婚約破棄をされたので～こうして私は素敵な人と出会いました～

8話 お姉ちゃんになりました

それから数日後。いつものようにアリシアさんとお喋りをしている時のことだった。

「ミスティさん。今日は少しお話したいことがあるんです」
「何でしょうか？」
「お兄様のプロポーズお受けしたんですよね」
「はい。そうですけど……」
「つまり私のお姉さまにもなってくれるということですか」
「えっ？」

私は彼女の言葉の意味がよく分からず首を傾げる。

「だってミスティさんは私のお義姉さんになるってことですよね」
「そ、それは……」
「違いますか？」

アリシアさんは真剣な顔で私を見つめてくる。
私はどう答えて良いものか困ってしまった。

「ごめんなさい。いきなりこんなこと言われても迷惑ですよね」
「いえ。そういう訳ではないのですが……」
「気になさらないでください。今のは忘れてください」

アリシアさんの表情はどこか寂しげだ。

（何と声をかけてあげればよいのだろう）

私は必死に考える。
だけど答えは一つしか思い浮かばない。

「いいですよ。私をお姉ちゃんと呼んでくれて構いません」
「ほ、本当ですか！」
「ええ。これからよろしくお願いしますね」
「はい！ こちらこそよろしくお願いします！お姉ちゃん！」

彼女はとても嬉しそうに返事をしたのであった。