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1・言葉なんて役立たず
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豊かな人生経験は物書きにとって財産である。
そう自分に言い聞かせて頑張ってきた。
嫌な目にあっても、創作の糧になると思えば耐えられる。
とはいえ、世の中には嫌なことがゴロゴロ転がり過ぎだ。
午後九時。
バイト終わりに呼び出された居酒屋で、わたしは愛想笑いを浮かべていた。
オリジナル脚本でのデビューをちらつかせ、わたしに笑顔と酒の酌を強要しているのはテレビ局のディレクター・井澤だ。
このひとはわたしが提出したドラマ企画書の決定権を握っている。
女が夜遅く異性に呼び出されてホイホイ酒場へ行くなんて、と眉をひそめる人がいるのも知っている。
しかしこれには理由がある。
わたしは仕事が欲しいのだ。
急な呼び出しにも応えるフットワークの軽さ、ノリの良さ、やる気。
大いに食べて飲み、深夜過ぎても元気に活動できることを証明し、徹夜も厭わず書けるんだってことをアピールしたい。
若いから女だから無理だと判断されて、チャンスを逃したくなかった。
コネもツテもないわたしが仕事を獲得するには多少の我慢は必要だ。
で、座敷にふんぞり返る井澤が程よく酔っ払い始めるといよいよスタートだ。
先日提出した企画書へのダメ出しから始まり、説教と自慢話の波状攻撃。
もう五十近い年齢だというのに、井澤ははるか昔の己の高校時代の模試の点数と順位を自慢し、就職試験の面接で自分がいかに賢い受け答えをしたかを滔々と語る。
それから、テレビの仕事で出会った有名芸能人や脚本家たちに自分が褒められた話を延々と続けるのだった。
ひとは名の通った大学を卒業し、テレビ局に勤めてたくさん給料をもらい有名人たちと知り合いになると、自分が特別な人間になったように錯覚するものなのだろうか。
会社組織に守られた生活を享受しながら無頼を気取るのもどうかと思うが、大勢の著名な作家や俳優たちと仕事をするうちに勘違いした井澤は、己が一介のサラリーマンに過ぎないことを忘れ、無精髭姿で酒を飲み演出論や脚本論を語るのがお気に入りだ(残念ながら自分を演出するために顔じゅうに生やした縮れた無精髭は卑猥にしか見えない)。
わたしのような立場の弱い人間をいびりながら会社の金で飲み食いするのは、おそらく手軽なストレス解消法なのだろう。
恥ずべき行為に疑問も持たず、今日も井澤は絶好調だった。
…と、いくらでも悪口なら並べることができるのだが、情けないことにこんな見下げた奴に、わたしは媚びへつらっている。
書いたものをけなされ、無職の貧乏暮らしをバカにされても、ヘラヘラと笑って聞き流す。
目の前にいるこの軽蔑する人間が、わたしの人生を握っている。
こいつがわたしの書いた企画書を気に入れば念願のオリジナル脚本が書けるのだ。
だからどうしてもこの薄汚い命綱を離すことはできなかった。
料理を食べ尽くし、機嫌よく酔っ払った井澤は立ち上がった。
結局、本日も企画の最終決定はされないままお開きとなった。
支払いを済ませた井澤は、勤務先名を書き込んだ領収証を店員から受け取り財布にしまった。
あーあ、家に帰って企画書を書き直そう。
そんなことを考えながら店を出てしばらく歩いていたら、突然視界が暗くなった。
「な…っ!?」
なんと井澤がいきなり抱きつきわたしの耳元で囁いた。
「君には期待しているから、今日は本気を試したい。この意味、わかるよね?」
「は?」
「脚本家になるんでしょ?だったらほら、何事も経験しないと」
脂ぎったでかい顔を近づけ酒臭い息をこちらにふきかけた井澤は、わたしを近くのホテルへ連れ込もうとしていた。
は???
