セカンドコンタクト

アカネラヤ

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セカンドコンタクト4

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「はぁ…、ぁ……っ」
 イッた太栄さんの顔はマジでエロくて。
 潤ませた瞳は焦点が定まらず。
 口はよだれを垂らして半開きで荒い呼吸を続けている。
 顔は興奮冷めやらずで蒸気したまま。
「あ、ぁ…、ゆうや…ぁっ、はぁ…っ」
 俺の名前を呼びながら息を整える。
「気持ち良かったですか?太栄さん」
「……ぅん……。良かった。……めっちゃ、良かったで……」
 顔を赤らめて上目遣いでそんな事を言う。
 それがあまりにも可愛いものだから。
 俺はまだ抜いていない指を少しだけ揺らしてみたりする。
「んひぅ……ぅん」
 少しだけ堪えたような甘い声。
「太栄さんのココ、すごい締め付けですよ」
 喋りながらもゆっくりと抜き差しを繰り返す。
 イッた直後でまだ余韻の残る太栄さんの身体はまだまだ敏感状態で、ゆっくりと内壁を擦るだけでも身体がビクンビクン揺れる。
「ぁんっ、ぉまっ…、そこ、もう…っ、ぁっ、いじん…っ、なやぁ……っひ!!」
 一言一言つぶやくたびに太栄さんの身体全体がヒクついて。
 それがまたエロくて。
 エロくて。

 まだイッた感覚が残っているんだ。

 それがとても愛おしくて。

 ビクビク痙攣する太栄さんにたまらずキスをする。
「んぅ…」
 太栄さんの顔はとろけたままで。
「ん…っ、ふ…ぁ…」
 左腕に体重をかけて少しずつ押し倒して、絨毯に太栄さんを横たわらせる。
 手ぶらになった俺の左手は、そのまま肌を這い寄りつつシャツの内側へ滑り込み、服を押し上げるように上へ上へ。
「あ…ァァ、……ンン…」
 太栄さんの肌の感触を指で味わう。
 やっぱりスベスベで気持ちいい。
 もちろんこの間も俺の右手は太栄さんのナカを静かに攻略中。
「……っ!!んゃ、ん…ふ、ぅ…」
 服をたくし上げながら腹筋、背中、腰、わき腹。すべてを通り、乳首へと辿り着く。
 まだシャツが邪魔になってこちらからは見ることが出来ないが、少し触るだけでも明らかに突起している事がわかる硬さで。
「やっ、ゆうや、そこ…っ!…触ったらあかんって…」
「乳首、めっちゃ硬くなってますよね。見てもいいですか?シャツが邪魔で見えないんですよ」
「やゃ…、んっ」
 もちろん太栄さんの意見など聞きはしない。
 ごめんね太栄さん。

 左手で右胸付近のシャツをたくし上げる。
 片手だとなかなか難しい。
 難しいが、己の欲望のために俺はがんばる。
 うん、俺、やれば出来る子。

 やれば出来る子ッッ!!

