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2話 女神登場。 もっと理想の生活をしましょうよ。
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あれから二ヵ月後。
俺は理想の暮らしをしていた。
都心の高級マンションを5億円で購入した。
高級家具を取り揃え、理想の暮らしだ。
更に貯金が尽きないようにノートに
『俺が宝くじを購入したら必ず一等が当たる。そして誰もそれを不審に思わない』
と記した。
これを使い今や俺の資産は60億を超えている。
さらに自動で月に一回ロト9を購入し、毎月10億の追加資産が生まれる仕組みまで用意した。
これで一生自由気ままな生活が送れるというわけだ。
更に
『俺は一生病気にならず交通事故にも合わない』
『俺は人より老化速度が極端に遅く人の1/5程度の速度でしか老けない。そしてそれを誰も不審に思わない』
こう記したのでかなりの長期に渡って優雅な生活を送れることが保障されている。
いわば約束された勝ち組人生だ。
当然仕事も即日に辞めた。
今となってはあんな地獄な環境で仕事をしたことさえ馬鹿らしく思う。
「今日はゲームでもするか。積みゲーが増えたしじっくり消化しないとな」
俺はゲームの電源を入れようとするがそこで背後から気配を感じる。
「誰だ!?」
振り返るが何とそこには白い服の美少女が宙に浮きながら佇んでいた。
「初めまして。ヘカテーだよ。君がノートを拾った人? へえ凄い良い暮らしをしてるんだね」
「誰?」
「あっ、そうだった忘れてた。うん女神だよ。君が拾ったノートの持ち主の女神様。ノートの使用状況を確認しに来たんだだけど……へえ結構優雅な暮らししてるけど、そこまではっちゃけていないんだね。もっと面白い生活できるのに」
「女神? まさかノートを取り返しにっ!?」
俺は思わずノートが入っている本棚の下の引きだしに目をやる。
だが女神の返答は予想外のものだった。
「まさかそんなことしないよ。ノートは拾った人のもの。返却したいなら受け入れるけど強引に取り返しなんてしないよ。どんなことに使用したって女神は関知しない。正義に使おうが悪行に使おうがね」
「そうなのか?」
「そうだよ。でもノートを使ってすることが一人でワンルームマンションに引きこもってスローライフか。 ちょっと残念だね。今までの人はもっとはっちゃけてたし、歴代では今のところ一番微妙かも」
「微妙って……」
「いい、そのノートを使えばなんでも出来るんだよ。もっと欲望に素直になって贅の限りを尽くしたことをやらないと勿体ないよ。あまり酷いと女神も笑っちゃうからね。じゃあこれから定期的に様子を見に来るから、次までに面白いこと考えてね。そうしないと歴代最低のノート使用者のレッテル貼られるから注意ね」
「おいちょっ」
「じゃあね。あっ、そっちから呼ぶときは目を閉じて『ヘカテー!』って呼んだら来るからね。それじゃバイバーイ」
それだけ言うとヘカテーと名乗る女神は消えていった。
「贅の限りを尽くせ……か。何をやれってんだ?」
俺は思わず途方に暮れていた。
俺は理想の暮らしをしていた。
都心の高級マンションを5億円で購入した。
高級家具を取り揃え、理想の暮らしだ。
更に貯金が尽きないようにノートに
『俺が宝くじを購入したら必ず一等が当たる。そして誰もそれを不審に思わない』
と記した。
これを使い今や俺の資産は60億を超えている。
さらに自動で月に一回ロト9を購入し、毎月10億の追加資産が生まれる仕組みまで用意した。
これで一生自由気ままな生活が送れるというわけだ。
更に
『俺は一生病気にならず交通事故にも合わない』
『俺は人より老化速度が極端に遅く人の1/5程度の速度でしか老けない。そしてそれを誰も不審に思わない』
こう記したのでかなりの長期に渡って優雅な生活を送れることが保障されている。
いわば約束された勝ち組人生だ。
当然仕事も即日に辞めた。
今となってはあんな地獄な環境で仕事をしたことさえ馬鹿らしく思う。
「今日はゲームでもするか。積みゲーが増えたしじっくり消化しないとな」
俺はゲームの電源を入れようとするがそこで背後から気配を感じる。
「誰だ!?」
振り返るが何とそこには白い服の美少女が宙に浮きながら佇んでいた。
「初めまして。ヘカテーだよ。君がノートを拾った人? へえ凄い良い暮らしをしてるんだね」
「誰?」
「あっ、そうだった忘れてた。うん女神だよ。君が拾ったノートの持ち主の女神様。ノートの使用状況を確認しに来たんだだけど……へえ結構優雅な暮らししてるけど、そこまではっちゃけていないんだね。もっと面白い生活できるのに」
「女神? まさかノートを取り返しにっ!?」
俺は思わずノートが入っている本棚の下の引きだしに目をやる。
だが女神の返答は予想外のものだった。
「まさかそんなことしないよ。ノートは拾った人のもの。返却したいなら受け入れるけど強引に取り返しなんてしないよ。どんなことに使用したって女神は関知しない。正義に使おうが悪行に使おうがね」
「そうなのか?」
「そうだよ。でもノートを使ってすることが一人でワンルームマンションに引きこもってスローライフか。 ちょっと残念だね。今までの人はもっとはっちゃけてたし、歴代では今のところ一番微妙かも」
「微妙って……」
「いい、そのノートを使えばなんでも出来るんだよ。もっと欲望に素直になって贅の限りを尽くしたことをやらないと勿体ないよ。あまり酷いと女神も笑っちゃうからね。じゃあこれから定期的に様子を見に来るから、次までに面白いこと考えてね。そうしないと歴代最低のノート使用者のレッテル貼られるから注意ね」
「おいちょっ」
「じゃあね。あっ、そっちから呼ぶときは目を閉じて『ヘカテー!』って呼んだら来るからね。それじゃバイバーイ」
それだけ言うとヘカテーと名乗る女神は消えていった。
「贅の限りを尽くせ……か。何をやれってんだ?」
俺は思わず途方に暮れていた。
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