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第2部 第2話
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ヒデオとコウイチはテレビ番組の戦隊ヒーローが怪人と戦うようなひとけのない山の中の岩場にやってきた。
ヒデオとコウイチが今いる山はヒデオが怪物を倒して、国からもらった報酬金で買ったトレーニング用の山だった。
何故山の中でトレーニングしているのかと言うと、最初はヒデオもジムに行ってトレーニングしていた。しかしヒデオがヒーローとして有名になってくるとトレーニングしているところを見ようと人が集まるようになってジムに迷惑が掛かるようになったというのがジムでトレーニングしない理由の一つだった。けれど一番の理由はヒデオが怪物を簡単に倒すくらい強くても筋力が人並みだということだった。ヒデオが怪物をパンチ一発で倒したりするのでトレーニングを見ている人たちはすごい筋力を期待しているけど、ヒデオが70㎏ぐらいのバーベルでベンチプレスしているのを見てがっかりする人もいた。
ヒデオは特にヒーローらしくあろうと思って行動したりすることはなかったが、自分が弱いんじゃないかというイメージが少しでも付かないように行動していた。
それは自分の方がヒデオより強いと思った人が怪物を退治しようと考えたりしないようにするためだった。だからヒーローなのに筋力があまりないという認識が世間に浸透する前に、ジムでトレーニングするのをやめてひとけのない山の中でトレーニングするようになった。
そんなことをしなくてもジムを貸し切ったり、自分専用のジムを建てたりすればいいのではないかと思う人もいるかもしれないが、怪物退治をしていてヒデオはトレーニングをしていくら筋力をつけても、怪物退治にはあまり役に立たないということに気付いた。
どうやらヒデオの強さは筋力ではなく、何か別の力によるものみたいだった。それに気づいてからヒデオは筋力を上げるトレーニングをあまりやらずに、怪物と戦う時のための技の練習として空手の型などをやったり、山の中を走り回ったりして持久力を鍛えていた。この日も山に到着するなりすぐにヒデオは空手の型の練習を始めた。
コウイチは怪物退治の要請があったらすぐにヒデオを連れてワープ出来るように、ヒデオの近くで椅子に座って持って来た新聞を読んでいた。
「ヒデオ、今朝の新聞読んだ?」
コウイチの問いかけにヒデオは動きを止めることなく、「いや、まだ読んでないけどそれがどうかした?」と答えた。
「昨日出現した怪物、全部で86体だったらしいんだけどその内の73体をヒデオが倒したみたいだよ。」
「そうか、もう40体ぐらい倒した後は数えるのをやめたんだけど、73体も倒してたか。」
「それで残りの13体は能力をもらった他の子たちが倒したみたいだよ。ヒデオが知っている子もいるよ。サイコキネシスみたいな能力を使う子や体を巨体化する能力の子とかね。」
「ああ、その子たちだったら覚えてるよ。あれ?でもそんな個人を特定できる情報が新聞に載っているのか?」
「ああ、それは新聞に載ってたんじゃなくて、俺がネットで調べたんだ。調べたらネットにその子たちが怪物を倒す動画がアップされてるのがすぐ見つかったよ。ホントは良くないことなんだけど。」
「確かに良くないな。あんまりそういう動画を見るのやめろよ!見る人がいるからネットにアップする奴らがいるんだから!」
「分かってるよ!ところでさ俺も聞く機会を逃したことを聞いてもいい?」
「いいけど、何?」
「ヒデオ小学5年生まで空手やってたって言ってたじゃん?今もトレーニングに空手の型をやってるのに、何で小学5年生でやめちゃったんだ?ヒデオだったらトップ目指せたと思うのに、もったいない。」
ずっとコウイチと会話しながらも型の練習をやめなかったヒデオだったが、今のコウイチの質問には型の練習をやめて答え始めた。
「これ以上普通の人と一緒にやるのは無理だと思ったからだよ。」
「それってどういう意味?」
