16 / 19
ピクニック ほのぼの編
しおりを挟む
「お母様!!」
シャルロットが部屋で本を読んでいると勢いよくドアが開き、エリックが入ってきた。
「あら、リック。お勉強は終わったの?」
「うん、終わったよ!」
エリックはそのままシャルロットの膝の上に座った。
「お母様、僕ね、いいこと思いついたんだけど……」
「なに?」
「明日ピクニックするでしょ?その時、お父様には内緒で僕とお母様でお弁当を作らない?」
「まぁ!良い考えね!素敵だわ。そうね、作りましょう」
「お父様びっくりするかな」
「えぇ、きっと驚くわね。ふふっ。楽しみだわ」
翌日、ハロルドが書斎で朝から仕事をしている間、シャルロットとエリックは厨房でピクニック用のお弁当を料理長たちと作ることにした。
「エリック様と作るのでサンドウィッチが宜しいかと」
「そうね……野菜とハムのサンドウィッチとバターとお砂糖の甘いサンドウィッチが良いわね」
ハルは、ああ見えて甘いのが好きなのよね
「リックはバターが柔らかくなったらと砂糖を入れて混ぜてくれる?」
「はーい!」
♢♢♢
「これで完成だね!」
「リック、ハルを呼んできてもらってもいい?」
「うん!」
エリックは急いで書斎に向かった。
―――コンコン
「お父様、お仕事終わった?ピクニックの時間だよ!」
ハロルドは、手を止めてエリックをみる。
「あぁ、もうそんな時間か。すまない、もう終わるから先に行っていてくれ。すぐに行く」
「わかった!お母様と先に行ってるね!」
シャルロットとエリックが庭の水仙が綺麗に咲いているそばの木の下に布を広げ昼食の準備をし始めた。
家族そろってピクニックをするときは、庭ということもあり使用人たちは離れたところにいる。
ちょうど準備が整ったころ、
「遅れてすまない」
「いえ、今準備が終わったところですよ」
「お父様お腹空いてる?」
「あぁ。空いている」
「みて!!!!今日のお弁当は僕とお母様が作ったんだよ!!」
「……リックとシャルが?」
「うん!!食べてみて!はい!」
「そうか……」
ハロルドはエリックに渡されたレタスとハムのサンドウィッチを一口食べた。
「おいしい。ありがとう」
ニコッと笑いサンドウィッチを持った反対の手でエリックの頭をなでる。
ハロルドは、以前のような眉間にしわをよせる顔はみせることがなくなり、今ではいつも笑顔をみせるようになった。
「シャルもありがとう」
「喜んでもらえて良かったです。昨日リックが、ハルに内緒でお弁当を作りたいと張り切っていたので」
「そうか」
「お父様、食べ終わったらボールで遊ぼう」
「あぁ、いいよ」
「ごちそうさま。……あ!!ちょうちょだ!」
エリックは蝶々を見つけ追いかけた。
「ふふっ。エリックは子供らしくて可愛いですね」
「ははっ。そうだな。それに、シャルに似て優しい子だ」
シャルロットは、そっと隣に座るハロルドの手をとり繋いだ。
「!!!!!」
「優しいのは、きっとハルに似たんですわ」
ハロルドは顔を真っ赤にして繋いだ手にぎゅっと力をこめた。
ふふっ。ハル、照れているわ。可愛い……幸せだわ
来週の旅行が楽しみね
シャルロットが部屋で本を読んでいると勢いよくドアが開き、エリックが入ってきた。
「あら、リック。お勉強は終わったの?」
「うん、終わったよ!」
エリックはそのままシャルロットの膝の上に座った。
「お母様、僕ね、いいこと思いついたんだけど……」
「なに?」
「明日ピクニックするでしょ?その時、お父様には内緒で僕とお母様でお弁当を作らない?」
「まぁ!良い考えね!素敵だわ。そうね、作りましょう」
「お父様びっくりするかな」
「えぇ、きっと驚くわね。ふふっ。楽しみだわ」
翌日、ハロルドが書斎で朝から仕事をしている間、シャルロットとエリックは厨房でピクニック用のお弁当を料理長たちと作ることにした。
「エリック様と作るのでサンドウィッチが宜しいかと」
「そうね……野菜とハムのサンドウィッチとバターとお砂糖の甘いサンドウィッチが良いわね」
ハルは、ああ見えて甘いのが好きなのよね
「リックはバターが柔らかくなったらと砂糖を入れて混ぜてくれる?」
「はーい!」
♢♢♢
「これで完成だね!」
「リック、ハルを呼んできてもらってもいい?」
「うん!」
エリックは急いで書斎に向かった。
―――コンコン
「お父様、お仕事終わった?ピクニックの時間だよ!」
ハロルドは、手を止めてエリックをみる。
「あぁ、もうそんな時間か。すまない、もう終わるから先に行っていてくれ。すぐに行く」
「わかった!お母様と先に行ってるね!」
