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if もしも早瀬さんが運命の番だったら… その1
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その日は、出雲兄さんが仕事で帰国していたので泊まっているホテルで夕食をご馳走になった。
都心の夜景を見ながら、美味しいご飯に舌鼓をうち、デザートまで頂いた。
これからまだ仕事があるという兄さんにタクシー代を握らされ、レストランを後にした。
「……ふぅ」
お腹いっぱいで苦しいくらいだ。
下へ向かうエレベーターに乗り込んでお腹を擦った。
ぽっこりしてる。
ポーン
下につくまえにエレベーターが止まった。
誰か乗ってくるみたいだ。
ゆっくりと扉が開いて、そこには一人の男性が立っていた。
背が高く、長い手足と美しい立ち姿。
見るからに高級なスーツに身を包んでいる。
ノンフレームの眼鏡が彼の怜悧な美貌をより冷たく見せている。
誰が見てもαと分かる美しい大人の男。
ドアが開いて目が合った僕らは固まった。
ドクン
心臓がうるさく暴れている。
「……君は…」
彼が何かつぶやいたときに、エレベーターのドアが閉まろうとした。
彼の手がドンと強くドアを抑えて、もう一方の長い手が、僕の手を掴みエレベーターから引っ張り出した。
勢い余った僕は彼の胸に飛び込んだ。
何だかとてもいい匂いがする、スッキリとした目の覚めるような……
これは、彼の香水?
それとも
これが運命の番の匂いなのだろうか?
まさか都市伝説のように言われている運命の番に出会うとは思わなかった…。
「君も気がつきましたか?」
彼が僕の耳元につぶやいた。
ゾクゾクする。
「…あっ…あの……」
「来てください。君と話がしたい」
彼がいうと、僕の手をとって歩き始めた。
彼に手をひかれてホテルの廊下を進む。
この人はどんな人なんだろうか…
運命の番に出会って、僕はこの人と番になるの?
「…入って」
彼がカードをかざしてドアを開けた。
入っていいのかなぁ、いくら運命の番だとしても、はじめてあった人とホテルの部屋に入っていいの?
話がしたいって言っていたし、まさかいきなりそんな事にならないよね…
僕は恐る恐る部屋に足を踏み入れた。
「お邪魔します…」
先に歩く彼の後についていく。
ソファにテーブル、それに奥には寝室がありそうだ。
「座って、自己紹介をしようか」
促されて、ソファに座ると向かいに彼が座った。
長い足を組んでいる姿がとても様になっている。
「私は早瀬 瑛一です。建設会社で副社長をしています」
名刺を差し出されて受けたった。
ハヤセ エイイチさんかぁ。
佐藤建設って聞いたことあるような無いような。
「君の名前は?高校生?親御さんと泊まっているの?」
ぼうっと名刺を眺めていたら聞かれた。
あっ、どうしよう名刺と持ち歩いて無いよ。
春から食品工場でΩ枠採用されて半年たったけど、ひたすら工場の中で働いているから名刺交換とかしたことない。
「えっと!僕は…石川 千歳です。春から食品工場で働いていて、今日は兄さんとご飯食べて帰るところで……」
名刺をポケットに入れてドギマギして答えた。
「そうですか…千歳君というのですか…」
ガタン
「ひゃあ!!」
突然奥の寝室から音がした。
何だか人のくぐもった声がする。
「運命の番に出会って舞い上がって…忘れてました…」
彼がそちらを向いてため息を吐いた。
一体向こうに何があるのだろう…。
気になる…。
まさか、恋人?
こんなに素敵な大人のα男性だもん恋人いるよね…
でも、なんか様子が違うような…
「まぁ、これまでの過去はちゃんと精算します。なので私とお付き合いしてくれませんか??」
過去を精算??
なにその表現…今の恋人と別れるだけの表現じゃないような……気になる…俄然扉の先が気になる!
鶴の恩返しの扉開けた男の気持ちが手に取るように分かる。
「……」
駄目!!
ガマンできない!
僕は勢い良く立ち上がって、奥の寝室に走った。
彼は驚いた顔をしたものの止めようとはしなかった。
「うわぁ!」
ドアを開けてすぐに後悔した。
ベッドには赤いロープで縛られ棒をくわえた男性が全裸で横たわっていた。
な…なにこれ……
早瀬さんって…
もしかして……変態!?