「ほら、もうすぐ見えちゃいますよ」
「いやゃ、見んといてぇ」
 くッッそかわいい。
「そんな甘い声じゃ拒否してるようには聞こえませんよ」
「ややぁ…」
 まだ目がとろんとしている。
 正確にいうと見られたくないのだけども、身体に力が入らなくて抵抗が出来ないといったところか。
 もちろん俺もそれは判っているのだが。
 すんません、付け入らせてもらいます。
「はぅんんっ」
 まくり上げたシャツに。既に立ち上がっている乳首の先が擦れたのか、太栄さんが小さく震える。
 シャツの下からは太栄さんの健康的な肌の色にとても似つかわしい桃色の先端が顔を覗かせた。
 ……嗚呼。
 なんて愛らしいんだ。
「見えましたよ……太栄さんの乳首。もうこんなに立ち上がってて。ほら、可愛いピンク色」
 その可愛い桃色の先端は俺の指を誘うかのようにピンと立っている。よく見ると外気に触れたためか、さらにキュンと硬く上を向いていた。
 それがまた俺を欲情させる一因となる。
「見んなやぁァァ…」
 太栄さんの意見を聞く耳は以下略。
 ていうか太栄さん、恥ずかしいからって手の平で乳首隠さないでくださいよ。
「なにそのポーズ。誘ってるんですか?」
 まるで一昔前のグラビアアイドルのようなポーズ。
 そんな格好でそんなポーズしてそんな顔されたら、もう止まれない。
「そんなじゃ……あっ。いやや、見んといてぇっ」
「だめです」
 なにこの焦らしプレイ。
 くそう舐めてやる。
「ひぁん……っ」
 頭の後ろから脳天が突き抜けるような甘ったるい声がする。
 その声をもう一度聞きたくて。
 俺はそこを何度も舐める。
 転がす。
 舌先で押す。
「はぁっ、あん、ん、んぅぅんっ」
 さらに強く吸ってみる。
「んはああああァァァあんっ」
 かなり刺激が強かったらしく、声とともに身体が大きくうねり、そして仰け反る。
「太栄さん乳首、弱いんですね」
「やゃ、もう、言うなやぁ…っ」
 恥ずかしいのか両手で真っ赤な顔を覆い隠していて。
 仕草がまるで女子高生ですよ。
「ココと、ココ。弱いとこ同時に攻めてみたらどうなるんですかね」
 実はあれからもずっとチクチクと動かしていた右手の速度を少しだけ速めながら、左手で太栄さんの右乳首をツンツンとはじいてやる。
「……っ!!…ぁ、やめ、ぃゃゃ、佑哉、俺、そんな、んされたら、どうかなっ、てまう、から…ッ!」
「どうかなってええですよ。見てるの俺だけですから」
 
 こんな可愛い人を他の人になんか見せたりする訳がない。
 
「あっ、あっん!そこ、ソコいややぁ、もう弄らんといてぇっ」
「そこってどこですか?ちゃんと言ってくれないと分かりませんよ」
 前立腺を適度な速度で擦る三本の指と。
 桃色の小さな実を、猫が見つけたおもちゃのようにツンツンと弾いたりつまんだりしている左手指と。
 質問しながらも俺の両手たちは行動を休めない。
「んや、んやぁ、あんっ!ああっん!」
「言わないとやめませんよ」
 ちらりと横目で太栄さんの股間を確認すると。
 触ってもいないのにもう真っ赤に充血し天を仰いでいるのが見えて。
 目線を戻し太栄さんの顔を見る。
 いや正確には両手に阻まれてよく見えないのだが。
 太栄さんの真っ赤に潤ませた可愛らしい涙目は確認できたのでまあヨシ。
「で、どっちですか?」
「ひぅ……──ど、どっちも、んゃ、ややぁっ、ジンジンすんの、ややぁ……っ!」
 素直に答えてくれるそのいじらしい姿にゾクゾクする。
「もう、お前が……どっか、触るたんびにジンジンすんねん…、これもうややぁ、佑哉…、助けてぇ、助けてぇやぁ……ッ」
 
 
 
 ────────…………。









 先程少しだけ持ち直しかけた俺の理性さんは、いとも容易くまたもやログアウトしてしまった。
[#改ページ]
「ひぅ…んっ!」
 今まで弄っていた指を一気に引き抜く。
「ゆ……佑…哉?」
 不安げな顔。
 目を潤ませて俺の名前を呼ぶ。
「すんません、太栄さん。俺、もう止まりません」
 言うが早いか手が早いか。
 右手で太栄さんの左脚をつかみ、己の肩へ抱え上げるように持ち上げる。
 うん。……丸見え。
 あれだけ弄られていたソコは、卑猥にヒクヒクと伸縮を繰り返して俺の自尊心を弄ぶ。
 その光景に面食らいつつ。
 空いた片手でズボンを脱ごうとするも。
 くそう、指がうまく動かない。
 気持ちだけが前のめりしていて。
 行動が追いつかない。