シャルロットとエリックが庭の水仙が綺麗に咲いているそばの木の下に布を広げ昼食の準備をし始めた。
家族そろってピクニックをするときは、庭ということもあり使用人たちは離れたところにいる。
ちょうど準備が整ったころ、
「遅れてすまない」
「いえ、今準備が終わったところですよ」
「お父様お腹空いてる?」
「あぁ。空いている」
「みて!!!!今日のお弁当は僕とお母様が作ったんだよ!!」
「……リックとシャルが?」
「うん!!食べてみて!はい!」
「そうか……」
ハロルドはエリックに渡されたレタスとハムのサンドウィッチを一口食べた。
「おいしい。ありがとう」
ニコッと笑いサンドウィッチを持った反対の手でエリックの頭をなでる。
ハロルドは、以前のような眉間にしわをよせる顔はみせることがなくなり、今ではいつも笑顔をみせるようになった。
「シャルもありがとう」
「喜んでもらえて良かったです。昨日リックが、ハルに内緒でお弁当を作りたいと張り切っていたので」
「そうか」
「お父様、食べ終わったらボールで遊ぼう」
「あぁ、いいよ」
「ごちそうさま。……あ!!ちょうちょだ!」
エリックは蝶々を見つけ追いかけた。
「ふふっ。エリックは子供らしくて可愛いですね」
「ははっ。そうだな。それに、シャルに似て優しい子だ」
シャルロットは、そっと隣に座るハロルドの手をとり繋いだ。
「!!!!!」
「優しいのは、きっとハルに似たんですわ」
ハロルドは顔を真っ赤にして繋いだ手にぎゅっと力をこめた。
ふふっ。ハル、照れているわ。可愛い……幸せだわ
来週の旅行が楽しみね
89
お気に入りに追加
490
あなたにおすすめの小説
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
光の王太子殿下は愛したい
葵川真衣
恋愛
王太子アドレーには、婚約者がいる。公爵令嬢のクリスティンだ。
わがままな婚約者に、アドレーは元々関心をもっていなかった。
だが、彼女はあるときを境に変わる。
アドレーはそんなクリスティンに惹かれていくのだった。しかし彼女は変わりはじめたときから、よそよそしい。
どうやら、他の少女にアドレーが惹かれると思い込んでいるようである。
目移りなどしないのに。
果たしてアドレーは、乙女ゲームの悪役令嬢に転生している婚約者を、振り向かせることができるのか……!?
ラブラブを望む王太子と、未来を恐れる悪役令嬢の攻防のラブ(?)コメディ。
☆完結しました。ありがとうございました。番外編等、不定期更新です。
【完結】攻略を諦めたら騎士様に溺愛されました。悪役でも幸せになれますか?
うり北 うりこ
恋愛
メイリーンは、大好きな乙女ゲームに転生をした。しかも、ヒロインだ。これは、推しの王子様との恋愛も夢じゃない! そう意気込んで学園に入学してみれば、王子様は悪役令嬢のローズリンゼットに夢中。しかも、悪役令嬢はおかめのお面をつけている。
これは、巷で流行りの悪役令嬢が主人公、ヒロインが悪役展開なのでは?
命一番なので、攻略を諦めたら騎士様の溺愛が待っていた。
シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした
黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)
気配消し令嬢の失敗
かな
恋愛
ユリアは公爵家の次女として生まれ、獣人国に攫われた長女エーリアの代わりに第1王子の婚約者候補の筆頭にされてしまう。王妃なんて面倒臭いと思ったユリアは、自分自身に認識阻害と気配消しの魔法を掛け、居るかいないかわからないと言われるほどの地味な令嬢を装った。
15才になり学園に入学すると、編入してきた男爵令嬢が第1王子と有力貴族令息を複数侍らかせることとなり、ユリア以外の婚約者候補と男爵令嬢の揉める事が日常茶飯事に。ユリアは遠くからボーッとそれを眺めながら〘 いつになったら婚約者候補から外してくれるのかな? 〙と思っていた。そんなユリアが失敗する話。
※王子は曾祖母コンです。
※ユリアは悪役令嬢ではありません。
※タグを少し修正しました。
初めての投稿なのでゆる〜く読んでください。ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください( *・ω・)*_ _))ペコリン
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる