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第4部 第7話
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「緊急怪物速報」が発信される30分くらい前、ユウキ・ヒデオとエンドウ・コウイチは○○付近をパトロールしていた。
「なぁ、今日はどうしたんだ?朝からパトロールなんかしたりして。いつもなら今の時間帯は怪物出現の情報がなければ、トレーニングしてるじゃないか?」
コウイチが普段と違う行動をとるヒデオに理由を尋ねた。
「確かにいつもならトレーニングしているけど、ここ最近今までとは比べ物にならないくらい強い怪物が現れて甚大な被害を受けたりしているから、怪物が出現した情報を待ってから動くんじゃなくて、自分から動いて被害が出る前に怪物を見つけて退治できるように少しでもしたいなぁって思ってさ。」
「そっか。いや、別にパトロールが嫌だから聞いたわけじゃないよ。ただ単に疑問に思っただけだからな。でもそれならむしろ山にこもってトレーニングしていた方が良かったかもよ。」
「何でだ?」
ヒデオは理由がわからずコウイチに尋ねた。
「ほら、5日前に出た『ハヤイ』とかいう怪物は、ヒデオを狙ってやって来たじゃん。怪物がまたヒデオを狙ってやって来たら、山にいた方が周りの被害が少なく済むかもなと思ってさ。」
「そうだったなぁ。それは考えてなかったなぁ。3日前に出た怪物は俺たちを狙ったというよりは街中で暴れることを考えていた気がしたから、街中をパトロールすると良いかもって思ったんだけどなぁ。」
ヒデオが気落ちしているように見えたため、コウイチは「ごめんごめん。パトロールが無意味だとは思わないから、そんなに落ち込まないでくれ。」と、ヒデオを励ました。
「大丈夫だよ。そんなに落ち込んでないから。それよりも今から山に行った方が良いかな?」
「いや、怪物が俺みたいにワープ出来るかどうか分からないし、急に場所を変えたらヒデオを狙ってここへやって来た怪物がやることがなくて暴れるってこともあるかもしれないから、今日はどこかに怪物が出たという情報がなければ歩ける範囲でパトロールした方が良いと思う。」
「分かった。そうするよ。…ん、あれは…。」
「ヒデオ、どうした?うわっ、あれは…。」
ヒデオが見ている方を向いたコウイチは少しいやそうな表情と声を出した。
そこには同じタイミングでヒデオたちに気が付いたのか、ひどくいやそうな表情をした、ヒデオとコウイチと同級生でヒデオと同じく怪物退治をしているヒムロ・リョウスケがいた。
「お~い!リョウスケ!奇遇だな。お前もパトロールか?」
ヒデオはリョウスケの表情など全く気にせずにリョウスケに話しかけた。
「お前もってことはお前らもパトロールしているのか?」
「そうだよ。いや~奇遇だなぁ。」
「奇遇だって?ヒデオ、お前本気で言ってるのか?」
「うん。そうだけど、どうかした?」
「はぁ~、分かってないみたいだから教えてやるけど、ここら辺は俺がよくパトロールしてるところなんだよ!お前にはコウイチがいるんだから、俺と同じところじゃなくて別なところをパトロールしろよ!」
「(はぁ~、やっぱりこうなったか。)」
コウイチの予想通り、リョウスケがヒデオに食って掛かって来たので、この辺りがリョウスケがよくパトロールしているところだともっと早く気が付いて、ヒデオとリョウスケが出会わないように出来なかったことを後悔していた。
普段からリョウスケはヒデオの方が怪物を多く退治していて知名度が高いことを気にして突っかかって来ることが多かったのですが、ヒデオはそれを全く気にしていなかった。むしろ怪物退治をスムーズに行うために、一緒に活動しようとまでリョウスケに提案していた。もちろん、リョウスケがその提案を了承することはなかった。
「それもそうだな。コウイチ、俺たちは別なところパトロールしようか?」
「…ん?ああ、そうだな。それが良い!そうしよう!」
コウイチはヒデオがリョウスケの感情を気にしない発言をする前にこの場を離れようとヒデオの提案をすぐに受け入れた。
「なるべく遠くに行けよ!」
「でもさ、俺とリョウスケがいれば、最近現れるようになった人型の怪物も怖くないぜ。リョウスケ!たまには一緒に行動しないか?」
「(あちゃ~。何言ってんだよ、ヒデオ!)」
「断る!いくら怪物退治が捗るからと言っても、お前とは組まない!」
リョウスケはヒデオの提案を断固拒否した。
「そうかぁ。でも、今この場に怪物が現れたら協力してくれるよな?」
「まあ、その場合はな…。あってほしくはないけどな。」
「そうか、それなら良か…。」
ドシーンッ!!
