる。

くすぐったいような気持ちいいような感覚に、私は肩をすくめた。視線が絡み合いドキ、ドキと鼓動が早くなるのがわかった。

な、何?
このシチュエーション。
ど、どうなる?どうなるの、私。

「隊長!」

遠くからアズールを呼ぶ声がし、アズールは私から手を離した。そして後ろ手に私を隠すようにして柱の影から出ていく。

「すぐ行く」

隊員に向かって叫ぶと、私の方に視線だけ向ける。

「後で話をしよう。時間はあるか?」

私は小さく頷いた。

ドキドキする心臓は鳴りやむことを知らず、私はしばらくその場を動くことができなかった。
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