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12話
しおりを挟むノアとライアンが帰ってきてから市役所に行って婚約手続きを済ませた私たちは3人の家に帰ってきた。この国のルールでは婚約したもの達は国によって用意された家が支給される。私たちは早く婚約が決まったからどこでも選び放題で、1番いいところに住まわせてもらうことにした。
よく思えばお互いのことは名前ぐらいしか自己紹介してなかったから、改めて紹介し合うとなんと3人ともエリートだった。竜人族ってだけでエリートなんだけど、その中でもレオはこの国の騎士団の団長で、ノアはこの国の情報機関のトップにいるらしい。ライアンは国の暗殺部隊のトップだそうだ。ノアとライアンにいたってはトップシークレットの組織にいるらしく、このことは秘密にしておくことになった。
「リリーは何して働いてるの?」
「えっとね...ひみつだよ?」
「僕たちの間に秘密はなしって言ったところでしょ!」
(いや言いたくないんじゃなくて言えないんだよ!誰がこんなエリートの職業を言われた後にニートしてましたって言えるんだよ、残念ながら私はそんな鋼のメンタルは持ち合わせていない)
「別に俺たちはリリーが何をしてようと関係ないし、馬鹿にしたりしない」
あまりにも真剣な顔をして言ってくるから隠してるのも馬鹿らしくなって正直に言った。
「お前働いてねぇの⁉︎最高じゃん!俺他の男にリリーのこと見せたくなかったから働いてほしくなかったんだよな」
「僕も僕も!じゃこのまま外で働くのは僕たちに任せてリリーは家で僕たちの帰りを待ってることがお仕事ね!」
笑われるぐらいは覚悟していたのに逆に何故か喜んでくれて、私も外に行くと色々絡まれてウザかったので専業主婦をすることにした。
「じゃ両親に挨拶しないといけないね!」
「「「はっ?」」」
「えっ?どうしたの?」
「両親なんかもういないだろ?」
「えっ...どういうこと?」
「俺たち竜人族は一つの家庭しかもたない。だから婚約した時点で親っていう存在はいなくなる。親も子どもが婚約した瞬間に別の住居を探しにハネムーンにいくんだよ。そこで新たな家を建てて暮らすんだ」
「だから僕たちが会いにいっても知り合いの感覚にしかならないよ?」
(だから家に帰ってくるなって言ったのか!)
「俺はまだ子どもほしくねぇな...しばらくはリリーとこうやって過ごしたい」
「僕もまだ子どもはいいかな、リリーを今とられちゃうと子どもにも嫉妬しちゃいそう...」
「それは俺も同感」
「じゃしばらくは4人で暮らそうか!きっと楽しい毎日になるよ!」
「あぁ、そうだな」
「「「リリー愛してる」」」
そのあとはみんなのお察しの通り、ダメ人間になんじゃないかっていうぐらい甘やかされる時間が待っていた。
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読んでいただきありがとうございます!
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