無理無理無理!!
変態は守備範囲外!!
普通がいい!
僕はそこから走って逃げ出した。
「千歳君!待ってください!」
後ろから早瀬さんの声がする。
捕まったらヤバイ!何されるの!?
怖いよぉ!!
僕はエレベーターの前に行き着いてバンバンとボタンを押す。
早く早く!!
変態に捕まっちゃう!
幸いな事にエレベーターはすぐに来た。
でも早瀬さんもすぐに来た。
「千歳君!」
僕は半分開いたドアからエレベーターに飛び込んで、乗っていた大きな男性に抱きついた。
「助けてください!!」
「うぉ!どうした……って早瀬??」
男性が僕をしっかりと抱きとめてくれたけれど、後ろを見て早瀬さんの名前を呼んだ。
うそおおお
まさかの仲間!?
ばっと顔を上げて改めて男性を見た。
作業着姿のムキムキの大柄な男性だ。もさっとした髪型に無精ひげで、早瀬さんとは知り合いに見えないけど…。
「大丈夫か?あいつに何かされたのか?」
男性が僕を後ろにかばってくれた。
良い人?
「なにもしていない。運命の番だ」
男性が目を見開いて驚いている。
「お断りします!」
僕はきっぱりと答え、男性の後ろにピッタリくっついた。
運命の番が変態だなんて…。
「……あぁ…なんだ、まぁとりあえず今日のところは諦めろ、早瀬。ほら、書類だ」
男性が早瀬さんに紙の束を渡すと、一階を押してエレベーターを閉めた。
書類を手にした早瀬さんが苦い顔をしてドアが閉まり消えていった。
「…大丈夫か?」
男性が腰にしがみつく僕を振り返った。
僕は、ほぅと一息ついた。
良かった、とりあえず捕まらなくて。
「ありがとうございました」
腕を離して、改めて向き合う。
見上げないとならないくらいに大きい。
「えっと、とりあえず送ってくぜ。俺は佐藤。あいつの仕事仲間で友人なんだが…」
「僕は、石川です。さっき早瀬さんにあって…たぶん運命の番なんですけど……ホテルのあの人の部屋に別の男性がとんでもない格好で居て……あの人は変態なんですか!」
思わず佐藤さんに詰め寄る。
佐藤さんは一歩下がって両手を胸まであげた。
「まぁ…なんつーか否定しないぜ…ちょっと普通じゃない性的嗜好はあると思うぜ…ただ嫌がる相手に何かしたりする事はないと思うぜ…優秀ではあるし…」
やっぱり変態なのか…。
これは二度と会わないようにしよう…
しきりに申し訳ねぇという佐藤さんのワゴンで家まで送ってもらった。
「これ、俺の連絡先だ。何か困ったことがあったら何時でも連絡してくれ」
佐藤さんに名刺を貰った。
「ありがとうございました」
佐藤さんはとっても話しやすいおじさんだった。
佐藤さんに会ってなかったら早瀬さんのこと通報してたかもしれない…。
部屋に帰って改めて今日の事を考えてみた。
運命の番
まさかの変態…。
わ、忘れよう。別に運命だからって番にならないといけないわけじゃない。
早瀬さんは、赤いロープに縛られた恋人…多分βの30歳くらいの男性がいるわけだし…
何だか不思議といらっとする…何だこの気持ち…
気のせい!
絶対に気のせい!
あの変態と出会って3日後。
うちに変態からスマホが送られてきた。
ちゃんと契約されているやつだ。
その日から毎日、朝昼晩と3回メールが来る。
おはよう千歳くん
今日は、いい天気だね。
私は今日は、仕事で新宿だ…
なんちゃらかんちゃら…
こんにちは、千歳くん
今日は、私はランチミーティングがある。
君は食べ物は何が好きだい?
一緒に食事に行くならレストランとカフェどっちが良い?
それとも私が軽食を作るから、ドライブなんてどうだい?
こんばんは、千歳くん
今日の仕事はどうだった?