ヒデオの発言の途中で雷が落ちたかのような衝撃と音がヒデオたちの近くでした。
「なぁ、今日はどうしたんだ?朝からパトロールなんかしたりして。いつもなら今の時間帯は怪物出現の情報がなければ、トレーニングしてるじゃないか?」
コウイチが普段と違う行動をとるヒデオに理由を尋ねた。
「確かにいつもならトレーニングしているけど、ここ最近今までとは比べ物にならないくらい強い怪物が現れて甚大な被害を受けたりしているから、怪物が出現した情報を待ってから動くんじゃなくて、自分から動いて被害が出る前に怪物を見つけて退治できるように少しでもしたいなぁって思ってさ。」
「そっか。いや、別にパトロールが嫌だから聞いたわけじゃないよ。ただ単に疑問に思っただけだからな。でもそれならむしろ山にこもってトレーニングしていた方が良かったかもよ。」
「何でだ?」
ヒデオは理由がわからずコウイチに尋ねた。
「ほら、5日前に出た『ハヤイ』とかいう怪物は、ヒデオを狙ってやって来たじゃん。怪物がまたヒデオを狙ってやって来たら、山にいた方が周りの被害が少なく済むかもなと思ってさ。」
「そうだったなぁ。それは考えてなかったなぁ。3日前に出た怪物は俺たちを狙ったというよりは街中で暴れることを考えていた気がしたから、街中をパトロールすると良いかもって思ったんだけどなぁ。」
ヒデオが気落ちしているように見えたため、コウイチは「ごめんごめん。パトロールが無意味だとは思わないから、そんなに落ち込まないでくれ。」と、ヒデオを励ました。
「大丈夫だよ。そんなに落ち込んでないから。それよりも今から山に行った方が良いかな?」
「いや、怪物が俺みたいにワープ出来るかどうか分からないし、急に場所を変えたらヒデオを狙ってここへやって来た怪物がやることがなくて暴れるってこともあるかもしれないから、今日はどこかに怪物が出たという情報がなければ歩ける範囲でパトロールした方が良いと思う。」
「分かった。そうするよ。…ん、あれは…。」
「ヒデオ、どうした?うわっ、あれは…。」
ヒデオが見ている方を向いたコウイチは少しいやそうな表情と声を出した。
そこには同じタイミングでヒデオたちに気が付いたのか、ひどくいやそうな表情をした、ヒデオとコウイチと同級生でヒデオと同じく怪物退治をしているヒムロ・リョウスケがいた。
「お~い!リョウスケ!奇遇だな。お前もパトロールか?」
ヒデオはリョウスケの表情など全く気にせずにリョウスケに話しかけた。
「お前もってことはお前らもパトロールしているのか?」
「そうだよ。いや~奇遇だなぁ。」
「奇遇だって?ヒデオ、お前本気で言ってるのか?」
「うん。そうだけど、どうかした?」
「はぁ~、分かってないみたいだから教えてやるけど、ここら辺は俺がよくパトロールしてるところなんだよ!お前にはコウイチがいるんだから、俺と同じところじゃなくて別なところをパトロールしろよ!」
「(はぁ~、やっぱりこうなったか。)」
コウイチの予想通り、リョウスケがヒデオに食って掛かって来たので、この辺りがリョウスケがよくパトロールしているところだともっと早く気が付いて、ヒデオとリョウスケが出会わないように出来なかったことを後悔していた。
普段からリョウスケはヒデオの方が怪物を多く退治していて知名度が高いことを気にして突っかかって来ることが多かったのですが、ヒデオはそれを全く気にしていなかった。むしろ怪物退治をスムーズに行うために、一緒に活動しようとまでリョウスケに提案していた。もちろん、リョウスケがその提案を了承することはなかった。
「それもそうだな。コウイチ、俺たちは別なところパトロールしようか?」
「…ん?ああ、そうだな。それが良い!そうしよう!」
コウイチはヒデオがリョウスケの感情を気にしない発言をする前にこの場を離れようとヒデオの提案をすぐに受け入れた。
「なるべく遠くに行けよ!」
「でもさ、俺とリョウスケがいれば、最近現れるようになった人型の怪物も怖くないぜ。リョウスケ!たまには一緒に行動しないか?」
「(あちゃ~。何言ってんだよ、ヒデオ!)」
「断る!いくら怪物退治が捗るからと言っても、お前とは組まない!」
リョウスケはヒデオの提案を断固拒否した。
「そうかぁ。でも、今この場に怪物が現れたら協力してくれるよな?」
「まあ、その場合はな…。あってほしくはないけどな。」
「そうか、それなら良か…。」
ドシーンッ!!
ヒデオの発言の途中で雷が落ちたかのような衝撃と音がヒデオたちの近くでした。
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