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1話 突然の悲劇
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私はマリア・シーリン。17歳の侯爵令嬢だ。
今日は婚約者のダニエルに呼ばれて彼の家へと向かっている。
「何だろ。大事な話って? ダニエルったら私に何かプレゼントでもあるのかな?」
私はきっといいことがあるのだろうと浮かれていた。
そうこの時は私に悲劇が待ち受けているなんて想像もしていなかったのだ。
「来たか」
「うん。ねえダニエル。話って何?」
「ああそうだな。実はな……」
「うん。なになに?」
ダニエルは何か言いづらそうにしている。
(ひょっとして私と一線超えたいのかな? まだちょっと早いけど、ダニエルなら良いかな)
そんな風に私は浮かれていた。
だけどダニエルから出た言葉はそんな私を地獄に落とすものだった。
「マリア。俺はお前と婚約破棄をしたい」
「……えっ?」
(なになに? 聞き間違え?)
「ちょっとダニエルったら。何かな? 婚約破棄とか聞いたんだけどウソだよね。聞き間違えかな?」
私が笑って誤魔化そうとするとダニエルが真剣な顔で私を見つめる。
その目には嘘偽りは無いように感じられた。
「うそ……。やだよ! なんで!?」
私は必死になって理由を聞いた。
でも彼はただ一言『すまない』と言って謝るだけだった。
そしてそのまま私の前から去ってしまった。
今日は婚約者のダニエルに呼ばれて彼の家へと向かっている。
「何だろ。大事な話って? ダニエルったら私に何かプレゼントでもあるのかな?」
私はきっといいことがあるのだろうと浮かれていた。
そうこの時は私に悲劇が待ち受けているなんて想像もしていなかったのだ。
「来たか」
「うん。ねえダニエル。話って何?」
「ああそうだな。実はな……」
「うん。なになに?」
ダニエルは何か言いづらそうにしている。
(ひょっとして私と一線超えたいのかな? まだちょっと早いけど、ダニエルなら良いかな)
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だけどダニエルから出た言葉はそんな私を地獄に落とすものだった。
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「うそ……。やだよ! なんで!?」
私は必死になって理由を聞いた。
でも彼はただ一言『すまない』と言って謝るだけだった。
そしてそのまま私の前から去ってしまった。
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