ヒデオの回答の意味を理解できずコウイチは再び質問した。
「じゃあ逆に質問するけど、コウイチは何で俺が空手でトップを目指せると思ったんだ?」
「それはヒデオが『光のぬし』から叶えてもらった願いごとが『地球上で一番強くなりたい。』って願いごとだからだよ。地球上で一番強ければ空手の世界でトップになるなんて簡単じゃん!」
ヒデオの質問にコウイチが深く考えずに答えると、ヒデオはこぶしをギュッと握りながら話を続けた。
「確かに簡単だよ。俺が本気を出したら小学5年生の時でも大人ですら敵わなかっただろうな。だからやめたんだよ。小学1年生から続けていたけど、小学5年生になっても年下に負けるくらい弱かったから、『光のぬし』に深く考えずに『地球上で一番強くなりたい!』なんて願い事を叶えてもらったけど、それが間違いだったんだ!自分の力もまだ分かってなかったから願い事を叶えてもらった後の稽古で組手の相手をケガさせたんだ。」
ヒデオは思い出すのも辛いのか、ひどく苦しそうに言葉を発した。
「えっ!」
「幸い俺が本気を出していなかったから大したケガじゃなかったんだけど、その時俺は思ったんだ、『これ以上空手をやるのは危険だ!人を傷つけたくなかったら空手をやめるしかない!』ってね。これが俺が空手をやめた理由だよ。」
「そうだったんだ。ごめん!気軽に『トップ目指せたんじゃない?』なんて言ったりして。」
コウイチはひどく申し訳なさそうに謝罪した。
「別にいいよ。組手で相手をケガさせたってことを知らない人はみんな聞いてくるから。『どうして空手をやめたの?』って。」
「やっぱりヒデオだからかな?『地球上で一番強くなりたい!』なんて願いごとを叶えてもらえたのは。」
「どういう意味だよ?」
ヒデオはコウイチの発言の意味が分からず聞き返した。
「実はさ、ある国の調査機関が調べたところによると8年前に『光のぬし』が現れた後で新しい独裁者が現れたり、富の分配が変わったりはしてないらしいんだよ。ヒデオや俺みたいに能力をもらった子が自分の国の独裁者を倒した例はあるみたいだけど。」
「つまりどういうことだ?」
ヒデオはコウイチの発言の意図が理解できず単刀直入に質問し返した。
「つまり『光のぬし』は願いごとを叶えてあげる子をちゃんと選んでいたんじゃないかってこと。適当に願いごとを叶えて回ったら良くない願いごとをする奴も出て来るだろ?ヒデオは自分の能力に気付いたら、ずっとやっていた空手をスパッとやめるくらい優しいから、『光のぬし』は『地球上で一番強くなりたい!』なんて願いごとでも叶えてくれたんじゃないかってこと。」
「そっか。だからコウイチもそんな便利な能力を叶えてもらえたんだな。俺の能力もそうだけど、コウイチの能力も悪用しようとすればすごいことが出来るもんな。そう考えると俺たちだけじゃなくて願いごとを叶えてもらった子全員に言えることだけどな。」
「そうだな。すごいことが出来ると言えば、こんなことを高校の後輩から聞いたんだけど昨日怪物を倒した子の中に空を飛ぶ能力しかない子がいたらしいんだけど、どうやって怪物を倒したと思う?」
コウイチは難しいクイズをヒデオに出した。
「え?空を飛ぶことしか出来ないんだろ?う~ん。怪物をつかんで空高くまで飛んで落っことしたとか?」
ヒデオはコウイチの問いに単純に思いついたことを答えた。
「違う違う。俺も最初はそう思ったんだけど違うらしい。どうやら宇宙まで飛んでったらしい。」
「は?宇宙?」
ヒデオはコウイチの発言に驚きの声を上げた。
コウイチはその反応が面白いのか、笑みを浮かべながら説明を続けました。
「そう宇宙!怪物をつかんで宇宙まで飛んで、水分が蒸発してミイラになった怪物を宇宙空間に捨てて来たらしい。」
「宇宙まで飛べるなんて確かにすごいな!」
「ああ、宇宙まで飛べるのもすごいけど、宇宙空間に行って無事だったというのもすごいよな!宇宙空間には空気がないから、息もできないし、かなり低温のところもあるって言われてるし、生身の体で行って無事だったって言うなら、きっと宇宙空間でも平気でいられる能力ももらっているんだろうな。」
