セカンドコンタクト

セカンドコンタクト３

　セカイさんからの衝撃の提案から約数分。
　俺とセカイさんは互いを向き。
　セカイさんはペタン座り。
　俺にいたっては正座をしている。

　セカイさんは、なかなか仕掛けてこない俺を逆に不振に思っているようで。
　コテンと首をかしげて。
「ヤク…ト……？」
　めっちゃ見てくる。
　でっけぇ瞳。
「あ…いや、なんていうか。改めてするってのもなかなか恥ずかしいもんだなぁと思って……」

　……あ。

　赤くなってる。
　モジモジしてる。
　──かわいいなぁ。
「あ～～、……せやなぁ。でもずっとこうしとる方のが、俺、どっちかいうと恥ずいねんけど」
　へぇ。
「そう、ですか？」
「うん。せやって、どうしたかてヤクトの顔意識してまうやん。俺こっちのが恥ずいわぁ」
　照れた表情で頬をぽりぽりとかきつつ、チラチラと目線が合って。
　その度に俺はドギマギしてしまう。
　あ～～もう、なにこの小悪魔。

　当の本人はもちろん無意識だからそんな事など解っちゃいないわけで。
　あざといなぁ、もう。

「あ、せや。自己紹介しよや」
　あ。
　確かに。
　俺たちは初顔合わせだというのにも関わらず。
　まだろくに挨拶すらもしていなくて。
「ああ。……そういえばそうですね」
「せやろ？んじゃあ俺からいくで？」
　セカイさんがニコニコと俺の顔を見つめながら。
　コホンと咳払いをして。
「んじゃいくで？芹川太栄(せりかわたえい)っていいます。え～っと、ハンドルネームはセカイです。もうすぐ三十二のしがないサラリーマンです。以後宜しゅうに。ほい、次ヤクト！」
　おお、こっちにきた。
　俺も答えなきゃ。
「え……っと、弥汲佑哉(やくみゆうや)……です。ハンドルネームは、ヤクト。年齢は今年で二十七になります。え～っと、同じくしがないサラリーマンです。……って、セカイさん三十路超えてたんですか。若く見られません？」

　事実。
　初めて見たセカイさんの見た目は二十代半ばの青年のようで。

　──あ。
　セカイさんむくれてる。
　ムッとしてる顔も可愛いな。

「童顔とかいうなや？俺けっこう気にしてんねんぞ」
　ぷぅっとふくれて、大きな瞳で俺をにらみつける。
「あ、すいません」
「んむ」

　うん。
　──すっごく、かわいい。

「お前はどっちかゆうたら、老けて見られそうやのう。背も高いし」
　ペタン座りから四つん這いになって。
　ゆっくりと俺に近づきながら、まじまじと観察される。
「あ～～、はい……そうですね。あんまり年相応には思われないかな？…って、セカイさん！？」
　考えごとしながら喋っていた俺は。
　いつの間にかセカイさんが鼻先三寸まで近づいて来ていた事にまったく気が付かなかった。
　え。
　近ッッ！！
「なぁ、せっかくお互い本名も判ったんやし、こういう時くらい……ちゃんと呼びあおうや？」
　上目遣いのセカ……いや、芹川太栄さんの恍惚とした表情は、俺にとってはとんでもなく破壊力満点で。
「では。……芹川さん」
「太栄でええよ。……佑哉。」
「……太栄…さん。その、キス……してもいいですか？」
　太栄さんの身体がピクンと震える。
　やっぱりなんだかんだいっても怖いのだ。
　当前だ。
　簡単に払拭できる事なんかじゃない。
　それくらいの事を俺はしてしまった。
「なあ、佑哉」
「なんですか？」
　覚悟を決めたかのような眼差し。
「あんな？」

　震える唇で不安そうな。
　今にも泣いてしまいそうな大きな瞳。

「めっちゃ優しくしてな？めっちゃ気持ちよぉしてな？」

　その仕草と。
　その声と。
　その台詞に。
　俺は全部やられた。

「もう。──太栄さんには適いませんね」
　ノックアウトだ。
「ん？佑哉……んっふ、ぅぅ…ん」
　完敗の台詞とともに太栄さんにキスをする。
「ふ…、んむ、ぅ、ん…っ、ふぅ、ん…ぁっ」
　口の中、すげえあっつい。
　声、かわいい。
　そんな太栄さんがとても愛おしくて。
　キスをしたまま俺の両手が、太栄さんの可愛らしいお尻に這い寄っていく。
「んぅ…ッ」
　太栄さんのお尻はスベスベで。
　いつまでも触っていたくなる。
「んっ…、ふ、ぁ、んぅ……」
　かわいい声。
　もっと聴きたいな。
　かわいい。
　かわいい。
　かわいい。
「ふ、んぁ…ぷはっ、佑哉ッ！お前長いねんっ！酸欠するかと思たわ！」
　太栄さんが離れてしまった。
　ああ、残念。
「太栄さんがキスで感じるトコやっと発見したのに…」
「う、うううっさいわっ！！あんなん何度もされたらお前、こっ…こここ腰、抜けるやないの……っ」
「太栄さん……」