一体こいつは何を言っているんだ。
「確かに、経験は大事だと思います」
わたしの素直な返事に気を良くしたのか、井澤は拘束を緩めてこちらを見た。
ようやく視界がひらけて息をついたわたしは、一歩後ろに下がりながら続けた。
「いまわたしが望むのは、人殺しの経験ですけどね」
怯んだ井澤が体を離したところで、助走をつけたわたしは奴の急所を思い切り蹴り上げた。
死ね、井澤。
道端に崩れ落ち悶絶する、豚のように肥え太った髭面メガネのディレクターを放置して、わたしは振り返ることなく立ち去った。
気分爽快は一瞬で、すぐに後悔が押し寄せた。
ああ、せっかくの企画書が無駄になってしまった。
もう少し練り直して付き合いのある制作会社に持ち込んでみようか。
時々プロットの仕事をする程度のわたしが相手にされるとは思えない。
かなり望み薄だ。
最悪な気分で電車を乗り継ぎ駅の改札をでた。
小さな商店街を抜け、しばらく歩いたところに我が家はある。
大根畑に囲まれた、練馬のはずれのアパートは、家賃一万三千円。
風呂なしキッチントイレ共同四畳半。
一階には、85歳の大家・恵子さんが住んでいる。
入居したのは大学に入学した年だから、恵子さんとはかれこれ10年のつきあいだ。
破格の家賃は、脚本家見習いのアルバイトの身にはありがたい限り。
しかし、いまどきこういう物件は敬遠されがちで、現在店子はわたしひとりだ。
毎月の家賃を納めにいくと、畑で育てた野菜や果物、到来もののお菓子やハム、それから手作りの美味しいお総菜を恵子さんが気前よく分けてくれる。
18でほとんど勘当同然で上京し、世知辛い東京暮らしを耐え、生活費を切り詰め続けてきたわたしにとって、恵子さんの居間で過ごすひとときは、第二の実家、砂漠のオアシスだ。
こたつに入ってお茶を飲み、バイト先の愚痴を聞いてもらい、恵子さんから流行りの健康法やご近所さんの噂話を聞いたものだ。
初めて書いた脚本で賞をもらったときも、恵子さんが居間でお祝いしてくれた。
若くして亡くなった旦那さんが残してくれたアパートの家賃収入と化粧品セールスで、ひとり息子を育て上げた恵子さんの人生は、わたしが脚本家となった暁には、北川景子主演でドラマ化する約束になっている。
バイトが散々だった日、疲れた日、自分の住むアパートが見えるとほっとする。
宵っ張りの恵子さんのいる一階の部屋にはまだ明かりが灯っているはずだ。
今日も少しだけおしゃべりしてから自分の部屋で休もう。
そんなことを思いながら、いつものように見上げた視線の先には何も無かった。
なんで?
あるべき家屋はなく、消防車と救急車がランプを光らせ停まっていた。
まさかまさか、そんなまさか。
バクバク鳴り出す心臓を落ち着かせようとしたが無理だった。
そこには、自分の住むアパートの焼跡があった。
「ごめんね、かのこちゃん、本当にごめんなさい」
ポロポロ涙をこぼして嗚咽する恵子さんのちっちゃな背中を見たら何も言えなかった。
火事の原因は、やかんの空焚きだった。
85歳、元気な恵子さんも近頃はちょっとだけ忘れっぽくなっていた。
とにかく恵子さんが無事で良かった。
わたしなら大丈夫。
バイト代を貯めてやっとこさ買ったノートパソコン、それから中学の頃から集めていた映画のパンフやチラシ、山ほどの本と少しの服なんて、たいした被害ではない。
泣き続ける恵子さんをなだめながら、自分の銀行口座の残高を思い出してみた。
財布の中には下ろしたばかりの一万円、だから銀行残高は一万八千円。
もうすぐ今月のバイト代が振り込まれる。
それから今書いているプロット料も、うまくいけば来月くらいに入るはず。
線路脇でも事故物件でもいいから、敷金礼金ゼロの格安物件を見つければなんとか野宿は避けられる。
まずはやりかけのプロットをさっさと仕上げて送ってしまおう。
…と、そこまで考えてはたと気づいた。
データは灰と化したわたしのノートパソコンの中だった。
どうしよう。
豊かな人生経験は物書きにとって財産である。
何度転んでも、書きたい気持ちがある限りまた立ち上がる。
しかし今夜はさすがにキツい。
貯金なし恋人なし仕事なし、ついには住む家もなくしたわたしは島村かのこ、29歳。
脚本家志望のフリーターである。
残念ながらいまのわたしを元気づけることができる言葉はない。
ちょっとの間でいいから、今は泣いてもいいだろうか?
