俺様御曹司は無垢な彼女を愛し尽くしたい

あさの紅茶

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*その後のお話*

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お昼ごはんを食べる頃には貧血もだいぶ治まっていた。
トイレに行くとナプキンにはほとんど血は付いていない。

奈々は近所の薬局へ出向き、妊娠検査薬を買った。これで何度目の購入だろう。何種類かあるうちの、生理予定日から使える早期妊娠検査薬を選んだ。

どうかこの出血が着床出血でありますように。
どうか赤ちゃんがいますように。

祈る気持ちでトイレに入る。

小窓に縦線が浮かび上がったら陽性だ。
奈々はじっと見つめる。
すぐに判定結果が出るはずなのに、とんでもなく長い時間に感じられた。

じわじわと試験紙に染みていく過程を目で追いかける。小窓に到達すると奈々の心臓がきゅっと音を立てた。

小窓の真ん中に赤い線が薄く浮かび上がる。
それはすぐに濃い色へと変化していった。

陽性反応だ。

奈々は手が震えた。

幻じゃないだろうか。
数分したら消えてしまうのではないか。

しばらくトイレから動けなかったが、その縦線が消えることはなかった。

「……私、妊娠したんだ……?」

じわじわと喜びが体を駆け巡る。
この喜びを夜まで我慢することはできなかった。
奈々は電話をかける。

「……祐吾さんお仕事中ごめんなさい」

「どうした?体調悪いのか?」

震える奈々の声に、祐吾は焦りを覚える。
やはり一緒に休めばよかった。
そんな後悔すら感じたのだが……。

「ううん、あのね、私、妊娠したみたいなの」

奈々の言葉にやはり一緒に休めばよかったと後悔をした。

「……すぐ帰る!」

奈々が話を続ける前に電話はぷつっと切れた。

それから本当にすぐ祐吾は帰って来て、再度貧血で寝ていた奈々は驚く。すぐに妊娠検査薬を見せると、祐吾の端正な顔がくしゃっと崩れた。それにつられて奈々も胸がいっぱいになる。

これからどんな未来が待っているのだろう。
どんな明日を描いていくのだろう。

胸膨らませながら、二人の物語はこれからも続いていく。


【END】
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