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作戦の成果は
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ツボを覗きまわっていたら、一番先のツボに、誰かが寄りかかり倒れているのを発見した!
薄汚れた男だ。
結構いい体格をしている。濃い茶色のドレッドヘアのようなチリチリで、キツイ糸目。色黒な肌は、あちこち傷だらけだった。
左腕は血の滲む薄汚れた布で巻かれ、右足首は腫れて内出血をしている。
「生きてりゅ?」
男に近づいて恐る恐る覗き込む。
「……お前…まさか…あの時の…」
ん?
何だかとても聞き覚えのある声だぞ!
ええと…どこだっけ…何だかもっと、くぐもって聞こえていたような。
「ああ!外の人だ!」
「チーロ、変な物に、近づくな」
ピカーンとひらめいた時に、後ろから抱きあげられた。
「変な物じゃないよ!外の人よ!」
僕がこの世界ではじめての会った人間だ。
子供のように縦抱きで抱かれたので、片手でオルニスの首に抱きついて、片手で男を指差す。
「チーロ、卵から外出る、てちゅだったよ!」
最終的に斧という手荒な方法だったけど。
「…やっぱり…あの時の…金の卵」
外の人が、涙を流しながら、僕を見上げている。
細い目からはポロポロと涙が流れ、汚れた頬の泥が流れる。
「あの時の盗賊か…行くぞチーロ。…殺してやりたいが、放っておけば、そのうち死ぬだろう」
放って、おけば…。
おお!!閃いた!
オルニスを病院に連れて行く作戦を!
名付けて、お見舞いついでに診て貰う作戦!
作戦の内容は、こうだ!
まず、外の人をどこかの病院に運ぶ。
そして彼を治療してもらい、入院させて、お見舞いのたびにオルニスの怪我も診て貰うのだ!
外の人は、美醜的には、超絶美系でも不細工でもなく、悪人顔だから問題なく闇医者にかかれるだろう。
「オルニス、下ろすして!外の人、怪我してるよ!お医者さんにちゅれてくよ!」
オルニスの腕の中で、滅茶苦茶に暴れた。
自分の長い金髪がハラハラして邪魔だ。
「…何をバカな事を言っている…」
一生懸命暴れるけれど、体格差のせいで下ろして貰えない。
「チーロ、バカない!」
「チーロ様…この者は悪い人間ですよ…怪我を治したら、街の者が困ると思います」
僕らを見守るアガメルの言葉に、うっ…と思う。
それは困る。
「外の人、いい人なるよね?もう悪いことしないよね?」
ツボに、もたれかかって僕を見つめる男に懇願するよう、必死に語りかけた。
今までどんな悪さをしてきたのか知らないけど、改心して!
「…ははっ…何だよ…お前…天人の番っていうのは、人間とは別物なんだな…こんな汚くてゴミみたいな俺にも慈悲深いなんて…俺は、いい。さっさと行けよ…最後に良いものが見れた」
いい笑顔で笑った男が、動く方の手で、しっしと手を振った。
「駄目!!オルニス、お医者さん行く!!」
お願い!外の人の為にも!オルニスの為にも!
良くなって悪いことしそうだったら、警察的な所に連れて行くから!
「本人が良いって言っているぞ」
オルニスが非情にもくるりと背を向けた。
僕は慌てた!
このままでは、作戦が!
「オルニス、嫌い!」
オルニスを止めようと、適当に叫んだら、なぜだか場の空気がビシッと音を立ててきしんだ。
えっ…なんだかオルニスの羽根がザワザワしてる。
「……なんだと」
「…オルニス?」
声がいつもの倍は低く怖くなっている。僕を抱く力も強くなっていて痛い。
こわっ…
「…チーロ…」
怜悧な目がジロっと僕を見下ろした。瞳の中で蒼い炎が燃えている。
怖い!美形の怒った顔が間近で滅茶苦茶怖い!
ちびりそう!
「…チーロ、痛いのやだよ。外の人可哀想だよ…お医者さんいこ…お願い、オルニス」
半泣きになりながら、オルニスの怖い顔を見たく無くて、ぎゅーっと抱きついた。
「……」
駄目?駄目か?
「チーロ、何でもするから…」
「……何でも…」
ピクリとオルニスの体が動いた。
おぉ!何だか好感触!
「うん」
オルニスがため息をついて、外の人の方を向いた。
「アガメル、そいつを医者に連れて行っておけ…」
「はい」
オルニスがアガメルに指示をすると、もう用は無いとばかりに、サクサクと歩き出した。
「ちょっと待って!チーロも行く!」
必死に外の人に手を伸ばす。
「…何でもしてくれるんだろ、チーロ」
オルニスの声を聞いたら、何故か僕の体が、ゾクッとした。
僕の小さい羽根がソワソワ動く。
えっ…
あれ…
もしかして…僕、何か…ピンチ?
薄汚れた男だ。
結構いい体格をしている。濃い茶色のドレッドヘアのようなチリチリで、キツイ糸目。色黒な肌は、あちこち傷だらけだった。
左腕は血の滲む薄汚れた布で巻かれ、右足首は腫れて内出血をしている。
「生きてりゅ?」
男に近づいて恐る恐る覗き込む。
「……お前…まさか…あの時の…」
ん?
何だかとても聞き覚えのある声だぞ!
ええと…どこだっけ…何だかもっと、くぐもって聞こえていたような。
「ああ!外の人だ!」
「チーロ、変な物に、近づくな」
ピカーンとひらめいた時に、後ろから抱きあげられた。
「変な物じゃないよ!外の人よ!」
僕がこの世界ではじめての会った人間だ。
子供のように縦抱きで抱かれたので、片手でオルニスの首に抱きついて、片手で男を指差す。
「チーロ、卵から外出る、てちゅだったよ!」
最終的に斧という手荒な方法だったけど。
「…やっぱり…あの時の…金の卵」
外の人が、涙を流しながら、僕を見上げている。
細い目からはポロポロと涙が流れ、汚れた頬の泥が流れる。
「あの時の盗賊か…行くぞチーロ。…殺してやりたいが、放っておけば、そのうち死ぬだろう」
放って、おけば…。
おお!!閃いた!
オルニスを病院に連れて行く作戦を!
名付けて、お見舞いついでに診て貰う作戦!
作戦の内容は、こうだ!
まず、外の人をどこかの病院に運ぶ。
そして彼を治療してもらい、入院させて、お見舞いのたびにオルニスの怪我も診て貰うのだ!
外の人は、美醜的には、超絶美系でも不細工でもなく、悪人顔だから問題なく闇医者にかかれるだろう。
「オルニス、下ろすして!外の人、怪我してるよ!お医者さんにちゅれてくよ!」
オルニスの腕の中で、滅茶苦茶に暴れた。
自分の長い金髪がハラハラして邪魔だ。
「…何をバカな事を言っている…」
一生懸命暴れるけれど、体格差のせいで下ろして貰えない。
「チーロ、バカない!」
「チーロ様…この者は悪い人間ですよ…怪我を治したら、街の者が困ると思います」
僕らを見守るアガメルの言葉に、うっ…と思う。
それは困る。
「外の人、いい人なるよね?もう悪いことしないよね?」
ツボに、もたれかかって僕を見つめる男に懇願するよう、必死に語りかけた。
今までどんな悪さをしてきたのか知らないけど、改心して!
「…ははっ…何だよ…お前…天人の番っていうのは、人間とは別物なんだな…こんな汚くてゴミみたいな俺にも慈悲深いなんて…俺は、いい。さっさと行けよ…最後に良いものが見れた」
いい笑顔で笑った男が、動く方の手で、しっしと手を振った。
「駄目!!オルニス、お医者さん行く!!」
お願い!外の人の為にも!オルニスの為にも!
良くなって悪いことしそうだったら、警察的な所に連れて行くから!
「本人が良いって言っているぞ」
オルニスが非情にもくるりと背を向けた。
僕は慌てた!
このままでは、作戦が!
「オルニス、嫌い!」
オルニスを止めようと、適当に叫んだら、なぜだか場の空気がビシッと音を立ててきしんだ。
えっ…なんだかオルニスの羽根がザワザワしてる。
「……なんだと」
「…オルニス?」
声がいつもの倍は低く怖くなっている。僕を抱く力も強くなっていて痛い。
こわっ…
「…チーロ…」
怜悧な目がジロっと僕を見下ろした。瞳の中で蒼い炎が燃えている。
怖い!美形の怒った顔が間近で滅茶苦茶怖い!
ちびりそう!
「…チーロ、痛いのやだよ。外の人可哀想だよ…お医者さんいこ…お願い、オルニス」
半泣きになりながら、オルニスの怖い顔を見たく無くて、ぎゅーっと抱きついた。
「……」
駄目?駄目か?
「チーロ、何でもするから…」
「……何でも…」
ピクリとオルニスの体が動いた。
おぉ!何だか好感触!
「うん」
オルニスがため息をついて、外の人の方を向いた。
「アガメル、そいつを医者に連れて行っておけ…」
「はい」
オルニスがアガメルに指示をすると、もう用は無いとばかりに、サクサクと歩き出した。
「ちょっと待って!チーロも行く!」
必死に外の人に手を伸ばす。
「…何でもしてくれるんだろ、チーロ」
オルニスの声を聞いたら、何故か僕の体が、ゾクッとした。
僕の小さい羽根がソワソワ動く。
えっ…
あれ…
もしかして…僕、何か…ピンチ?
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