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また本が読みたくなる 「ビブリア古書堂の事件手帖」(映画)

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2本の映画を同時に観たような気分にさせられました。

本が過去と未来をつなぐ。

原作は三上延さんの「ビブリア古書堂の事件手帖」です。シリーズ累計で680万部突破しているそうです。映画公開で700万部を超えるかもしれません。

映画はその第一作目をベースに作成されていました。

古書店を営む主人公を黒木華さん、そこでアルバイトをすることになった大輔を野村周平さんが演じています。祖母の遺品から出てくる古書を巡るミステリーです。成田凌さんと酒向芳さん(「検察側の罪人」の悪役を演じていた方)もいい味出してました。

夏目漱石、太宰治の名著が物語の重要な要素として、用いられています。野村周平さん演じる大輔という名前は祖母が命名しています。そこには名著と関連した謎が込められています。その祖母と禁じられた恋に落ちる50年前のパートを東出昌大さんと夏帆さんが演じていました。

二冊の本を媒介にして、過去と現在を行き来しながら、話は進んでいきます。本好きにはたまらない世界観かもしれません。

サザンオールスターズの「北鎌倉の思い出」が主題歌として、映画に花を添えています。因みにリードボーカルは原由子さんが担当していました。

劇中「なぜ本が好きになったのかを問う」シーンがあり、主人公は「本に救われたから」という趣旨のセリフをはきます。

私も過去、そして病床の今に至るまで「本に救われて」います。

そして、今日も私は本を読んでいます。きっと本が読みたくなる、そんな気持ちになる映画でした。

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