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二話「初デートは心臓大パニック」 その6

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「ねえ純香。どうだった?洸夜ちゃんの演奏は?」
僕たちが生徒会室に入るといきなりつかささまが純香さまに話しかける。
どうやら僕が二人に演奏を聞いてもらうことはすでに先輩方はご存知だったみたい。
それに部屋を見渡すとすでに僕ら以外の九人はみんな椅子に座っていた。
「ええ。想像以上に良いわ。つかさも本番を楽しみにしなさい」
純香さまは椅子に座りながら、つかささまに返す。
渚さまと僕もそれに続いて椅子に座る。
だけど、そんな風に言ったら本番のハードルが上がりすぎて困る。
確かにさっきん演奏は自分でも納得の出来だったけど、本番でも出来るかどうかはまだ不安だし、僕自身そんな重圧に強いタイプじゃないから。
「純香さま。そんなに言うと、洸夜がプレッシャーを与えてしまいますわ」
すると渚さまが僕の心を読んだかのように、合いの手を入れてくれる。
とても助かります。
「うふ、ごめんなさい。でも洸夜にはそれを乗り越えられると思うわよ」
「そんなっ、純香さま!?」
思わず僕も声を出してしまう。
このままじゃドンドンハードルが跳ね上がるような気がしたから。
「そうね。ところでつかさの方は何をしてるの?」
ようやく純香さまは僕からつかささまの方へ話題を逸らしてくれた。
これで僕もようやく少し落ち着ける。
「えっとね。つかさのところは……そういえばなんだっけ?聖華?」
つかささまは少し頭をひねった後で聖華さまに聞く。
「まだ話してませんよ。それに本番まで内緒にするつもりです」
「うん。みつきと聖華さまですっごいことやるから、つかささまも楽しみにしてて」
聖華さまに続いて、みつきちゃんは元気に発言をする。
みつきちゃんは自分自身でハードルを上げるところが凄いと思う。
やっぱり自分に自信があるんだなというのが感じられる。
「ちょっと待ってよ。それじゃつかさは何も手伝えないの?」
「いいえ、つかささまには本番こそ手伝ってほしいです。そういう出し物ですから」
「本番だけでいいの?」
「もちろんです。つかささまにこそやってほしい事ですから」
つかささまの抗議に聖華さまはすぐに返す。
その時の聖華さまはつかささまの目を見つめていた。
やっぱり聖華さまはつかささまを信じてるんだいうのが僕にも感じられた。
「ところで萌や琴実はどうなの?もう決まったのかしら?」
と、つかささま達の話が切りあがったのを見計らったかのようなタイミングで、純香さまが先ほどまで黙っていた二人に話を振る。
「私の方はとっくに決まってるわよ。特に減るものじゃないから話してもいいわよ。構わないわよね」
相変わらず余裕のある雰囲気で琴実さまが答える。
「私は構いませんけど。あづさは?」
「あづさも構いませんことよ」
楓さまとあづささんもそれに即答で答える。
そしてその答えは最初から分かってたかのように、琴実さまは特に表情を変えずに続ける。
「私の方では私のピアノと楓のギターに合わせてあづさがクラシックバレエを踊る予定よ。
演技のプログラムの方もすでに制作してるから、進行の方も順調に進んでるわ」
クラシックバレエか。
そういえばあづささんはフィギュアスケートでも国内トップクラスと聞いたし、バレエも当然上手だよね。
それに琴実さまもピアノの腕前はプロも顔負けだって聞いたし、きっと凄いだろうな。
「へえ、琴実凄い」
「別に大したことは無いわ。それより萌のほうはどうなの?それより雪美ちゃんの方に聞いた方がいいかしら?もう決まってるんでしょ」
琴実さまは萌さまの感嘆の声をあっさり流す。
別に厭味とかじゃなくて、琴実さまにとっては本当にピアノを弾くことは特に凄いことじゃないんだと思う。
だけど、どうして雪美さんはもう決まってるって分かったんだろう?
「はい、もう決まっていますが。琴実さまはどうして分かったのでしょうか?」
「当たり前でしょ。雪美ちゃんはおっとりしてるけど、いざというときは真っ先に決断してしまうタイプだもの。特に悩まずに、恐らく相談もほとんどせずに自分一人で決めた。違うかしら?」
雪美さんの質問にも一息で琴実さまは答える。
それには雪美さんも、驚き混じりに、
「凄いですわね」
と答えるしかなかった。
「当たり前でしょう。人間観察が出来れば大体のタイプは分かるわ」
その雪美さんに、琴実さまは少しだけ微笑を浮かべて返事を返す。
「だけど……私にも相談してくれないのは………ちょっとショックだったわ」
そこでずっと黙っていたしのぶさまも話しに入る。
どうやら雪美さんがほとんど全てを決めたことに少しばかりご立腹のようだった。
「すいません。ですが私も出来る限りしのぶさまに迷惑掛けたくなかったからで」
「雪美ちゃん大丈夫よ。しのぶは少しからかって遊んでるだけだから」
そこで萌さまが雪美さんに助言をした。
「えっ?」
「そうでしょ、しのぶ。もう雪美ちゃんは冗談が苦手なんだからからかったりしちゃ駄目でしょ」
「………ごめん。雪美も……」
「別にいいです。私も気にしてませんし」
「………嬉しいわ。やっぱり雪美は優しい」
「そんな……しのぶさま」
しのぶさまが雪美さんの髪を撫でて雪美さんは頬を紅に染める。
このやり取りは相変わらずだけど、何だか変な気分になってしまう。
「それで雪美ちゃんは結局何をするの?そろそろ教えてくれないかしら」
と、そこで琴実さまが、放っておいたら延々と続きそうな雪美さんとしのぶさまのやり取りを強引に切る。
そして、雪美さんは一度顔をを引き締めなおして、元の表情に戻る。
「はい。私は居合いをしようと思います。ですのであの……しのぶさまと萌さまには少し協力してほしいことがあるのですが、良いでしょうか?」
居合い……それは雪美さんのイメージとはまるでかけ離れていて少し驚いた。
だけど、協力って何だろ?居合いと言えば僕には立ててある木か何かを切るイメージしかないから少し気になる。
「萌は良いよ。雪美ちゃんの頼みだったら断る理由は無いよ。だけど萌は何をやればいいの?」
「私も………良いわ。……だけど…………何をやるのかしら?」
萌さまもしのぶさまも二つ返事で了承するけど、やはり何をやるのか気になるようで二人とも同じことを聞いている。
「はい。普通の居合いでは出し物としては弱いと思うので、萌さまとしのぶさまは竹を投げてください。私がそれを空中で両断しますので」
……僕は何気に凄いことを聞いたと思う。
竹を投げてもらいそれを両断。
そんなこと、普通は出来ないと思う。
雪美さんはその外見とは違って、実は物凄い人なんじゃないだろうか。
「そうなんだ。何だかすごく簡単」
「……分かったわ。雪美…………頑張りなさい」
「はい」
そしてそれを驚きもせず、普通に了承してしまうお二人もやはり凄い。
きっとお二人とも、何か凄い特技を持ってるんだと思う。
「へえ。琴実と萌の方もとても面白そうなことやるのね。楽しみだわ」
琴実さまと萌さまの、つまりあづささんと雪美さんの出し物を聞いて純香さまは笑顔で答えていた。
それに琴実さまと萌さまはやはり笑顔で答える。
そして、つかささまは少しだけ空気的に外れたのを感じたのかすぐに話に入る。
「つかさは純香のも楽しみだよ」
「ありがとう。つかさの所も何をやるのか楽しみよ」
「私もつかさの所は何をやるのかという期待があるわね。みつきちゃんも自信があって気持ちいいわ」
「萌も洸夜ちゃんの演奏は期待してるよ。みつきちゃんも何をやるのか楽しみ」
そして、すぐに四人は一つになってしまう。
一瞬で、話が弾むキングの四人を見てしまうと、四人の関係の深さを感じる。
僕と雪美さんとみつきちゃんとあづささんも二年後にはあんな風になっているのかな。
……って駄目だよね。そんな先の事ばっかり考えたら。
今はとにかく、目の前に迫った任命式と特技披露の場でベストを尽くすことだけを考えないと。
「それでは、今日はこの辺りで解散と言うことでよろしい?他には特に無かったはずだけど?」
「ええそうよ。今日の予定はそれぞれ任命式にすることが決まってるかの確認だけだから。
みんなも他に何か無い」
それぞれが発表の出し物の確認をしあうと、純香さまと琴実さまで確認を行う。
どうやら今日は僕たちの進行具合の確認がメインだったみたい。
だけど、そこでみつきちゃんが話を切る。
「ちょっと待って。みつき料理部でケーキを作ってきたの。頑張って作ったんだよ。だから食べて」
「へえ。みつきちゃん作ったの。どんなケーキ?」
つかささまがすぐに話しに乗る。
甘いものが好きそうだから、反応が一番早いのも自然だった。
「えっとね。生クリームといちごさんが乗ったとっても美味しいの作ったんだよ」
「いちご。つかさいちご大好きだから嬉しい」
「はい。それじゃ出しますね」
みつきちゃんはいつの間に用意してたのか、お皿に乗った大きなホールケーキを机の上に置く。丁寧に十二人分の取り皿まで用意してあった。
「あらあら、本格的ね。これみつきちゃんが作ったの凄いじゃない」
楓さまもみつきちゃんの作ったケーキの出来栄えは素直に褒める。
「ありがとう楓さま。実は少しだけ聖華さまにも手伝ってもらったの」
「はい。私もみつきに少しだけ手伝いました。あっ、だけどほとんどみつきが作りましたよ、私はサポートぐらいで」
「うん。みつきが作ったんだよ。生クリームが柔らかいのすっごく難しかったんだよ」
「そうだよね。みつきとても頑張ったよ」
「えへへ」
聖華さまとみつきちゃんはすぐに二人の世界が出来上がってしまう。
二人の間に流れるのはきっと、このケーキよりも甘い空気なんだなと僕は思う。
「それじゃあ切りましょうか。えっと……いちごが十二個だから綺麗に切れるわね」
純香さまがナイフを取ってすぐにケーキを綺麗に十二等分してしまう。
「それでは私はお茶を入れてきますね。皆様は何がよろしいでしょうか?」
その後すぐに、雪美さんが立ち上がり、みんなに質問を聞く。
「私は……ジャスミンでいいわ」
「萌もジャスミンね」
しのぶさまと萌さまはすぐに注文をする。
「私も手伝いましょうか?」
「あっ、僕も手伝うよ」
「みつきも」
そこにあづささんが立ち上がり、僕も一拍子遅れて立ち上がる。それにさらに少し遅れてみつきちゃんも立つ。
「ありがとうございます。だけど今日は私が入れますわ。皆さんもご注文ください」
けど、雪美さんは軽く首を振り、断る。
「じゃあ私はダージリンでお願いします」
「みつきはオレンジ・ペコーね」
するとすぐにあづささんとみつきちゃんは注文をする。
だから僕も二人に続いて注文する。
「じゃあ僕はローズマリーでお願いするよ」
「じゃあわたくしは……今日はアールグレイでお願いするわ」
「私は今日は……レモンバーベナがいいわね」
そして、僕が注文をするとすぐに渚さまと純香さまも注文を伝える。
「私はミントでお願いするわ」
「じゃあつかさはセージがいい」
「私も琴実さまと同じミントでいいわ」
「私はアールグレイでいい渚と同じ」
その後すぐに、琴実さま、つかささま、楓さま、聖華さま、が注文を伝えて、雪美さんは微笑を浮かべると、すぐに給湯室に向かった。
「ふふ、雪美ちゃんなら美味しいお茶を入れてくれるから楽しみね」
「ちょっと琴実さま!ならって酷いです。私だって入れてるんじゃありませんこと」
っと、雪美さんがお茶を入れに向かった後に、ポツリと出た琴実さまの言葉にあづささんが瞬時に反応する。
「だってあづさちゃんがこの前に入れてくれたの、生温かったわよ」
「えっ!?……そんな」
「もう少し温度の調整はしっかりやりなさい。そうじゃないと葉が開かないから香りが死んでしまうわよ」
「うう……あづさがんばったのにそんなこと」
琴実さまの厳しいお言葉に、思わずあづささんは涙目になってしまう。
「ちょっと琴実さま。言いすぎですよ!」
そこで聖華さまが琴実さまに抗議を入れる。だけど……
「別に言いすぎじゃないわよ。それに聖華もちゃんと教えてあげなさい。そうしないといつまでも成長しないわよ」
「でっ……でも」
琴実さまの前ではすぐに撃沈してしまう。
「あらあら。琴実も少しからかいすぎよ。聖華ちゃんもあづさちゃんも落ち込んじゃってるんだから、もう少し手加減してあげないと」
だけど、そこで純香さまが一声入れると、すぐに琴実さまも表情を崩す。
「だって、あづさちゃんの涙目が可愛いから、少しいじめたくなっちゃったのよ」
えっ!?
琴実さまの急な口調の変化に僕も大きく動揺してしまう。
もう少しで声に出そうだった。
「それに楓ももう一年になるんだからいい加減に慣れなさい」
「琴実さまはたまに本気になるので、その判断がしにくいんですよ」
「それを見極めるのがあなたの務めでしょ。純香はすぐに読んだわよ」
「純香さまと一緒にしないでくださいよ」
琴実さまは楓の方に責任転嫁しようとするが、それは楓さまもうまく返す。
「えっ、琴実さま私をからかったの?酷いですわ」
あづささんは琴実さまの真意をしって、怒り出す。
だけど、琴実さまは涼しい顔のままだった。
「だって可愛いんだから、ね。それに本当はあづさちゃんの淹れてくれるお茶も美味しいよ。第一、本当に不味かったら私は全部飲まないでしょ」
「うっ……はい」
琴実さまの弁解にはあづささんも渋々ながら納得して引き下がる。
すると、そこにタイミングよく雪美さんが十二のカップを載せたトレーを持って入ってきた。
「淹れてきましたが……皆さん何かあったのでしょうか?」
雪美さんはトレーを机の上に置きながら小首をかしげる。
「大したことは無いわ。ただ………琴実さまと……楓と……あづさが………談笑してただけよ」
雪美さんの問いにはしのぶさまが答える。
すると納得した様子でそのまま雪美さんはそれぞれの前にそれぞれが注文したお茶を並べる。
「雪美さんが淹れてくれたお茶ってとても良い香りだね」
僕は素直にそのお茶に対する感想を述べる。
「ありがとうございます」
雪美さんは僕にそっと礼で返す。
そして、雪美さんと平行して、いつの間にか純香さまがそれぞれの前にケーキを並べてしまう。
「すいません純香さま。僕が並べれば」
うっかりしてた。
こういうのは僕かみつきちゃんかあづささんが、いや、今回の場合は流れとしては僕がやるべきだったのに、純香さまにやらせてしまった。
「別にいいのよ。切ったついでなんだから」
だけど、純香さまは僕に笑顔で返してくれる。
そんなやり取りを続けていたら、全員の前にお茶もケーキを用意されたので、お茶会もとい、みつきちゃんの手作りケーキの試食会となる。
「あら、とても美味しいわ。みつきちゃん頑張って作ったのね」
純香さまは最初の一口を食べて少し驚いたような笑顔を見せる。
「うん。とっても甘くて美味しい」
「みつきちゃん上手だ。すごーい」
萌さまとつかささまも一口食べて素直な言葉が口に出る。
そして琴実さまも少し考えたような表情をしてから、感想を言葉にする。
「さわやかな味ね。しつこくなくて、だけど薄いわけじゃなくて、生クリームとスポンジの配分もとてもいい配分ね。みつきちゃんとても美味しいわ」
琴実さまはとても丁寧な感想だった。
「とても丁寧に作ってるし、美味しいよ。だけど、スポンジはもう少し柔らかい方が私は好きかな」
「あら、わたくしはこのぐらいで良いと思うけど」
次に楓さまと渚さまが出した感想は正反対だった。
「でも渚。もう少柔らかくしたほうが食べやすいよ」
「これより柔らかくすると崩れやすいと思いますけど」
そして、何となく変な感じに分かれてしまった。
「私は……これで美味しいと……思う」
そこでしのぶさまが絶妙のタイミングで口を挟んだ。
「だけど……楓の言ってるのも……とても美味しそう」