 俺は確実に焦っていた。

 なんとか半ずらしさせて、完勃ちした己を解放すると。
「ゆ、佑哉……??それは、……無理、なんとちゃうかなぁ……?」
 太栄さんのか細い声が聞こえる。
 さすがに俺がこれからする事に気付いたようだ。
 だが身体がうまく動かせないのか、抵抗する様子は見受けられない。
「ちょっ、…ま、待て。佑哉」
 突然太栄さんの「待った」がかかる。
「──なんですか?」
 何だろうと顔を見てみると微妙に青ざめている。
「お前それ。……デカすぎじゃね?」
 そう言われて改めて己の息子を見てみるが、自分からすればいつも見慣れているモノだけに特に違和感は感じられない。
「そうですかね?今興奮してるからじゃないですか?」
「いやいやいやいや。ないわ、それはないで。お前それ俺のケツん中にブチ込もうとしとるんやろ?そんなん入れられたら俺のケツ裂けてまうやんけ」
 む、これはなんとなく嫌な予感。
 案の定太栄さんが逃げ腰になっている。
「大丈夫ですよ。さっきめちゃめちゃに慣らしましたし」
 適当に聞き流しながら俺はいそいそと準備を始める。既に持ち上げている脚を軸にして、さらにこちらへと強引に引き寄せる。
「ちょ…ッ、いやいやいや慣らすとか慣らさへんとかの問題やのうて……っ!…あ、こら、話は……ッ」
 グイッと腰を前にずらして、これから突き進むであろう場所に狙いを定めて。
「太栄さんこれからって時にムードない事言わないでくださいよ」
 言葉とは裏腹に。
 誤解したくなるほど淫らにヒクヒクとうねる太栄さんの入り口に俺の息子をぴたりと押し当てる。
 押し当てつつ少しずつ力を入れて侵入を試みる。
「んゃっ、あ、こらくっつけ……っ、ぁ…!」

 ぬぷ。
 ぬぷぷ。

 ──ずぷん。

 既に濡れそぼっている太栄さんの肛門は、なんの抵抗もなく俺自身を呑み込んでくれた。
 それがまたなんともエロくて。
「ほら、なんなく入っていきますよ」
 それを共有したくて。
 実況してあげる。
「ぁっ…、あっ……」
 口元に両手をあてて、不安そうにこちらを見ながら喘ぐ姿が可愛くて。
 突き進む度に太栄さんが小さく揺れる。
 内壁の擦れる感じが気持ち良いようだ。
「ゆっくりと、入ってます」
 突き進む度に太栄さんの腰が揺れる。感覚が堪らないのか腰に現れてしまっている。
「んあっ、揺らさな……っ」
「太栄さんが勝手に腰振ってるだけです。ほら、全部入りましたよ」
「…っん…っ」
 俺の動きが止まったことにホッとした太栄さんは、今のうちにと息を整えようとしている。
 そんな太栄さんがとても愛しくて、つい意地悪をしたくなった俺は。
 彼の不意をついて軽く奥を小突いてみた。
「ほら」
「あ!…っん……ほ、んま、に…?」
 いきなり動かされた太栄さんの身体が面白いように跳ねる。
「うん、ほら」
「んはぁんっ!!ちょ、こらぁ…!」
 真っ赤な顔で怒る太栄さん。
 それにほだされた俺はちょっとだけ早めに突いてみる。
「ほらっ、奥までっ、…突けて、ますでしょ……ッ?」
「あん!あぅ、…っ!たっ…、試すなやァ!」
 突く度にうねる太栄さんの四肢があまりにもしなやかでうっとりと見惚れてしまう。
 その間にも俺の息子は太栄さんのそこに締め付けられ、今にも蕩けてしまいそうな熱さを感じていて。
 その熱さに勘違いしてしまいそうになる。
 だから。
 ──俺は。

