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気遣い

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会議室の中では高柳が待っていて、秀人はHOKUTOシステムズの二人が会議室へ入ったのを見計らってこっそり和花に声をかけた。

「橘さんすみません、大丈夫ですか?」

和花はぼんやりとしていて返事がなく、時折小さく息を吐き出している。

「橘さん」

秀人はそっと和花の肩に触れた。

「は、はいっ!」

「帰りのエスコートは自分で行くので大丈夫ですよ」

「わ、わかりました」

一礼して、和花はパタパタと執務エリアへ戻っていく。
きちんと歩けているのを確認してから、秀人は会議室の扉を閉めた。

和花はドキドキとうるさい心臓の辺りをぎゅっと押さえた。

HOKUTOシステムズの営業は相変わらず馴れ馴れしくて和花の心を不安にさせたが、それ以上に秀人の気遣いが和花を落ち着かせた。
それどころか、逆に胸がぎゅっとなっている。

緊張とは違う、何か。

秀人に触れられた肩をそっと触る。
先ほどのことを思い出して和花はまた胸がきゅんとなった。
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