超短編小説集 2024

いとくめ

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二度とわたしを

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いつも誰かを気遣って
周囲に気を配り誰よりも気を利かせ
気働きばかりして生きてきたせいで
よく他人から当てにされ
気づけば召使のように扱われるようになっていた
だからしっかり言い聞かせようと思う
わたしは召使や奴隷ではない
わたしから気働きを取っても
ちゃんとわたしは残る
だから二度とわたしを見下すな
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