そのまま最後まで言い切ってしまい、何だが巧くその場を納めるような形になった。
「ねえ雪美さん。渚さまと楓さまって仲が悪いの?」
僕はその楓さまと渚さまの様子が気になり、隣の雪美さんに小声で聞いてみる。
すると雪美さんは小さく笑って答えてくれる。
「いいえ、とても仲がよろしいですわ。ですからあのような戯れの喧嘩も出来るのだと思います」
「そうなんだ」
なるほど。
僕は納得してしまう。確かにあんな小さなことで意見をぶつけられるのは仲が良い証拠かも。
それにしのぶさまもタイミングも的確だったし、ああいうの慣れてるのかな。
「まあまあですわね。不味くはありませんけど……みつきちゃんが作ったというのは凄いと思いますわよ」
っと、僕が雪美さんに質問している間にあづささんも感想を終えていた。
相変わらず素直じゃないなと僕は思う。
あの表情やしゃべり方は美味しいと言ってるのがすぐにわかるのに。
まあ、そこがあづささんのいいところでもあるんだけど。
「やったあ、ねえねえ雪美さんと洸夜さんはどう?」
みつきちゃんはみんなの高評価にとても嬉しそうだった。
そして、まだ感想を言っていない僕と雪美さんにも感想を求める。
すると雪美さんは一口お茶を飲んでから、笑顔を浮かべて答える。
「はい。とても爽やかな甘さで美味しいですわ。まるで天使さんが作ったように感じ待したわ」
「わーい。雪美さん大好き」
「いえいえ。みつきさんが御上達なさっただけですわ」
喜ぶみつきちゃんにやっぱり雪美さんはニコニコ笑顔で返す。
僕も雪美さんみたいに気の聞いたコメントを用意したほうがいいよね。
「僕も美味しいと思いますよ。まるで天国に行ったみたいな……」
「それじゃ洸夜ちゃん死んだんだー」
「えっ!」
僕の感想につかささまが驚きの言葉を付け加えてしまう。
「ちっ、違いますよ。そういう意味じゃ」
「洸夜さん……みつきのケーキ不味かったの?不味くて死んだの?」
「違いますって。みつきちゃんのケーキは美味しいですよ」
「だけどさっき死んだって洸夜ちゃん……」
つかささまがまた話に食いついてしまう。
それにつられてみつきちゃんも何となく目が涙目になっている。
このままじゃ空気がおかしくなりそう。
だけどどうしたら……
「違いますよ。つかささま。洸夜ちゃんは天国のような、つまり天使の作ったかのようなとても美味しかった。そういう風に言いたかったんだと思います」
そこで聖華さまが巧くフォローを入れてくれた。
「はい。そうです。ありがとうございます聖華さま。僕口下手で」
「そうなんだ。つかさ勘違いしちゃったの……はぅ」
そこでつかささまは少し落ち込んじゃったみたいだ。
分かりやすくピンクのリボンも垂れてるので、空気を読み損ねちゃった落ち込み具合がすぐに分かる。
「じゃあ洸夜さんもみつきの作ったケーキ美味しかったの?」
「はい。美味しかったですよ」
「やったー、みんな褒めてくれた。……きゃっ」
全員が褒めてくれて嬉しかったのか、凄くはしゃいでる感じが見て取れた。
それを聖華さまもやさしく見つめてるし、この二人の関係の深さは本当に見ていて心地良いと思える。
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