「ね?太栄さん。俺のは、どんな感じですか?」
「佑哉……の?」
 太栄さんの息が荒い。
「うん、俺の」
「んと……。俺ん中、入っとる。お前のめっちゃ──熱い……」
「熱い?」
「うん、あっつぃでぇ……?」
 恍惚とした表情で俺を見つめながらため息混じりに吐かれる台詞。
「お前は?」
「ん?」
「俺んナカ……どうなん?」
 まさか太栄さんから聞かれるとは思わなくて、俺はちょっとびっくりした。
「太栄さんのナカ、ですか?」
 聞いた本人もやっぱり恥ずかしかったのか顔をさらに真っ赤にして目線が泳いでいる。
「…うん……」

 俯き加減に上目遣い。
 今日の太栄さんは反則が多すぎる。
 声だけでも充分に可愛かったのに。
 実物はそれを上回る愛らしさで。
 俺の恋に拍車がかかる。
 
「太栄さんのナカ。すっごく熱くて、すっっごく俺のを締め付けるんですよ。そしてすごく狭いですね」
「ふーん……」
 ……あれ。
 答えがお気に召さなかったのか、そのまま黙ってしまった。
 そして。
「俺んナカ。気持ちええのんか?」
「えっ?」
 またもや不意打ちの質問に。
 ちょっとドギマギしてしまう。
「当たり前じゃないですか。意識持ってかれそうになるくらい気持ちイイですよ。すんごいうねるんですよ太栄さんのナカって」
「そこまで言わんでもええねんっ!でも、そか。気持ちええのんか。……そっかぁ……」
 流石のツッコミも忘れずに、その後はぶつぶつとつぶやいていて。
 なにかを一人で納得しているようにも見えて。
「そか……、──よかったあぁ…っ」
 その。なんともいえないホッとしたような表情が。
 俺に突っ込まれて顔を真っ赤にさせて息を荒げて目を潤ませて汗ばんでる今の太栄さんに重なって。
 それが俺にはたまらなくて。
 気持ちがブワッてなった。
 
 でも。
 だからこそ。
 それと同時に。

 ──どうして?

 という疑問が頭をよぎってしまう。
 その表情と言葉に、否が応にも俺にとって儚い期待を抱いてしまいそうになるから。
 ……そんな訳、ないのに。
 そんな訳……ない。
 ある筈がない。
 シナリオ出来すぎだろ。
 ドラマじゃねえんだから。
 
