12 / 15
11話 ドラゴン戦の後遺症
しおりを挟む
翌朝、目が覚めるといつも通りベッドで寝ていた。
昨日はドラゴンを倒して、そのまま家に戻って来た。
しかし、あれは夢だったのかと思いたくなる。
それほどドラゴンとの死闘は現実感が無かった。
だが更に別の事でも俺は現実に引き戻される。
「この臭い……」
部屋にはおしっこの臭いが漂っていた。
そしてそれは3人の布団から発せられている。つまり……3人揃っておねしょをしたようだ。
「はあ」
ため息をつくしかなかった。
「う~ん」
「朝ですか?」
「もう起きないと」
「ふぁ~」
みんな目を擦りながらもぞもぞしている。
「お前達。ちょっとこっちに来てくれ」
「はい」
「なんでしょう?」
「どうかしたの?」
3人が俺の前に集まる。
「お前たち。今の状況わかっているか?」
「……おねしょのことですか?」
「そうだ」
「はい」
「わかっています」
「そうか。一応聞くが何故おねしょしたんだ?」
「実はドラゴンの夢を見て……」
「私もです」
「あたしもあまりの恐怖でそのまま……」
3人とも同じ理由でおねしょしたらしい。
まあ女の子だしあの激闘の後では仕方ないか。
「わかった。とりあえず着替えて体を洗ってくれ」
「はい」
「わかりました」
3人は素直に返事をして部屋を出て行った。
さて、問題はこの後だな。どうやってフォローするか考えないといけない。
「ふう」
暫くして部屋のドアが開いた。
「終わったか?」
「はい」
「終わりました」
「そうか。それじゃ今日は外出でもしよう」
「良いんですか?」
「ああ、たまには外に出よう」
「やったー」
「嬉しいわ」
「ありがとうございます」
こうして4人で街に出ることになった。
街中を歩いていると何やら視線を感じる。
どうやら俺たちは注目を浴びているようだ。
それもそのはずだろう。
ここ数日で急成長を遂げている新進気鋭の凄腕パーティなのだから。
しかもそれが3人は美少女揃いなのだから尚更である。
それにしてもやはりこの街の住人達は優しい人達ばかりだと思う。
俺たちが珍しいのか、すれ違うたびに声援を送ってくれるのだ。中には握手を求めてくる人もいるくらいだ。
どうやらこの国では英雄扱いされているみたいだな。
「みなさん凄く注目されていますね」
「そうだな」
「恥ずかしいわ」
「うん」
「どうやら俺たちの噂をしているようだな」
「そうなの?」
「多分噂の出所はこの前のドラゴンを倒した時じゃないかな」
「おそらくそうだと思います」
「まあ気にすることはない」
「はい」
「そうですね」
「ところで何処に行きたい? 行きたいところがあったら言ってくれ」
「私は服を買いたいです」
「私もよ」
「あたしは武器屋かな」
「じゃあまずは服屋に行くか」
「はい」
「わかりました」
「了解」
「この店ですか?」
「そうだ」
「結構大きいですね」
中に入ると女性用の衣類が大量に並べられていた。
「あら、いらっしゃいませ」
店主らしき女性が笑顔で迎えてくれた。
「三人ともお洒落には本気なので真剣に服を見ている」
俺もメンズのコーナーで適当に服を探してみる。
「これは……」
思わず手に取ったのが黒いフード付きのマントだった。
「お客様。そちらが気に入りましたか?」
「えっ!?」
いつの間にか後ろにいた。
「はい。これが欲しいのですが」
「かしこまりました。少々お待ちください」数分後……
「こちらになります」
渡されたのは黒一色のローブだった。
「ありがとうございます」
「またのお越しをお待ちしております」
俺が買い物を終えると彼女たちも買い物は終えていた。
「次は武器屋だな」
「楽しみね」
「ワクワクします」
「あたしも新しい剣が欲しかったんだよね」
そんな会話をしながら店内に入る。
店内は薄暗く所々に置いてあるランプが灯っている。
「いらっしゃい」
カウンターの奥から出てきたのはドワーフの男性だ。
「何か用かい?」
「ここで一番強い武器を見せてください」
俺は単刀直入に聞いた。
「ほう、なかなか度胸があるね兄ちゃん。よし気に入った。ちょっと待ってろ」
そう言って奥に入っていった。暫くすると中々の業物の剣を持って戻ってきた。
「こいつは俺が作った中でも最高傑作の一つだ」
「抜いてみていいですか?」
「ああ、存分に見てみてくれ」
俺は柄を握って一息に抜く。
「おおおぉ」
「なんて綺麗な刃」
「すごい……」
「美しい……」
三人は感嘆の声を上げる。
「どうだい?」
「素晴らしい出来栄えだ。これいくらですか?」
「金貨10枚だが買うのか?」
「はい。買います」
「まいどあり」
支払いを済ませると、鞘に納めて腰に差した。
三人もそれぞれ自分の武器を最高のにアップグレードしている。
こうして買い物は終了した。
そして夜。俺達はいつものように眠りにつく。
昨日はドラゴンを倒して、そのまま家に戻って来た。
しかし、あれは夢だったのかと思いたくなる。
それほどドラゴンとの死闘は現実感が無かった。
だが更に別の事でも俺は現実に引き戻される。
「この臭い……」
部屋にはおしっこの臭いが漂っていた。
そしてそれは3人の布団から発せられている。つまり……3人揃っておねしょをしたようだ。
「はあ」
ため息をつくしかなかった。
「う~ん」
「朝ですか?」
「もう起きないと」
「ふぁ~」
みんな目を擦りながらもぞもぞしている。
