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好奇の目 ~負けないように枯れないように~
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ついにその日が来た!
治療が始まる日だ。
前回は初めて行く場所だったので、
妻の運転も心配だったが、今回は大丈夫。
車の中でも、首は右に曲がろうとする。
コルセットで何とか凌ぐが、痛い。
病院に到着すると、
まだ診察まで時間があった。
診察は午後1時からだ。
妻と近くのファミレスに入ることにした。
病院の隣にあるので、徒歩で向かう。
すると、驚くことに、
首を右に曲げて器用に歩く人とすれ違う。
あの人もきっと、同じ病気だろう。
しかし、私と違って慣れたものだ。
首を曲げながら、しっかりと歩いている。
ファミレスに到着して、席へ案内される。
杖とコルセット、嫌でも目立つ。
周囲の目が、私に嫌でも向く。
好奇の眼差しに晒されるのは辛いが仕方がない。
ランチを頼んだ。
運ばれてきたご飯に、
右を向きながら、左手で食べる。
右側はちょうど窓側で、
人の往来があった。
窓の外の人と、
否応なく目が合ってしまう。
相手は、窓越しに
こちらを訝し気に覗く。
普段なら、もっと他人の視線が辛いところだが、
痛さや平衡感覚の無さなど、
首が大変でそこまでこちらも余裕がない。
昼食を済ませて、
病院の受付へ向かう。
妻が囁く。
「さっき、すれ違った人だよ」
「本当だ」
私と同じような症状だ。
その人が先に呼ばれて診察室へ入っていく。
「世の中には、この病気の人いるんだね」
私は同じ境遇の人を身近で見て、少し親近感が湧く。
この辛さを知っている人間がここにもいるんだ。
続いて、私の番だ。
前回は病名が判明して、
嬉しい気持ちがあった。
しかし、今は違う。
不安の方が大きい。
手に汗をかき始める。
心臓もドキドキし始める。
緊張して、私は診察室に入った。
※副題は「Mr.children」「花-Memento-Mori-」の歌詞の一部です。
治療が始まる日だ。
前回は初めて行く場所だったので、
妻の運転も心配だったが、今回は大丈夫。
車の中でも、首は右に曲がろうとする。
コルセットで何とか凌ぐが、痛い。
病院に到着すると、
まだ診察まで時間があった。
診察は午後1時からだ。
妻と近くのファミレスに入ることにした。
病院の隣にあるので、徒歩で向かう。
すると、驚くことに、
首を右に曲げて器用に歩く人とすれ違う。
あの人もきっと、同じ病気だろう。
しかし、私と違って慣れたものだ。
首を曲げながら、しっかりと歩いている。
ファミレスに到着して、席へ案内される。
杖とコルセット、嫌でも目立つ。
周囲の目が、私に嫌でも向く。
好奇の眼差しに晒されるのは辛いが仕方がない。
ランチを頼んだ。
運ばれてきたご飯に、
右を向きながら、左手で食べる。
右側はちょうど窓側で、
人の往来があった。
窓の外の人と、
否応なく目が合ってしまう。
相手は、窓越しに
こちらを訝し気に覗く。
普段なら、もっと他人の視線が辛いところだが、
痛さや平衡感覚の無さなど、
首が大変でそこまでこちらも余裕がない。
昼食を済ませて、
病院の受付へ向かう。
妻が囁く。
「さっき、すれ違った人だよ」
「本当だ」
私と同じような症状だ。
その人が先に呼ばれて診察室へ入っていく。
「世の中には、この病気の人いるんだね」
私は同じ境遇の人を身近で見て、少し親近感が湧く。
この辛さを知っている人間がここにもいるんだ。
続いて、私の番だ。
前回は病名が判明して、
嬉しい気持ちがあった。
しかし、今は違う。
不安の方が大きい。
手に汗をかき始める。
心臓もドキドキし始める。
緊張して、私は診察室に入った。
※副題は「Mr.children」「花-Memento-Mori-」の歌詞の一部です。
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