そう自分に言い聞かせて頑張ってきた。
嫌な目にあっても、創作の糧になると思えば耐えられる。
とはいえ、世の中には嫌なことがゴロゴロ転がり過ぎだ。
午後九時。
バイト終わりに呼び出された居酒屋で、わたしは愛想笑いを浮かべていた。
オリジナル脚本でのデビューをちらつかせ、わたしに笑顔と酒の酌を強要しているのはテレビ局のディレクター・井澤だ。
このひとはわたしが提出したドラマ企画書の決定権を握っている。
女が夜遅く異性に呼び出されてホイホイ酒場へ行くなんて、と眉をひそめる人がいるのも知っている。
しかしこれには理由がある。
わたしは仕事が欲しいのだ。
急な呼び出しにも応えるフットワークの軽さ、ノリの良さ、やる気。
大いに食べて飲み、深夜過ぎても元気に活動できることを証明し、徹夜も厭わず書けるんだってことをアピールしたい。
若いから女だから無理だと判断されて、チャンスを逃したくなかった。
コネもツテもないわたしが仕事を獲得するには多少の我慢は必要だ。
で、座敷にふんぞり返る井澤が程よく酔っ払い始めるといよいよスタートだ。
先日提出した企画書へのダメ出しから始まり、説教と自慢話の波状攻撃。
もう五十近い年齢だというのに、井澤ははるか昔の己の高校時代の模試の点数と順位を自慢し、就職試験の面接で自分がいかに賢い受け答えをしたかを滔々と語る。
それから、テレビの仕事で出会った有名芸能人や脚本家たちに自分が褒められた話を延々と続けるのだった。
ひとは名の通った大学を卒業し、テレビ局に勤めてたくさん給料をもらい有名人たちと知り合いになると、自分が特別な人間になったように錯覚するものなのだろうか。
会社組織に守られた生活を享受しながら無頼を気取るのもどうかと思うが、大勢の著名な作家や俳優たちと仕事をするうちに勘違いした井澤は、己が一介のサラリーマンに過ぎないことを忘れ、無精髭姿で酒を飲み演出論や脚本論を語るのがお気に入りだ(残念ながら自分を演出するために顔じゅうに生やした縮れた無精髭は卑猥にしか見えない)。
わたしのような立場の弱い人間をいびりながら会社の金で飲み食いするのは、おそらく手軽なストレス解消法なのだろう。
恥ずべき行為に疑問も持たず、今日も井澤は絶好調だった。
…と、いくらでも悪口なら並べることができるのだが、情けないことにこんな見下げた奴に、わたしは媚びへつらっている。
書いたものをけなされ、無職の貧乏暮らしをバカにされても、ヘラヘラと笑って聞き流す。
目の前にいるこの軽蔑する人間が、わたしの人生を握っている。
こいつがわたしの書いた企画書を気に入れば念願のオリジナル脚本が書けるのだ。
だからどうしてもこの薄汚い命綱を離すことはできなかった。
料理を食べ尽くし、機嫌よく酔っ払った井澤は立ち上がった。
結局、本日も企画の最終決定はされないままお開きとなった。
支払いを済ませた井澤は、勤務先名を書き込んだ領収証を店員から受け取り財布にしまった。
あーあ、家に帰って企画書を書き直そう。
そんなことを考えながら店を出てしばらく歩いていたら、突然視界が暗くなった。
「な…っ!?」
なんと井澤がいきなり抱きつきわたしの耳元で囁いた。
「君には期待しているから、今日は本気を試したい。この意味、わかるよね?」
「は?」
「脚本家になるんでしょ?だったらほら、何事も経験しないと」
脂ぎったでかい顔を近づけ酒臭い息をこちらにふきかけた井澤は、わたしを近くのホテルへ連れ込もうとしていた。
は???
一体こいつは何を言っているんだ。
「確かに、経験は大事だと思います」
わたしの素直な返事に気を良くしたのか、井澤は拘束を緩めてこちらを見た。
ようやく視界がひらけて息をついたわたしは、一歩後ろに下がりながら続けた。
「いまわたしが望むのは、人殺しの経験ですけどね」
怯んだ井澤が体を離したところで、助走をつけたわたしは奴の急所を思い切り蹴り上げた。
死ね、井澤。
道端に崩れ落ち悶絶する、豚のように肥え太った髭面メガネのディレクターを放置して、わたしは振り返ることなく立ち去った。
気分爽快は一瞬で、すぐに後悔が押し寄せた。
ああ、せっかくの企画書が無駄になってしまった。
もう少し練り直して付き合いのある制作会社に持ち込んでみようか。
時々プロットの仕事をする程度のわたしが相手にされるとは思えない。
かなり望み薄だ。
最悪な気分で電車を乗り継ぎ駅の改札をでた。
小さな商店街を抜け、しばらく歩いたところに我が家はある。
大根畑に囲まれた、練馬のはずれのアパートは、家賃一万三千円。
風呂なしキッチントイレ共同四畳半。
一階には、85歳の大家・恵子さんが住んでいる。
入居したのは大学に入学した年だから、恵子さんとはかれこれ10年のつきあいだ。
破格の家賃は、脚本家見習いのアルバイトの身にはありがたい限り。
しかし、いまどきこういう物件は敬遠されがちで、現在店子はわたしひとりだ。
毎月の家賃を納めにいくと、畑で育てた野菜や果物、到来もののお菓子やハム、それから手作りの美味しいお総菜を恵子さんが気前よく分けてくれる。
18でほとんど勘当同然で上京し、世知辛い東京暮らしを耐え、生活費を切り詰め続けてきたわたしにとって、恵子さんの居間で過ごすひとときは、第二の実家、砂漠のオアシスだ。
こたつに入ってお茶を飲み、バイト先の愚痴を聞いてもらい、恵子さんから流行りの健康法やご近所さんの噂話を聞いたものだ。
初めて書いた脚本で賞をもらったときも、恵子さんが居間でお祝いしてくれた。
若くして亡くなった旦那さんが残してくれたアパートの家賃収入と化粧品セールスで、ひとり息子を育て上げた恵子さんの人生は、わたしが脚本家となった暁には、北川景子主演でドラマ化する約束になっている。
バイトが散々だった日、疲れた日、自分の住むアパートが見えるとほっとする。
宵っ張りの恵子さんのいる一階の部屋にはまだ明かりが灯っているはずだ。
今日も少しだけおしゃべりしてから自分の部屋で休もう。
そんなことを思いながら、いつものように見上げた視線の先には何も無かった。
なんで?
あるべき家屋はなく、消防車と救急車がランプを光らせ停まっていた。
まさかまさか、そんなまさか。
バクバク鳴り出す心臓を落ち着かせようとしたが無理だった。
そこには、自分の住むアパートの焼跡があった。
「ごめんね、かのこちゃん、本当にごめんなさい」
ポロポロ涙をこぼして嗚咽する恵子さんのちっちゃな背中を見たら何も言えなかった。
火事の原因は、やかんの空焚きだった。
85歳、元気な恵子さんも近頃はちょっとだけ忘れっぽくなっていた。
とにかく恵子さんが無事で良かった。
わたしなら大丈夫。
バイト代を貯めてやっとこさ買ったノートパソコン、それから中学の頃から集めていた映画のパンフやチラシ、山ほどの本と少しの服なんて、たいした被害ではない。
泣き続ける恵子さんをなだめながら、自分の銀行口座の残高を思い出してみた。
財布の中には下ろしたばかりの一万円、だから銀行残高は一万八千円。
もうすぐ今月のバイト代が振り込まれる。
それから今書いているプロット料も、うまくいけば来月くらいに入るはず。
線路脇でも事故物件でもいいから、敷金礼金ゼロの格安物件を見つければなんとか野宿は避けられる。
まずはやりかけのプロットをさっさと仕上げて送ってしまおう。
…と、そこまで考えてはたと気づいた。
データは灰と化したわたしのノートパソコンの中だった。
どうしよう。
豊かな人生経験は物書きにとって財産である。
何度転んでも、書きたい気持ちがある限りまた立ち上がる。
しかし今夜はさすがにキツい。
貯金なし恋人なし仕事なし、ついには住む家もなくしたわたしは島村かのこ、29歳。
脚本家志望のフリーターである。
残念ながらいまのわたしを元気づけることができる言葉はない。
ちょっとの間でいいから、今は泣いてもいいだろうか?
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