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はじめまして
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ぽかぽかする
気持ち良いなぁ
「んぁ…」
ぬくぬくと温かく、優しい朝の光が心地よい。
あぁ…春のように柔らかくて、心地よい空気。
ちらっと目を開くと自分の左手と、誰かの鎖骨が見えた。
本能に従ってすり寄ったら、とっても良い匂いと、安心する人肌に思わず、頬がほころんで、ふふふっと笑ってしまった。
「…チーロ…おはよう…」
「⁉」
バッと首を上げると、肘をついて、僕を見つめるオルニスの破壊力抜群の笑顔がありました。
な…なんという顔の造形美!
無表情でいると、細長いキツい眼差しなのに、ペットの子猫を見るような、蕩けるような微笑み。ハリウッドスターのファンサービスカットか!いや…それ以上だとおもう。
「…幸せは、ここにあったな」
オルニスがフワフワの羽を撫でた。
「ひゃうっ…」
やめて…羽根は敏感だから触らないで!
「オルニス!触るない!」
「…ははは…悪いな…愛しくて…手が勝手に動く…」
普通の男がそんなこと言っても鼻で笑われるだけだけど…様になる…なぜか、凄く照れる!
でも、ここが美醜逆転の世界だと思うと…切ない。オルニスにとってこんなにスキンシップを取れるのが、僕しかいないなんて…良いよ!
少しくらいブラコンで溺愛しても許す。
「チーロ、やってあげる!」
オルニスの腕の中から抜け出して座りこみ、オルニスの包帯が巻かれている右の翼を、痛くないように、なでなでする。
「オルニス…好きよ…良い子よ」
歌うように言いながら、オルニスの翼や輝く金髪を撫でた。手触りがサラサラで、撫でている此方まで胸が温かくなる。
綻んだ表情のオルニスと微笑みながら見つめ合う。
「……チーロ…あぁ…魂は此処にあるんだな」
オルニスが胸の洋服をギュッと握りしめた。
「たましし」
凄くクサい台詞が出てきそうな気がするけど、似合うからずるい。
「…チーロと居ると幸せで…此処が苦しい…」
苦笑しながら僕に微笑むオルニスは、最高に格好いい。
男として嫉妬するけれど、この素晴らしさが分かるのが僕だけだなんて。
「よしよし…」
オルニスの頭を抱きしめた。
カッ…
背後から何か物音がして、驚いて体がビクッと反応した。
オルニスの翼がユックリと開いて、驚く僕の体を包み込んだ。
「おい、アガメル…うるさいぞ」
オルニスが不機嫌な声で、音のした方に言った。
「申し訳ありません、オルニス様。あまりに眼福な光景だったもので…」
えっ…この部屋誰か居たの?
後ろを振り返り、のれんをチラリと覗くように、オルニスの茶色の大きな羽根を少しずらした。
「……」
不審な男と目が合ったので、さっとオルニスの翼の中に隠れた。
不審者だ。いや、凄く身なりのいい黒い執事服を着ている男の人だったのだけど、仮面をしてたよ!顔の上半分が仮面舞踏会的なマスクで覆われている。瞳は穴から見えるけど、後は頬と口元しか出ていない。
黒い長い毛を後ろで結んでいる、仮面の不審者だ。
「アガメル…自己紹介を」
オルニスが起き上がり、僕を隠してくれるものが無くなった。しかし、オルニスが僕を引き寄せ、胡座をかいた足の上にのせた。
