目が覚めたら夫と子供がいました

青井陸

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作戦会議 うししし編

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ーーーその日の晩、使用人棟の食堂にて


「これ、奥様からのいただいたクッキーです。皆さんでどうぞ、と」


アンナはテーブルにクッキーを置いた。


「さすが奥様!私、お茶を淹れるわね!」

「奥様さ、記憶戻ってないけど旦那様との関係良くなって良かったよな」

「本当ですよね。以前はヘタレの旦那様のせいで会話もなかったですもんね。鈍いから旦那様が奥様がエリック様お庭でお茶してるときに書斎からこっそり見てたこととか全く気づいてませんでしたし」

「旦那様も、もう良い感じなんだからもっと積極的になってほしいですよ」

「ロバート様には報告しましたけど、エリック様が旦那様に、一緒に寝たら仲良くなれると言って誘ったら顔真っ赤にされて慌てて出ていかれましたよ」

「えぇー!アンナだけずるい!私も目撃したかった」

「俺、今日のは見たぞ!」

「それは、私も見たわ!奥様が手を繋がれて顔真っ赤にしてたわよね!何歳よってつっこみたかった!」

「しかもそこは旦那様から繋いでほしいよな」

「旅行ではもっと男らしくしてほしいわ!」

「そうですよね。エリック様が兄弟がほしいと言っていたようなので」

「……待って、奥様と旦那様2人で夜は過ごしてる?」

「いえ、毎晩エリック様と3人ですね」

「ないわ!ない!それでも男なの???」

「旅行先で進展しないかな」

使用人の女は、バンッとテーブルを叩き勢いよく立ち上がる

「それよ!!部屋を別に1室とれるか確認しておさえましょう!あとでロバート様にも聞かないと。色っぽいナイトウェア用意しないと!!!」

「……旦那様倒れるんじゃないか?」

「そこは頑張ってもらわないと!」

「………私、奥様のためにナイトウェア、用意します!!奥様もエリック様に兄弟を求められて前向きなようでしたし」

「よし!決まりね!!!」




その頃、書斎では旅行に向けて遅くまで仕事をするハロルドが、何度も大きなくしゃみをしていた。


「おや、風邪ですかね?旅行まですぐですのに困りましたね」

「……風邪ではない。…………今日はもう寝る。」

「……さようですか」

「……今日は自室で寝る」

「……では、そのように奥様にお伝えしますね」


ハロルドは風邪を引いては困ると、慌てて自室で一人で寝るのであった。
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