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家族旅行 いよいよ編
しおりを挟むーーー旅行当日
シャルロット達家族は馬車で目的地へ向かっている。
「お父様、もうどこに行くか教えてよ!」
「……今日はもうすぐ着く街に泊まる。大きな市場があるから賑わっているところだから楽しめるだろう。明日は……リックのお祖父様とお祖母様のところに行こうと思っている」
ハロルドは、チラッとシャルロットを見た。
「それって……私の……?」
ハロルドはコクッと頷いた。
「お祖父様とお祖母様!?」
「そうだ。リックも会いたいって言ってただろ。一緒に行くのは初めてだな……その、シャルから行きたいと言いづらいと思って決めてしまった」
「……そうですか。私も会ってみたいと思っていたので……良かったです。それに……ハルが私のために考えてくれたことだ嬉しいです」
「そうか……良かった」
二人が顔を見合わせて微笑んでいるのをみてエリックは嬉しそうに笑った。
市場に着き、食べ歩きをしたり、旅芸人のショーをみたり、買い物をして楽しんだ家族は、宿へ向かった。
市場でたくさん食べ、お腹いっぱいな三人は宿に着き、部屋でお茶をすることにした。
すると、
ーーーコンコン
「失礼します。旦那様、仕事の件で急ぎの言伝てがございます」
ロバートが入って来た。
「あぁ、わかった。……すまない。少し席を外す」
「大丈夫ですよ、わかりました」
「アンナ、先に奥様の湯浴みを頼みます」
「はい!」
ハロルドとロバートは部屋を後にした。
「今日は旅行だしお母様と一緒に入っちゃだめ……?」
「え?そうね……一緒に入りましょうか」
シャルロットとエリックが湯浴みをしてるころ、ハロルドはロバートに隣の部屋へ案内されていた。
「この部屋は?」
「本日、旦那様と奥様がお泊まりになる部屋でございます」
「……は?」
「エリック様がお生まれになってから、奥様と夜をお過ごしになられていないので、勝手ながらお部屋をご用意致しました」
「………」
「湯浴みはいかがなさいますか?」
「……任せる」
「かしこまりました」
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