「お初にお目にかかります。私、オルニス様にお仕えさせて頂いております、アガメルと申します」
白い手袋をつけた手を胸に当てて、アガメルと呼ばれた青年が美しいお辞儀をした。背中に羽根は生えていない。
アガメル仮面…仮面アガメル! いや、仮面執事、アガメルだな。
「どして、顔ないする?」
はっ!聞いてから気がついてしまった。
ここは美醜逆転世界…顔を隠す理由なんて、一つだ。
僕は、何て残酷な質問をしてしまったのだ…。
「それは…」
「余計な事は言わなくていい」
アガメルが口を開こうとすると、オルニスがそれを遮った。
ナイスだよ、オルニス。有難うオルニス。
「僕、チーロよ!アガメル」
オルニスの腕の中から抜け出して、トテトテとアガメルの所まで歩み寄る。
「……オルニス様…この仮面、顔面全てを覆うものに変えましょうか…鼻血が出そうです…」
「……検討しよう」
アガメルは、鼻の粘膜が弱いのに、鼻の上に圧がかかる仮面をしているのだろうか、別にこの部屋の中では外したら良いのに。
僕は、細くて背の高いアガメルさんの仮面を取るために、背伸びをして手を伸ばした。
すっ…
アガメルが一歩後ろに下がって、僕の腕が空振りをした。
もう一度、手を伸ばしたけど、また音もなく避けられた。
「アガメル仮面とるするいい!チーロ、きっとアガメルの顔好きする!」
「……チーロ」
オルニスが凄く怖い声で僕の名前を呼ぶと、僕の側まで歩み寄り後ろから抱き込まれた。
「チーロ、アガメル仮面無い良いよ」
オルニスの腕の中で不満を表す。
「チーロさま、私は、仮面愛好家で、仮面をしていないと落ち着かないのです。仮面の使用人はいけませんか?」
アガメルさんの過去にはどんな悲しいストーリーが…。
「仮面良いよ!チーロもう取るしないよ。ごめんね」
良かれと思ったけれど軽率だった。反省。オルニスの腕から抜け出して、ぺこりと頭を下げたら、そのままバランスを失って、床に頭がついて、くるんと回った。
「チーロ!」
「あれ?チーロ…くるってした…」
コロンと回った僕を、オルニスが慌てて抱き上げた。
ローリング謝罪…。
「……私は今、小動物にうつつを抜かす人間の心が理解できました…」
アガメルが仮面を抑えて天を仰いだ。なぜか拳が震えていた。
気持ち良いなぁ
「んぁ…」
ぬくぬくと温かく、優しい朝の光が心地よい。
あぁ…春のように柔らかくて、心地よい空気。
ちらっと目を開くと自分の左手と、誰かの鎖骨が見えた。
本能に従ってすり寄ったら、とっても良い匂いと、安心する人肌に思わず、頬がほころんで、ふふふっと笑ってしまった。
「…チーロ…おはよう…」
「⁉」
バッと首を上げると、肘をついて、僕を見つめるオルニスの破壊力抜群の笑顔がありました。
な…なんという顔の造形美!
無表情でいると、細長いキツい眼差しなのに、ペットの子猫を見るような、蕩けるような微笑み。ハリウッドスターのファンサービスカットか!いや…それ以上だとおもう。
「…幸せは、ここにあったな」
オルニスがフワフワの羽を撫でた。
「ひゃうっ…」
やめて…羽根は敏感だから触らないで!
「オルニス!触るない!」
「…ははは…悪いな…愛しくて…手が勝手に動く…」
普通の男がそんなこと言っても鼻で笑われるだけだけど…様になる…なぜか、凄く照れる!
でも、ここが美醜逆転の世界だと思うと…切ない。オルニスにとってこんなにスキンシップを取れるのが、僕しかいないなんて…良いよ!