「お前達。ちょっとこっちに来てくれ」
「はい」
「なんでしょう?」
「どうかしたの?」
3人が俺の前に集まる。
「お前たち。今の状況わかっているか?」
「……おねしょのことですか?」
「そうだ」
「はい」
「わかっています」
「そうか。一応聞くが何故おねしょしたんだ?」
「実はドラゴンの夢を見て……」
「私もです」
「あたしもあまりの恐怖でそのまま……」
3人とも同じ理由でおねしょしたらしい。
まあ女の子だしあの激闘の後では仕方ないか。
「わかった。とりあえず着替えて体を洗ってくれ」
「はい」
「わかりました」
3人は素直に返事をして部屋を出て行った。
さて、問題はこの後だな。どうやってフォローするか考えないといけない。
「ふう」
暫くして部屋のドアが開いた。
「終わったか?」
「はい」
「終わりました」
「そうか。それじゃ今日は外出でもしよう」
「良いんですか?」
「ああ、たまには外に出よう」
「やったー」
「嬉しいわ」
「ありがとうございます」
こうして4人で街に出ることになった。
街中を歩いていると何やら視線を感じる。
どうやら俺たちは注目を浴びているようだ。
それもそのはずだろう。
ここ数日で急成長を遂げている新進気鋭の凄腕パーティなのだから。
しかもそれが3人は美少女揃いなのだから尚更である。
それにしてもやはりこの街の住人達は優しい人達ばかりだと思う。
俺たちが珍しいのか、すれ違うたびに声援を送ってくれるのだ。中には握手を求めてくる人もいるくらいだ。
どうやらこの国では英雄扱いされているみたいだな。
「みなさん凄く注目されていますね」
「そうだな」
「恥ずかしいわ」
「うん」
「どうやら俺たちの噂をしているようだな」
「そうなの?」
「多分噂の出所はこの前のドラゴンを倒した時じゃないかな」
「おそらくそうだと思います」
「まあ気にすることはない」
「はい」
「そうですね」
「ところで何処に行きたい? 行きたいところがあったら言ってくれ」
「私は服を買いたいです」
「私もよ」
「あたしは武器屋かな」
「じゃあまずは服屋に行くか」
「はい」
「わかりました」
「了解」
「この店ですか?」
「そうだ」
「結構大きいですね」
中に入ると女性用の衣類が大量に並べられていた。
「あら、いらっしゃいませ」
店主らしき女性が笑顔で迎えてくれた。
「三人ともお洒落には本気なので真剣に服を見ている」
俺もメンズのコーナーで適当に服を探してみる。
「これは……」
思わず手に取ったのが黒いフード付きのマントだった。
「お客様。そちらが気に入りましたか?」
「えっ!?」
いつの間にか後ろにいた。
「はい。これが欲しいのですが」
「かしこまりました。少々お待ちください」数分後……
「こちらになります」
渡されたのは黒一色のローブだった。
「ありがとうございます」
「またのお越しをお待ちしております」
俺が買い物を終えると彼女たちも買い物は終えていた。
「次は武器屋だな」
「楽しみね」
「ワクワクします」
「あたしも新しい剣が欲しかったんだよね」
そんな会話をしながら店内に入る。
店内は薄暗く所々に置いてあるランプが灯っている。
「いらっしゃい」
カウンターの奥から出てきたのはドワーフの男性だ。
「何か用かい?」
「ここで一番強い武器を見せてください」
俺は単刀直入に聞いた。
「ほう、なかなか度胸があるね兄ちゃん。よし気に入った。ちょっと待ってろ」
そう言って奥に入っていった。暫くすると中々の業物の剣を持って戻ってきた。
「こいつは俺が作った中でも最高傑作の一つだ」
「抜いてみていいですか?」
「ああ、存分に見てみてくれ」
俺は柄を握って一息に抜く。
「おおおぉ」
「なんて綺麗な刃」
「すごい……」
「美しい……」
三人は感嘆の声を上げる。
「どうだい?」
「素晴らしい出来栄えだ。これいくらですか?」
「金貨10枚だが買うのか?」
「はい。買います」
「まいどあり」
支払いを済ませると、鞘に納めて腰に差した。
三人もそれぞれ自分の武器を最高のにアップグレードしている。
こうして買い物は終了した。
そして夜。俺達はいつものように眠りにつく。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界に来たのでVtuberになろうかと思う
月乃糸
大衆娯楽
男女比が1:720という世界に転生主人公、都道幸一改め天野大知。 男に生まれたという事で悠々自適な生活を送ろうとしていたが、ふとVtuberを思い出しVtuberになろうと考えだす。 ブラコンの姉妹に囲まれながら楽しく活動!
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
俺、貞操逆転世界へイケメン転生
やまいし
ファンタジー
俺はモテなかった…。
勉強や運動は人並み以上に出来るのに…。じゃあ何故かって?――――顔が悪かったからだ。
――そんなのどうしようも無いだろう。そう思ってた。
――しかし俺は、男女比1:30の貞操が逆転した世界にイケメンとなって転生した。
これは、そんな俺が今度こそモテるために頑張る。そんな話。
########
この作品は「小説家になろう様 カクヨム様」にも掲載しています。
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる