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プロローグ 突然の悲劇
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私はナナリー・ミュラー。19歳。
婚約者のミカエル様に呼びだされて彼の実家に向かっています。
「大事な話があるって何」
私が楽しみにしながらミカエル様の実家に向かい、家に上がるとミカエル様の出迎えが。
「やあナナリー。話がある」
「はい。何ですか、ミカエル様?」
「実はな……婚約を破棄しようと思う」
「……えっ?」
何かしら。何だか幻聴が聞こえたような。
「今何ておっしゃいました?」
「いや、婚約を破棄したいのだ。すまんなナナリー。ワガママを言って」
「……嘘でしょ、ミカエル様冗談でしょ。理由は何ですか?」
「理由か……実はな。お前と並行してつき合っていた女がいたのだが、その女が妊娠してだな。責任を取ることになった。本当にお前にはすまないと思っている」
「…………」
頭が真っ白になったわ。
意味がわからなかった。
何を言っているのか理解できなかった。
この人は私と結婚するはずでは?
それなのにどうしてそんなことを言い出すの?
「あの、ミカエル様……本当なんですか?」
「ああ、本当だ。俺としても心苦しいのだが、仕方ないことなのだよ」
「そ、そうですよね……子供ができたら結婚しますもんね」
「ああそうだ。悪いなナナリー」
「いえ、気にしないでください」
「そういうわけだから残念だがすまないな。さようならだ」
「はい……」
私はそれ以上何も言えずにミカエル様の家を去った。
そして屋敷に戻ってベッドに飛び込んだ。
「うぅーん! 悔しいけど素敵な人だと思ってたのに!」
でもどうしようもないことだし諦めるしかないよね。
私の初恋だったんだけどなぁ……。
それから数日後のことです。
ミカエル様と婚約破棄したことを父に伝えたところ、父は激怒しました。
「何だと!? あのバカ男め!! よりにもよってナナリーを捨てるとは何事だ!!」
「申し訳ありませんお父様。私が至らないばかりにこんなことに……」
「いいんだナナリー。お前は何も悪くない」
「しかし……」
「それで相手は誰なんだ!? どのような女なのだ!?」
「私もどのような方かは存知かねます」
「くそっ! 許せん!! こうなったら力づくでも聞き出してやる!」
「お待ち下さいお父様! 無茶なことをしてはいけません!」
「止めるなナナリー。こうなれば意地でも突き止めてやる!」
「お父様ったら……それよりも私……一度旅に出ようと思うのですがいいでしょうか」
「旅に出る? それは構わんがなぜだ?」
「はい。このままミュラー家にいるとミカエル様を思いだして辛い思いをしそうな気がしまして……なので一旦離れようと思っております」
「わかった。好きにするといい」
「ありがとうございますお父様」
というわけで私は1人で旅に出ることになった。
婚約者のミカエル様に呼びだされて彼の実家に向かっています。
「大事な話があるって何」
私が楽しみにしながらミカエル様の実家に向かい、家に上がるとミカエル様の出迎えが。
「やあナナリー。話がある」
「はい。何ですか、ミカエル様?」
「実はな……婚約を破棄しようと思う」
「……えっ?」
何かしら。何だか幻聴が聞こえたような。
「今何ておっしゃいました?」
「いや、婚約を破棄したいのだ。すまんなナナリー。ワガママを言って」
「……嘘でしょ、ミカエル様冗談でしょ。理由は何ですか?」
「理由か……実はな。お前と並行してつき合っていた女がいたのだが、その女が妊娠してだな。責任を取ることになった。本当にお前にはすまないと思っている」
「…………」
頭が真っ白になったわ。
意味がわからなかった。
何を言っているのか理解できなかった。
この人は私と結婚するはずでは?
それなのにどうしてそんなことを言い出すの?
「あの、ミカエル様……本当なんですか?」
「ああ、本当だ。俺としても心苦しいのだが、仕方ないことなのだよ」
「そ、そうですよね……子供ができたら結婚しますもんね」
「ああそうだ。悪いなナナリー」
「いえ、気にしないでください」
「そういうわけだから残念だがすまないな。さようならだ」
「はい……」
私はそれ以上何も言えずにミカエル様の家を去った。
そして屋敷に戻ってベッドに飛び込んだ。
「うぅーん! 悔しいけど素敵な人だと思ってたのに!」
でもどうしようもないことだし諦めるしかないよね。
私の初恋だったんだけどなぁ……。
それから数日後のことです。
ミカエル様と婚約破棄したことを父に伝えたところ、父は激怒しました。
「何だと!? あのバカ男め!! よりにもよってナナリーを捨てるとは何事だ!!」
「申し訳ありませんお父様。私が至らないばかりにこんなことに……」
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「しかし……」
「それで相手は誰なんだ!? どのような女なのだ!?」
「私もどのような方かは存知かねます」
「くそっ! 許せん!! こうなったら力づくでも聞き出してやる!」
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「止めるなナナリー。こうなれば意地でも突き止めてやる!」
「お父様ったら……それよりも私……一度旅に出ようと思うのですがいいでしょうか」
「旅に出る? それは構わんがなぜだ?」
「はい。このままミュラー家にいるとミカエル様を思いだして辛い思いをしそうな気がしまして……なので一旦離れようと思っております」
「わかった。好きにするといい」
「ありがとうございますお父様」
というわけで私は1人で旅に出ることになった。
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