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通じ合う心
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(早くデザート来ないかな?それ食べたら帰ろう)
もはや奈々を繋ぎ止めているのは食い気のみである。
(別に、悪い人ではないんだけど……)
男性陣をチラリと見ながら奈々は思う。彼らは皆優しそうで、実際話し方も柔らかく穏やかだ。話上手で場を盛り上げてくれて、まったく申し分ないというのに。
(倉瀬さんとは大違いだわ)
ふとそんなことを思ってしまって焦る。なぜ倉瀬が比較対象として出てくるのか。奈々はブンブンと頭を横に振って、運ばれてきたデザートに意識を集中させた。
楽しかったのかなんだかわからない合コンがやっと終わって店の外に出ると、新鮮な空気が吹き抜けて行き奈々はようやくほっとした。
「じゃあ、私はこれで……」
「奈々ちゃん、連絡先交換しようよ」
奈々の言葉に被るように、男性陣がスマホを差し出す。困って朋子を見ると、ほろ酔い加減の彼女は「私も~」と嬉しそうに自分の連絡先を惜しげもなく伝える。
「ほら、奈々も」
「え、うーん」
奈々は渋々スマホを取り出すとまったく興味のない男と連絡先を交換する。そして御役御免とばかりにようやくその場を離れることに成功したのだった。
もはや奈々を繋ぎ止めているのは食い気のみである。
(別に、悪い人ではないんだけど……)
男性陣をチラリと見ながら奈々は思う。彼らは皆優しそうで、実際話し方も柔らかく穏やかだ。話上手で場を盛り上げてくれて、まったく申し分ないというのに。
(倉瀬さんとは大違いだわ)
ふとそんなことを思ってしまって焦る。なぜ倉瀬が比較対象として出てくるのか。奈々はブンブンと頭を横に振って、運ばれてきたデザートに意識を集中させた。
楽しかったのかなんだかわからない合コンがやっと終わって店の外に出ると、新鮮な空気が吹き抜けて行き奈々はようやくほっとした。
「じゃあ、私はこれで……」
「奈々ちゃん、連絡先交換しようよ」
奈々の言葉に被るように、男性陣がスマホを差し出す。困って朋子を見ると、ほろ酔い加減の彼女は「私も~」と嬉しそうに自分の連絡先を惜しげもなく伝える。
「ほら、奈々も」
「え、うーん」
奈々は渋々スマホを取り出すとまったく興味のない男と連絡先を交換する。そして御役御免とばかりにようやくその場を離れることに成功したのだった。
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