コウイチが興奮しながら話すので、ヒデオは少しそれが面白く感じて笑みを浮かべていた。
ヒデオとコウイチが今いる山はヒデオが怪物を倒して、国からもらった報酬金で買ったトレーニング用の山だった。
何故山の中でトレーニングしているのかと言うと、最初はヒデオもジムに行ってトレーニングしていた。しかしヒデオがヒーローとして有名になってくるとトレーニングしているところを見ようと人が集まるようになってジムに迷惑が掛かるようになったというのがジムでトレーニングしない理由の一つだった。けれど一番の理由はヒデオが怪物を簡単に倒すくらい強くても筋力が人並みだということだった。ヒデオが怪物をパンチ一発で倒したりするのでトレーニングを見ている人たちはすごい筋力を期待しているけど、ヒデオが70㎏ぐらいのバーベルでベンチプレスしているのを見てがっかりする人もいた。
ヒデオは特にヒーローらしくあろうと思って行動したりすることはなかったが、自分が弱いんじゃないかというイメージが少しでも付かないように行動していた。
それは自分の方がヒデオより強いと思った人が怪物を退治しようと考えたりしないようにするためだった。だからヒーローなのに筋力があまりないという認識が世間に浸透する前に、ジムでトレーニングするのをやめてひとけのない山の中でトレーニングするようになった。
そんなことをしなくてもジムを貸し切ったり、自分専用のジムを建てたりすればいいのではないかと思う人もいるかもしれないが、怪物退治をしていてヒデオはトレーニングをしていくら筋力をつけても、怪物退治にはあまり役に立たないということに気付いた。
どうやらヒデオの強さは筋力ではなく、何か別の力によるものみたいだった。それに気づいてからヒデオは筋力を上げるトレーニングをあまりやらずに、怪物と戦う時のための技の練習として空手の型などをやったり、山の中を走り回ったりして持久力を鍛えていた。この日も山に到着するなりすぐにヒデオは空手の型の練習を始めた。
コウイチは怪物退治の要請があったらすぐにヒデオを連れてワープ出来るように、ヒデオの近くで椅子に座って持って来た新聞を読んでいた。
「ヒデオ、今朝の新聞読んだ?」
コウイチの問いかけにヒデオは動きを止めることなく、「いや、まだ読んでないけどそれがどうかした?」と答えた。
「昨日出現した怪物、全部で86体だったらしいんだけどその内の73体をヒデオが倒したみたいだよ。」
「そうか、もう40体ぐらい倒した後は数えるのをやめたんだけど、73体も倒してたか。」
「それで残りの13体は能力をもらった他の子たちが倒したみたいだよ。ヒデオが知っている子もいるよ。サイコキネシスみたいな能力を使う子や体を巨体化する能力の子とかね。」
「ああ、その子たちだったら覚えてるよ。あれ?でもそんな個人を特定できる情報が新聞に載っているのか?」
「ああ、それは新聞に載ってたんじゃなくて、俺がネットで調べたんだ。調べたらネットにその子たちが怪物を倒す動画がアップされてるのがすぐ見つかったよ。ホントは良くないことなんだけど。」
「確かに良くないな。あんまりそういう動画を見るのやめろよ!見る人がいるからネットにアップする奴らがいるんだから!」
「分かってるよ!ところでさ俺も聞く機会を逃したことを聞いてもいい?」
「いいけど、何?」
「ヒデオ小学5年生まで空手やってたって言ってたじゃん?今もトレーニングに空手の型をやってるのに、何で小学5年生でやめちゃったんだ?ヒデオだったらトップ目指せたと思うのに、もったいない。」
ずっとコウイチと会話しながらも型の練習をやめなかったヒデオだったが、今のコウイチの質問には型の練習をやめて答え始めた。
「これ以上普通の人と一緒にやるのは無理だと思ったからだよ。」
「それってどういう意味?」
ヒデオの回答の意味を理解できずコウイチは再び質問した。
「じゃあ逆に質問するけど、コウイチは何で俺が空手でトップを目指せると思ったんだ?」
