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しおりを挟む「……日記ですか。」
「あぁ。……以前の君が俺のことをどう思ってるのか…知りたくて……。」
「…夫婦仲は良くなかったのでしょうか?」
「……あぁ。その、俺のせいなんだ。…女性が苦手で君以外では親しくした人もいない。口下手で、慣れていないんだ…君の前だと緊張してしまう。…君が苦手とかではないんだ………恥ずかしいんだが…俺の一目惚れで結婚したんだ。そのことは以前の君は知らない。俺が恥ずかしくて気持ちを伝えるのを逃げていたんだ。」
「そうですか…。今日、この日記を読んですごして宜しいでしょうか?」
「あぁ。もし読んで……無理に思い出さなくて良い。その……今の君が今後どうしたいか教えてほしい。」
「…わかりました。読んでから考えたいと思います。」
「屋敷のことは気にしなくて良い。エリックのことも俺が1日遊ぶから、ゆっくり読むと良い。」
「ありがとうございます。」
食事を終え、ハロルドはでていった。
…日記………。
以前の自分がどんな人だったか気になっていたから良かったわ。
シャルロットはアンナにお茶をいれてもらい、部屋で早速日記を読み始めた。
日記は今のエリックと同じ4歳の私の誕生日の日から書かれていた。日記は母からもらったようだ。
お母様……
アンナがお母様は私が倒れたときいて静養中の領地で倒れたと言ってたわ。私の意識が戻ったと聞いて安心したと、それからお母様がもう少し良くなってからお父様と一緒に来るとも。
会ったら二人とも覚えてない姿にがっかりするかしら……
この日記からは両親の優しさが伝わってくるわ。こんな私でも、娘のように接してくれるといいな…
シャルロットは日記を読み進めて
いく。
ハロルドと会うまでは、
両親、10歳となる年の離れた弟のことばかり書いてある。
両親からの愛情も感じられるわ。仲の良い家族なのね。
テオドール様のことも書かれているわね。
何かこわい感じだったけど読む限り、領地でよく遊んでくれた優しいお兄さんって感じだわ。
お父様もよくしていたようだし……。
シャルロットが日記を読み終えた頃には、部屋の窓から夕日が差し込んでいた。
もう、こんな時間……
昼食はアンナにサンドイッチを持ってきてもらった際に、シャルロットは夕食も部屋でとりたいとお願いし、ひとりで食べることにした。
日記の私は確かにハロルド様が私に好意を持ってくれているなんて全く知らない感じだった。
一目惚れ……
以前の私が聞いたらどう思うかしら。
お互いに一目惚れだったのね…
胸がじわっとあたたかくなってきた……私、嬉しいと感じてるのね。。
……そう…。
ハロルド様が一目惚れだったと聞いて読んでみると冷たい印象はないわね。
ふふっ、不器用な人なのね。
覚えていないが、嬉しいと感じる。……私の中の以前の私が喜んでいるかのように感じる。
ハロルド様は、どうしたいか聞きたいっていってたわ。……離縁するのかしないのかってことよね……??
私は…………
……?
最後のページ……
二枚くっついている…?
シャルロットは端だけ接着しているページを丁寧にはがしていく。
え……なにこれ……
────────────
いつも読んでいただきありがとうございます。
他2作投稿しているのですが、こちらを先に完結させます。
残り5話程です。サクッと進めます。
宜しくお願いします。
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