　かっっっっわいい……！！

　なにこれ。
　なにこれ。
　あまりの可愛さに卒倒しそうになる。
　真っ赤な顔。
　あ、目が泳いでる。
　あ～～もう、可愛い！！
「太栄さん。あんまり可愛すぎると、俺止まらなくなりますよ？」
　太栄さんの顔はさらに真っ赤になって「男に可愛いとかいうなや」といじけはじめる。
「そんな顔しないでください。いじめたくなるじゃないですか」
　先程まで止めていた両手の動きを再開する。
　太栄さんの尻はすべすべだ。ほどよい丸っこさで。
「へ？って、ちょっ……ぁ…っ、んっ」
「太栄さんのお尻やわらかいですね。ほら、こんなにムニムニ」
「……はっ、ぁ、あっ」
　両手指がお尻の割れ目に吸い込まれていく。
「んゃ……、っ、な、なに？」
　お尻の穴を撫でる。
「んひいぃぃぃんっ」
　ツンツンしてみる。
「んやぁ…」
「指、入れてもいいですか？」
　促すように入り口を優しく押す。
「ゃ、いやや佑哉、そこはいやや、ややそこ、汚いから……っ！」
　ああもう。
　止まらない。
「汚くなんかないですよ」
　中指を一本。
　ゆっくりと侵入させる。
「んぅ…ッ」
　潤滑剤も何もないから、指はなかなか進まない。
　ちょっとずつ。
　ちょっとずつ。
　壁面をマッサージするように。
「あ…っ！ぁ、ぁ、ぁ、ぁあ…っ」
　指一本がやっと入った。
　ふるえる身体が愛おしい。
「ねえ、太栄さん。……どんな感じですか？俺の指」
　ちなみに俺の感想は、太栄さんのナカはとても狭くてとても熱い。
「え、どんなんて言われても、せやな……。お前の指、けっこう……長い…」
「長いですか？」
　確かに俺の手は大きいと言われた事がある。
「俺ん中入ってきた感じやとな」
　冷静に俺の指を分析してくれる太栄さん。
「へー……。んじゃその指でこんな事とかしてみたりして」
　侵入している中指を内壁に沿ってグルグルとまわす。
「んはあぁぁぁ～～……ッッ」
　喘ぎ声が俺の首元に直接かかる。
　……すごく、熱い。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あ…っ」
　指を一回転させるたびに太栄さんの身体が揺れる。
　気持ちよくなって欲しいから。
　グニグニと内壁を探るように弄る。
　弄る。
　弄る。
「っ…あア…ッん！？」

　──見つけた。
　とある箇所を探った途端に太栄さんの声が大きくなる。
　ちょうど股間の裏側にあるコリッとしたようなもの。
　そこをこれでもかと重点的に擦ってやる。
「やっ…！…っああっ、あか、んって！…や、や、やや、んはッ、や、あ、あはあァァんッ！」
　先程と明らかに反応の質が違う。
　……ココだ。
　コレが前立腺か。
　俺はここぞとばかりに人差し指と薬指も参戦させて、前立腺を弄り倒す。
　何本もの指が出入りする肛門からは、じゅぶじゅぶという卑猥な音がして。
「ははっ……すげぇ音」
「あかん、あかんッ！ゆう、や、堪忍、堪忍や…っ！…や、おれ、俺また、いっ…、イッて、イッてまう、からあぁ…っ！」
　俺にすがりつき俺の顔を見て懇願する太栄さん。
　真っ赤な顔は汗と涙とよだれでベトベトで。
　それが一層、俺を興奮させる一因となる。
「いいですよ。太栄さんのイッた顔、もっかい見せてください」
　三本の指の速度を速める。
　また見たい。
　だから。
　早くイッてしまえと。
「いややぁ、も、もう俺、あかん、あかんからあぁ……っ、あっ、ァァァ、いやっ、あっ、ゆうや、あかん、見んといてえェェ…かんに、堪忍や、やんっ、あ、あも、あもアカンっ、イクううゥゥゥゥ～～……ッッ！！」
　表情にあわせて、猫耳がピクピクと揺れる。
　
　太栄さんから盛大に発射された精液は、目の前にいた俺の服にべっとりとこびり付いた。