少しくらいブラコンで溺愛しても許す。
「チーロ、やってあげる!」
オルニスの腕の中から抜け出して座りこみ、オルニスの包帯が巻かれている右の翼を、痛くないように、なでなでする。
「オルニス…好きよ…良い子よ」
歌うように言いながら、オルニスの翼や輝く金髪を撫でた。手触りがサラサラで、撫でている此方まで胸が温かくなる。
綻んだ表情のオルニスと微笑みながら見つめ合う。
「……チーロ…あぁ…魂は此処にあるんだな」
オルニスが胸の洋服をギュッと握りしめた。
「たましし」
凄くクサい台詞が出てきそうな気がするけど、似合うからずるい。
「…チーロと居ると幸せで…此処が苦しい…」
苦笑しながら僕に微笑むオルニスは、最高に格好いい。
男として嫉妬するけれど、この素晴らしさが分かるのが僕だけだなんて。
「よしよし…」
オルニスの頭を抱きしめた。
カッ…
背後から何か物音がして、驚いて体がビクッと反応した。
オルニスの翼がユックリと開いて、驚く僕の体を包み込んだ。
「おい、アガメル…うるさいぞ」
オルニスが不機嫌な声で、音のした方に言った。
「申し訳ありません、オルニス様。あまりに眼福な光景だったもので…」
えっ…この部屋誰か居たの?
後ろを振り返り、のれんをチラリと覗くように、オルニスの茶色の大きな羽根を少しずらした。
「……」
不審な男と目が合ったので、さっとオルニスの翼の中に隠れた。
不審者だ。いや、凄く身なりのいい黒い執事服を着ている男の人だったのだけど、仮面をしてたよ!顔の上半分が仮面舞踏会的なマスクで覆われている。瞳は穴から見えるけど、後は頬と口元しか出ていない。
黒い長い毛を後ろで結んでいる、仮面の不審者だ。
「アガメル…自己紹介を」
オルニスが起き上がり、僕を隠してくれるものが無くなった。しかし、オルニスが僕を引き寄せ、胡座をかいた足の上にのせた。
「お初にお目にかかります。私、オルニス様にお仕えさせて頂いております、アガメルと申します」
白い手袋をつけた手を胸に当てて、アガメルと呼ばれた青年が美しいお辞儀をした。背中に羽根は生えていない。
アガメル仮面…仮面アガメル! いや、仮面執事、アガメルだな。
「どして、顔ないする?」
はっ!聞いてから気がついてしまった。
ここは美醜逆転世界…顔を隠す理由なんて、一つだ。
僕は、何て残酷な質問をしてしまったのだ…。
「それは…」
「余計な事は言わなくていい」
アガメルが口を開こうとすると、オルニスがそれを遮った。
ナイスだよ、オルニス。有難うオルニス。
「僕、チーロよ!アガメル」
オルニスの腕の中から抜け出して、トテトテとアガメルの所まで歩み寄る。
「……オルニス様…この仮面、顔面全てを覆うものに変えましょうか…鼻血が出そうです…」
「……検討しよう」
アガメルは、鼻の粘膜が弱いのに、鼻の上に圧がかかる仮面をしているのだろうか、別にこの部屋の中では外したら良いのに。
僕は、細くて背の高いアガメルさんの仮面を取るために、背伸びをして手を伸ばした。
すっ…
アガメルが一歩後ろに下がって、僕の腕が空振りをした。
もう一度、手を伸ばしたけど、また音もなく避けられた。
「アガメル仮面とるするいい!チーロ、きっとアガメルの顔好きする!」
「……チーロ」
オルニスが凄く怖い声で僕の名前を呼ぶと、僕の側まで歩み寄り後ろから抱き込まれた。
「チーロ、アガメル仮面無い良いよ」
オルニスの腕の中で不満を表す。
「チーロさま、私は、仮面愛好家で、仮面をしていないと落ち着かないのです。仮面の使用人はいけませんか?」
アガメルさんの過去にはどんな悲しいストーリーが…。
「仮面良いよ!チーロもう取るしないよ。ごめんね」
良かれと思ったけれど軽率だった。反省。オルニスの腕から抜け出して、ぺこりと頭を下げたら、そのままバランスを失って、床に頭がついて、くるんと回った。
「チーロ!」
「あれ?チーロ…くるってした…」
コロンと回った僕を、オルニスが慌てて抱き上げた。
ローリング謝罪…。
「……私は今、小動物にうつつを抜かす人間の心が理解できました…」
アガメルが仮面を抑えて天を仰いだ。なぜか拳が震えていた。
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