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一話「絵柄だけのトランプカード」 その3
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そして僕は今帰路についている。一日で本当にいろいろなことがあった。
あの後は先輩の二人に呼び方で注意された。
どうやら生徒会の中では先輩にはさま付けで呼ぶのが伝統となっているらしい。
だから僕は明日から渚さま、純香さまと呼ばなければならない。とてもむずがゆいなるけど仕方ない。
「はあ」
ため息がこぼれる。正直言ってジャックになるのは自分の意思じゃない。勢いのままだ。
だけどまあほとんどのキングやクイーンも部活動との掛け持ちだしそれほどハードじゃないかもしれない。僕はとにかく前向きに考えることにした。
そしてしばらく歩くと家の正門が見える。
僕は正門をくぐりさらに二分ほど歩いて家の玄関を開ける。
「ただいま」
「お帰り。お兄ちゃん」
帰ると妹の玲子(れいこ)が迎えてくれる。
僕の家は両親が外国で暮らしてるのもあって妹と二人暮らし。
家事をする家政婦は四人ほど居るがそれはこの際関係ないだろう。
「玲子。今日の夕食は?」
「今日はハンバーグだよ」
「そうか」
ハンバーグは玲子が好きだったっけ。
そんなことを考えながら服を着替えて玲子と食卓に座る。
「なあ玲子」
食事をしながら話しかける。
「何?お兄ちゃん」
「僕は今日から生徒会の役員に選ばれた。だから明日から少し帰るの遅くなるかもしれない」
「えっ。生徒会ってカルテットに選ばれたの?お兄ちゃんが」
「カルテットって……玲子知ってたのか」
「お兄ちゃん知らなかったの?玲子の学校だと有名なんだよ。禁断の美少年だけの空間だし。それにいろいろと変な噂もあるし」
「噂?」
何だ噂って。少し気になるぞ」
「それはね。先輩と後輩で禁断の愛とか、私の学校そういうの人気あるし」
「……禁断の愛って……それはな……いと思う。いいや……思いたい」
断定出来ない。というか実際にクローバーの雪美としのぶさまは怪しかった。他に人がいてあれだ。もし二人っきりなら……
想像するのが怖いからこのことは忘れよう。
「まああれだ。それで玲子はどうなんだ。お前も興味あるのか?」
「無いよ」
「そっ。そうか」
あっさり言うから驚いた。だがもし興味があるなら兄として少し困る。だから安心出来て助かる。
「だってお兄ちゃんがいいもん」
「えっ」
急に聞き流せない言葉が飛び出してきたぞ。兄としては嬉しいかも知れないが、もう玲子も子供じゃない。大人になってもらいたい。
「なんてね。玲子はまだそういうの分からないし。じゃあ」
こっちは色々考えたというのに、あっさり冗談に片付けられるのか。それはそれで嫌なものがあるな。でも一安心ともいえるし、これはこれでいいのだろう。
そして玲子は既に食事を終えていて席を立った。僕もいつのまにか全て食べ終えていた。
明日はどうなるんだろ。
あの後は先輩の二人に呼び方で注意された。
どうやら生徒会の中では先輩にはさま付けで呼ぶのが伝統となっているらしい。
だから僕は明日から渚さま、純香さまと呼ばなければならない。とてもむずがゆいなるけど仕方ない。
「はあ」
ため息がこぼれる。正直言ってジャックになるのは自分の意思じゃない。勢いのままだ。
だけどまあほとんどのキングやクイーンも部活動との掛け持ちだしそれほどハードじゃないかもしれない。僕はとにかく前向きに考えることにした。
そしてしばらく歩くと家の正門が見える。
僕は正門をくぐりさらに二分ほど歩いて家の玄関を開ける。
「ただいま」
「お帰り。お兄ちゃん」
帰ると妹の玲子(れいこ)が迎えてくれる。
僕の家は両親が外国で暮らしてるのもあって妹と二人暮らし。
家事をする家政婦は四人ほど居るがそれはこの際関係ないだろう。
「玲子。今日の夕食は?」
「今日はハンバーグだよ」
「そうか」
ハンバーグは玲子が好きだったっけ。
そんなことを考えながら服を着替えて玲子と食卓に座る。
「なあ玲子」
食事をしながら話しかける。
「何?お兄ちゃん」
「僕は今日から生徒会の役員に選ばれた。だから明日から少し帰るの遅くなるかもしれない」
「えっ。生徒会ってカルテットに選ばれたの?お兄ちゃんが」
「カルテットって……玲子知ってたのか」
「お兄ちゃん知らなかったの?玲子の学校だと有名なんだよ。禁断の美少年だけの空間だし。それにいろいろと変な噂もあるし」
「噂?」
何だ噂って。少し気になるぞ」
「それはね。先輩と後輩で禁断の愛とか、私の学校そういうの人気あるし」
「……禁断の愛って……それはな……いと思う。いいや……思いたい」
断定出来ない。というか実際にクローバーの雪美としのぶさまは怪しかった。他に人がいてあれだ。もし二人っきりなら……
想像するのが怖いからこのことは忘れよう。
「まああれだ。それで玲子はどうなんだ。お前も興味あるのか?」
「無いよ」
「そっ。そうか」
あっさり言うから驚いた。だがもし興味があるなら兄として少し困る。だから安心出来て助かる。
「だってお兄ちゃんがいいもん」
「えっ」
急に聞き流せない言葉が飛び出してきたぞ。兄としては嬉しいかも知れないが、もう玲子も子供じゃない。大人になってもらいたい。
「なんてね。玲子はまだそういうの分からないし。じゃあ」
こっちは色々考えたというのに、あっさり冗談に片付けられるのか。それはそれで嫌なものがあるな。でも一安心ともいえるし、これはこれでいいのだろう。
そして玲子は既に食事を終えていて席を立った。僕もいつのまにか全て食べ終えていた。
明日はどうなるんだろ。
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