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穏やかなる時間
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エントランスホール手前で部屋番号入力し呼び出しをかけると、ピンポーンと小気味良い音がする。
『はい』
インターホンから倉瀬の無機質な応答が聞こえた。
「奈々です」
カメラに向かって言うが早いか、カチッとエントランスホールのロックが解除される音がわずかに聞こえ、自動ドアが開いた。
中に入ると棟によってエレベーターの位置が違い、倉瀬の部屋は入って右手側のエレベーターだ。
エレベーターに乗り込むとすでに倉瀬の部屋がある十五階のボタンが点滅している。
奈々は初めこれにも目を丸くして驚いたが、インターホンとエレベーターが連動していると教えられ、更に目を丸くした。
エレベーターを降りたら左へ進んで一番奥。
単純なようで複雑で、奈々は五回ほど倉瀬に付き添ってもらった。
その度に「いい加減覚えろ」と笑いながら頭をくしゃくしゃっと撫でられる。
申し訳ないなと思いながらも、ちゃんと付き合ってくれる倉瀬の優しさに、奈々は毎回嬉しくなって笑顔になるのだった。
『はい』
インターホンから倉瀬の無機質な応答が聞こえた。
「奈々です」
カメラに向かって言うが早いか、カチッとエントランスホールのロックが解除される音がわずかに聞こえ、自動ドアが開いた。
中に入ると棟によってエレベーターの位置が違い、倉瀬の部屋は入って右手側のエレベーターだ。
エレベーターに乗り込むとすでに倉瀬の部屋がある十五階のボタンが点滅している。
奈々は初めこれにも目を丸くして驚いたが、インターホンとエレベーターが連動していると教えられ、更に目を丸くした。
エレベーターを降りたら左へ進んで一番奥。
単純なようで複雑で、奈々は五回ほど倉瀬に付き添ってもらった。
その度に「いい加減覚えろ」と笑いながら頭をくしゃくしゃっと撫でられる。
申し訳ないなと思いながらも、ちゃんと付き合ってくれる倉瀬の優しさに、奈々は毎回嬉しくなって笑顔になるのだった。
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