 現実はそんなに甘くなんかない。
 淡い幻想を打ち消したくて、思い切り太栄さんのナカを突く。
「ひぁ…ッッ!?」
 突然の俺の行動に太栄さんの身体がしなる。
「んはあぁ…ッん!!」
 そんな訳、ない。
「ふう…ぅ…ッ」
 そんな筈は、……ないんだ。
「あっ、ああんっ…」
 太栄さんはただなんとなく聞いただけだ。
「あっ、アっ、あっ、や、もう、激し…ぃっん…!」
 深い意味なんて、ないんだ。
「ゆ、うやぁ…、もう、堪忍や…っ、俺、俺、…おれイッてまうぅぅッ!!」
 深い意味なんて。
「やだやだ、や!…やイク、イッちゃ!…イッ…、っくうゥゥゥ~~……ッッ!!」
 俺の目の前で太栄さんがビクンビクンと大きくバウンドする。
 太栄さん自身も大きく揺れながら盛大に射精をした。
 達した時の太栄さんのナカは別の生物かと思うほど大きくうねり、俺はすべてを持っていかれそうになるのをなんとか堪えようと必死で。
 太栄さんがハァハァと肩で息を整えつつ、艶っぽい眼差しで俺を見つめてくる。
「ゆ…ぅ、やぁ……」
 俺はその視線を素直に見返すことが出来ず。
 振り切るようにナカを何度も打ち付ける。
 打ち付ける。
「んぁっ、ちょっ…や、まだぁっ、イッたばっか…やのにぃっ、そんっ、なにされたらぁっ、俺ぇ、どうかなってまうよぉぉっ!」
 もしかしたら俺の頭は既にどうにかなってしまったんだろうか。
「ぁんっ、ああっ、ゆうや、ゆうやあァアんっ、おれ、おれぇっ…」
 太栄さんが俺に懇願する。
「やっ…あんっ、ゆぅっ、ゃ…っ、ややぁ、そこ、ややあっ、擦らんといてえっ!…おれ、おかし…なるぅ…っ!んああんっ!んや、んやぁあぁ、気持ち、気持ちエエよォォ!!あああっ、また、またぁっ、イッて…イッちゃあぁ~~……ッッ!!」
 綺麗にしなる太栄さんの身体。何度も射精しているせいか段々と吐き出される精液の量が減ってきているのが分かる。
「太栄さん……、感じる?俺のこと──感じる?」
 俺は不安になって何度も聞く。
 今目の前で叫びながら盛大に射精した太栄さんを見ているのに。
 俺自身が太栄さんのナカのうねりを直に感じているのに。
 太栄さんに演技が出来ないことを俺は解っているのに。
「ぅん…っ、感じるで……佑哉。すっごぃ、感じたで……」
 その本心から出ているであろう一言に。
 その恍惚とした表情に。
 俺はただただホッとする。
 あまりにも安心したのか。俺はそのまま倒れるように太栄さんの上にもたれかかり、太栄さんの胸あたりに顔をうずめた。
「──佑哉?」
 太栄さんの体温をもっと、もっと感じていたくて。
「太栄さん……俺──」
「なんや?佑哉」
 そんなに優しく問いかけないでください。

 ──勘違いしてしまうから……。

「俺。俺、あんたが好きなんです」
 太栄さんの心臓の音。
 まるでゆりかごの中にいるような心地良さに、つい口が滑って告白してしまった。
「おう、俺も。お前のこと好っきゃで、佑哉」
 太栄さんの両手が俺の背中にぎゅっとからみつく。
 俺を安心させてくれるためのリップサービス。
「俺。太栄さんを、愛してるんですよ?」
 だから俺は。
 俺は、訂正出来ないよう念を押した。
 それが太栄さんのためでもあるから。
「うん。せやから、俺もお前のこと愛しとぉよ?」
 背中に優しくからみつく腕。
 その両手が俺の頭に這い上がってきたと思ったら、いきなり髪の毛をぐしゃぐしゃとされて。
 突然のことに俺はビックリしてしまった。
「ちょっ、太栄さん!?なにするんですかっ!」
「お前がアホなこと言うからじゃボケ」
「人の告白をアホとか何言っ……て、イテテテテ!!」
 俺の顔は太栄さんの両手に挟まれて、強制的に太栄さんの顔へと向かされて。
「太栄……さん……??」
 太栄さんの顔は。
 まっすぐな眼差しで俺を見つめていて。
「アホっちゅうたらアホじゃ。ええか。お前、何で俺が好きでもないやつに股広げなあかんねん。俺はそこまでお人よしな奴に見えんのかアホンダラ。俺は男やぞ。この行為の重大さくらい分かっとるっちゅうねん」
「太栄さん……」
 太栄さんの顔は真剣だ。
「しょっぱな飛ばしすぎたのにはえらい驚いたけどな。……お前なぁ、俺が素直にヤられてただけやと思うなや。抵抗ならいつでも出来たっちゅうねんアホが。ほななんで抵抗しいひんかったか?お前が相手やからや。そんくらい分かれやクソが」
 太栄さんはマシンガントークで己の感情をブチまけてくれた。