「それはヒデオが『光のぬし』から叶えてもらった願いごとが『地球上で一番強くなりたい。』って願いごとだからだよ。地球上で一番強ければ空手の世界でトップになるなんて簡単じゃん!」
ヒデオの質問にコウイチが深く考えずに答えると、ヒデオはこぶしをギュッと握りながら話を続けた。
「確かに簡単だよ。俺が本気を出したら小学5年生の時でも大人ですら敵わなかっただろうな。だからやめたんだよ。小学1年生から続けていたけど、小学5年生になっても年下に負けるくらい弱かったから、『光のぬし』に深く考えずに『地球上で一番強くなりたい!』なんて願い事を叶えてもらったけど、それが間違いだったんだ!自分の力もまだ分かってなかったから願い事を叶えてもらった後の稽古で組手の相手をケガさせたんだ。」
ヒデオは思い出すのも辛いのか、ひどく苦しそうに言葉を発した。
「えっ!」
「幸い俺が本気を出していなかったから大したケガじゃなかったんだけど、その時俺は思ったんだ、『これ以上空手をやるのは危険だ!人を傷つけたくなかったら空手をやめるしかない!』ってね。これが俺が空手をやめた理由だよ。」
「そうだったんだ。ごめん!気軽に『トップ目指せたんじゃない?』なんて言ったりして。」
コウイチはひどく申し訳なさそうに謝罪した。
「別にいいよ。組手で相手をケガさせたってことを知らない人はみんな聞いてくるから。『どうして空手をやめたの?』って。」
「やっぱりヒデオだからかな?『地球上で一番強くなりたい!』なんて願いごとを叶えてもらえたのは。」
「どういう意味だよ?」
ヒデオはコウイチの発言の意味が分からず聞き返した。
「実はさ、ある国の調査機関が調べたところによると8年前に『光のぬし』が現れた後で新しい独裁者が現れたり、富の分配が変わったりはしてないらしいんだよ。ヒデオや俺みたいに能力をもらった子が自分の国の独裁者を倒した例はあるみたいだけど。」
「つまりどういうことだ?」
ヒデオはコウイチの発言の意図が理解できず単刀直入に質問し返した。
「つまり『光のぬし』は願いごとを叶えてあげる子をちゃんと選んでいたんじゃないかってこと。適当に願いごとを叶えて回ったら良くない願いごとをする奴も出て来るだろ?ヒデオは自分の能力に気付いたら、ずっとやっていた空手をスパッとやめるくらい優しいから、『光のぬし』は『地球上で一番強くなりたい!』なんて願いごとでも叶えてくれたんじゃないかってこと。」
「そっか。だからコウイチもそんな便利な能力を叶えてもらえたんだな。俺の能力もそうだけど、コウイチの能力も悪用しようとすればすごいことが出来るもんな。そう考えると俺たちだけじゃなくて願いごとを叶えてもらった子全員に言えることだけどな。」
「そうだな。すごいことが出来ると言えば、こんなことを高校の後輩から聞いたんだけど昨日怪物を倒した子の中に空を飛ぶ能力しかない子がいたらしいんだけど、どうやって怪物を倒したと思う?」
コウイチは難しいクイズをヒデオに出した。
「え?空を飛ぶことしか出来ないんだろ?う~ん。怪物をつかんで空高くまで飛んで落っことしたとか?」
ヒデオはコウイチの問いに単純に思いついたことを答えた。
「違う違う。俺も最初はそう思ったんだけど違うらしい。どうやら宇宙まで飛んでったらしい。」
「は?宇宙?」
ヒデオはコウイチの発言に驚きの声を上げた。
コウイチはその反応が面白いのか、笑みを浮かべながら説明を続けました。
「そう宇宙!怪物をつかんで宇宙まで飛んで、水分が蒸発してミイラになった怪物を宇宙空間に捨てて来たらしい。」
「宇宙まで飛べるなんて確かにすごいな!」
「ああ、宇宙まで飛べるのもすごいけど、宇宙空間に行って無事だったというのもすごいよな!宇宙空間には空気がないから、息もできないし、かなり低温のところもあるって言われてるし、生身の体で行って無事だったって言うなら、きっと宇宙空間でも平気でいられる能力ももらっているんだろうな。」
コウイチが興奮しながら話すので、ヒデオは少しそれが面白く感じて笑みを浮かべていた。
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