千年に一度の美少女になったらしい

みな

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6話

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俺は最悪の髪と目を持って生まれてきた。真っ暗な髪に真っ赤な目、ノアとレオ以外は俺を視界にも入れてくれなかった。傷つかないって言われれば嘘になるけどそんなに悲しいとも思わなかった。


国のめんどくさい制度のせいで絶対に選ばれることのない俺までお見合いパーティーに参加しないといけない。めんどくさいし、誰も俺のことなんて選ばないんだからどうして俺が行かなきゃいけないんだ。そう思ったけど義務化されているから行かないわけにも行かない。とりあえず会場に入るだけ入って、人目につかないところにいると木の上から降りてきた天使。


そいつの名前はリリーと言うらしい。怖がらせるのも悪いと思って会話はノアとレオに任せてぼーっとしていると急に名前を聞いてきた。俺の名前なんか聞いても何も特になんてならないのに...


その後もノアが引き止めたりレオが引き止めたりでリリーはずっとここにいた。俺と同じ空間にいて平然と喋るなんて多分こいつぐらいだろう。そうやって話を聞くことに徹しているとノアとレオはどんどん仲良くなって、俺も仲良くなりたいなってそう思ったんだ。


けど話しかけたら怖がらせると思うと話しかけられなくて、なぜかリリーにだけは怯えられたくなくて話しかけることもできないままただリリーを見つめていると


「ライアンはどうする?」
(リリーは俺も受け止めてくれるのか?同じ空間にいるだけで怖がられるこんな俺も愛してくれるのか?)


「俺は...2人より醜いから...でももしお前が俺をそばに置いてくれるなら...俺は一緒にいたい...」
「レオよりライアンの方が素直だね」
「うっせぇ...」
「ライアン、貴方が今までどんなことを言われてきたのかは分からない。けど私は貴方を綺麗だと思うよ。貴方が私を信じてくれるなら、一緒にいてくれるなら、そんな人たちの言葉を信じるんじゃなくて私の言葉を信じて」


(そっか...今までの奴らの言葉なんてどうでもいい、リリーが綺麗だって言ってくれるなら俺はそれで充分じゃないか、なぁ俺が今まで言われてきた言葉を否定してくれよ...それだけで俺は救われるから)
「っ!!俺は...呪われてるんじゃないのか?俺は...生きてていいのか?」
「ライアンは呪われてなんかない、私は貴方の瞳を太陽のように美しいと思うし、貴方の髪を誰にも染まらない力強い色だと思うわ」


「リ...リー...俺を...愛してくれ...俺をお前のそばにずっと置いてくれ...俺の全てをあげるから...」
「ライアン...ずっと私のそばにいて、そして貴方の全てを私にちょうだい」
(なんだこの感情は...すっげぇ幸せだ...俺を見てくれる唯一に会えた、俺を認めてくれる人に会えた。俺はもうリリーから離れられそうにないな)


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