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12話 二人で図書館へ
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「ウォーレンさん!早く行きましょう!ほら!こっちですよ!」
「待ってくれ!ミスティ!はしゃぎすぎると危ないから気をつけるんだぞ!それにあまり走ると転んでしまうかもしれないからね」
「はーい」
私とウォーレンさんは手を繋いで街の中を歩いていた。
そして私達の目的は街にある大きな図書館に行くことだった。
私は以前から一度行ってみたいと思っていたのだが、なかなか行く機会がなかったのだ。
だから今日は思い切ってウォーレンさんを誘ってみることにしたのである。
「楽しみですね」
「そうだね。でも君が楽しめているようで何よりだよ」
「はい。とっても楽しいです」
「ははっ。そうか。僕としても嬉しいよ」
ウォーレンさんはそう言いながら私の頭を撫でる。
私はそれが嬉しくてつい笑顔になってしまう。
(うぅ……やっぱりこの人ってイケメンよね)
私は改めて彼の顔をじっと見る。
(やっぱりカッコイイなぁ……)
私は彼の顔に見惚れていた。
すると視線に気づいたウォーレンさんが不思議そうな表情をする。
「どうしたんだい?」
「あっ……いえ。何でもありません」
「そうか。何かあったら遠慮なく言ってくれよ」「はい」
(やっぱり優しいわね。この人は)
私はそんなことを考えつつ、再び歩き始める。
するとウォーレンさんが思い出したように口を開く。
「ところで、どうして急に図書館に行きたいと思ったんだい?」
「えっと、それは……」
私が答えようとすると、ウォーレンさんは慌てる。
「ああ。別に話したくないなら話してくれなくても構わないんだ」
「すみません。そういうわけではないんです」
「それならよかった」
「その、実は前から気になっていたんです。この街にどんな本が置いてあるのかなって」
「なるほど。確かに君は勉強熱心だからね」
「はい。なので今度からは少しだけ自分の時間を作ろうと思っています」
「そうか。頑張っているね」
「ありがとうございます」
私は笑顔でお礼を言う。
そんな私を見てウォーレンさんは微笑む。
「その笑顔を見ると頑張ろうという気持ちになるよ」
「そ、そうなんですか?」
「ああ。君はいつも笑顔で僕を支えてくれる。それが僕にとってはとても嬉しいことなんだ」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
「僕としてはもっと甘えてもらってもいいんだけどな」
「そ、そんなことをしたら私がダメになってしまいますよ」
「ははっ。それもそうだな」
「そうです」
私はそう言って頬を膨らませる。
「おっと。ごめん。怒らないでくれ」
「怒っていませんけど……」
「そうかい?それならいいけど……」
ウォーレンさんは苦笑いする。
「まあでも僕は君の笑顔が好きだけどね」
「ありがとうございます」
「うん。やっぱりミスティの笑った顔は可愛いよ」
「っ!?」
ウォーレンさんの言葉を聞いた瞬間、私は思わず赤面してしまう。
(もう!いきなり何を言っているのよ!心臓に悪いじゃない!)
心の中で叫ぶ私だが、もちろん口に出すことはできないのであった。
「待ってくれ!ミスティ!はしゃぎすぎると危ないから気をつけるんだぞ!それにあまり走ると転んでしまうかもしれないからね」
「はーい」
私とウォーレンさんは手を繋いで街の中を歩いていた。
そして私達の目的は街にある大きな図書館に行くことだった。
私は以前から一度行ってみたいと思っていたのだが、なかなか行く機会がなかったのだ。
だから今日は思い切ってウォーレンさんを誘ってみることにしたのである。
「楽しみですね」
「そうだね。でも君が楽しめているようで何よりだよ」
「はい。とっても楽しいです」
「ははっ。そうか。僕としても嬉しいよ」
ウォーレンさんはそう言いながら私の頭を撫でる。
私はそれが嬉しくてつい笑顔になってしまう。
(うぅ……やっぱりこの人ってイケメンよね)
私は改めて彼の顔をじっと見る。
(やっぱりカッコイイなぁ……)
私は彼の顔に見惚れていた。
すると視線に気づいたウォーレンさんが不思議そうな表情をする。
「どうしたんだい?」
「あっ……いえ。何でもありません」
「そうか。何かあったら遠慮なく言ってくれよ」「はい」
(やっぱり優しいわね。この人は)
私はそんなことを考えつつ、再び歩き始める。
するとウォーレンさんが思い出したように口を開く。
「ところで、どうして急に図書館に行きたいと思ったんだい?」
「えっと、それは……」
私が答えようとすると、ウォーレンさんは慌てる。
「ああ。別に話したくないなら話してくれなくても構わないんだ」
「すみません。そういうわけではないんです」
「それならよかった」
「その、実は前から気になっていたんです。この街にどんな本が置いてあるのかなって」
「なるほど。確かに君は勉強熱心だからね」
「はい。なので今度からは少しだけ自分の時間を作ろうと思っています」
「そうか。頑張っているね」
「ありがとうございます」
私は笑顔でお礼を言う。
そんな私を見てウォーレンさんは微笑む。
「その笑顔を見ると頑張ろうという気持ちになるよ」
「そ、そうなんですか?」
「ああ。君はいつも笑顔で僕を支えてくれる。それが僕にとってはとても嬉しいことなんだ」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
「僕としてはもっと甘えてもらってもいいんだけどな」
「そ、そんなことをしたら私がダメになってしまいますよ」
「ははっ。それもそうだな」
「そうです」
私はそう言って頬を膨らませる。
「おっと。ごめん。怒らないでくれ」
「怒っていませんけど……」
「そうかい?それならいいけど……」
ウォーレンさんは苦笑いする。
「まあでも僕は君の笑顔が好きだけどね」
「ありがとうございます」
「うん。やっぱりミスティの笑った顔は可愛いよ」
「っ!?」
ウォーレンさんの言葉を聞いた瞬間、私は思わず赤面してしまう。
(もう!いきなり何を言っているのよ!心臓に悪いじゃない!)
心の中で叫ぶ私だが、もちろん口に出すことはできないのであった。
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