 ──そりゃそうだ。
 太栄さんはいくら幼く見えたって、それなりに力のある大人の男性なのだ。
 いつでも抵抗は出来たはず。

 そしてそれをしなかったのは。
「俺、だから……?」
「せや。佑哉やからなんにもしいひん。言うたやろ、俺はお前が好っきゃねん」
「太栄さん……」
「好っきゃねんぞっ!…何遍も言わせんなや、恥ずいやろッッ!!」
 真剣な顔がどんどん火照ってゆく。
 そんな太栄さんが愛おしくて愛おしくて。
 たまらない。
 愛おしくて。
 愛おしくて。
「太栄さん……」
 目の前にいる愛おしい人の唇を奪う。
「佑哉……」
 太栄さんもそれに気付いたのか、静かにゆっくりと目を閉じて俺が近づくのを待っている。
「んん…、っうぅ…んむぅ」
 しっとりしていて。
 熱い口内。
「んは、ぁ、んぅん…っ」
 お互いに余裕がない。
 今だからこそお互いを感じ合いたい。

 太栄さん。
 太栄さん。
 太栄さん……ッッ!!

 糸が引くほどに長く長いキスをして。
 名残惜しくも顔が離れ。
 ウットリとした眼差しと蒸気した頬で俺を見つめてくる太栄さんが可愛くて。
「はぁ、はぁ…、なあ、佑哉…。お願いが、あんねんけど」
「…何ですか?」
 目線が少し泳ぐ。
 そして恥ずかしいのか、よく見ると耳まで赤い。
「もっかい、…その……動いてくれへん?」
「え?俺は勿論いいですけど…。その、太栄さんは大丈夫なんですか?」
 俺としては嬉しい限りなのだが、太栄さんは疲れないのかと逆に心配になる。
 本日俺が彼の家に来てから計五回もの射精。
 いくら健康な成年男子といえさすがに疲れがくるはず。
 明日は会社だと言っていた太栄さんの事を考えたら、俺はあまり彼に無理をさせたくはない。
「俺ら今好き同士やねんぞ。…その、なんだ。え~と…やなぁ。お互いの気持ちを知った今こそ素直に抱き合いたいねん。──耳とか、関係なしにな」
「耳?」
 と聞いてハッと思い出す。
 そういえばこうなるに至った原因の事をすっかりと忘れていたので、あらためて太栄さんに生えた猫耳部分を確認する。
 ──のだが。
「あれ?……ない?」
 猫耳が生えていた辺りの場所にはもう既にそれらしき痕跡がなくなっていた。
 まさかと思い俺は急に起き上がって、尻尾の生えていたであろう部分を確認するために再度太栄さんの片脚を上げる。
 こうでもしないと今の体勢ではその部分がよく見えないのだ。
「ちょっ…あァんっ」
 これもすっかり忘れてた。
 俺たちはまだ繋がっていたままだった。
 その状態でいきなり俺が動いたり体勢を変えようとしたものだから、振動が直に太栄さんに伝わりその感覚に耐えられず嬌声が漏れる。
「あっ、すいません。尻尾を確認しようと思って」
「ん、ふ…ぅ…ンン…」
 太栄さんは怒るでもなく、感覚に酔いしれウットリとしている。
 それを見て俺は内心ホッとすると、先程まで尻尾があったであろう場所に左手を這わせる。
 その感覚ですら今の太栄さんには快感になるようで。
「…っ、は、ぁ…」
 やはり、耳と同様に。
 思ったとおり尻尾もなくなっていた。
「太栄さんよかったですね。耳も尻尾もなくなってますよ」
「おぉ。そかぁ……」

 ん?
 反応が薄いな??

「太栄さん?」
 どうしたのだろうと問いかけてみる。
 太栄さんの顔は恍惚としていて、瞳を潤ませてこちらを見据える。
 熱い吐息で囁くように。
「もうどうでもええやん……。なあ、佑哉」

 両手が俺に伸びてくる。
 まるでおねだりをする子供のように。

「なあ。……シて?…もっと、シようやぁ?」

 ──上目遣いでおねだりをする太栄さんは可愛すぎると思います。
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