職場の人たちはどんな人がいるんだい?素敵な人がいるなら、ちょっと妬けてしまうよ。
なんかそんな感じで、毎日きっちりメールが届いて…
時々、どうしてわかったのかと思うくらい、好みのパーカーとかシューズが届いて、メッセージには君に似合うと思ってとか書いてあって……
「僕、恋愛とかしたこと無いからほだされちゃいそうでぇえ!!」
あれから友達になった佐藤さんに焼き肉をご馳走になりながら、話を聞いてもらっている。
佐藤さんはとても面倒見の良い頼れる兄貴って感じで、この人が運命の番だったなら、こんな葛藤なかったのにと思う。
「あいつ、千歳に本気なんだな。あいつが今まで呼び出し以外のメールしてる所なんてみたことねぇ」
佐藤さんが僕のお皿にせっせと焼けたカルビを入れてくれている。
ネギ塩カルビ最高。
「……そうなんですか…」
「あぁ…千歳があんな破綻した男と付き合うのは嫌だが……あいつ今までの怪しい付き合いの人間全部切ってたし、本気は本気らしい…」
それは嬉しい情報なのかそうでないのか…ただ悪い気はしないのが正直な感想かも。
「でも、まぁアイツはすすめねぇけどな、おんなじおっさんなら俺はどうだ?」
佐藤さんが僕にクッパをとりわけながら言った。
「ホントにもう、佐藤さんが運命の番だったらよかったのに…」
ズズっとクッパを食べながら言った。
「やめろやい!おっさんをからかうなよ、本気にするぞ!」
「あはは」
ブブブっと変態のスマホが鳴った。
君に似合いそうなものを送っておきました。今日届くと思います。
「あっ、すいません佐藤さん。なんか今から荷物が届くみたいです。帰らなきゃ」
食べ物もう食べ終わりそうだしちょうど良いかな?
「…そうか…じゃあ帰るか…」
なぜか、しょんぼりしてる佐藤さんがかわいい。
都心の夜景を見ながら、美味しいご飯に舌鼓をうち、デザートまで頂いた。
これからまだ仕事があるという兄さんにタクシー代を握らされ、レストランを後にした。
「……ふぅ」
お腹いっぱいで苦しいくらいだ。
下へ向かうエレベーターに乗り込んでお腹を擦った。
ぽっこりしてる。
ポーン
下につくまえにエレベーターが止まった。
誰か乗ってくるみたいだ。
ゆっくりと扉が開いて、そこには一人の男性が立っていた。
背が高く、長い手足と美しい立ち姿。
見るからに高級なスーツに身を包んでいる。
ノンフレームの眼鏡が彼の怜悧な美貌をより冷たく見せている。
誰が見てもαと分かる美しい大人の男。
ドアが開いて目が合った僕らは固まった。
ドクン
心臓がうるさく暴れている。
「……君は…」
彼が何かつぶやいたときに、エレベーターのドアが閉まろうとした。
彼の手がドンと強くドアを抑えて、もう一方の長い手が、僕の手を掴みエレベーターから引っ張り出した。
勢い余った僕は彼の胸に飛び込んだ。
何だかとてもいい匂いがする、スッキリとした目の覚めるような……
これは、彼の香水?
それとも
これが運命の番の匂いなのだろうか?
まさか都市伝説のように言われている運命の番に出会うとは思わなかった…。
「君も気がつきましたか?」
彼が僕の耳元につぶやいた。
ゾクゾクする。
「…あっ…あの……」
「来てください。君と話がしたい」
彼がいうと、僕の手をとって歩き始めた。
彼に手をひかれてホテルの廊下を進む。
この人はどんな人なんだろうか…
運命の番に出会って、僕はこの人と番になるの?
「…入って」
彼がカードをかざしてドアを開けた。
入っていいのかなぁ、いくら運命の番だとしても、はじめてあった人とホテルの部屋に入っていいの?
話がしたいって言っていたし、まさかいきなりそんな事にならないよね…
僕は恐る恐る部屋に足を踏み入れた。
「お邪魔します…」
先に歩く彼の後についていく。
ソファにテーブル、それに奥には寝室がありそうだ。
「座って、自己紹介をしようか」
促されて、ソファに座ると向かいに彼が座った。
長い足を組んでいる姿がとても様になっている。
「私は早瀬 瑛一です。建設会社で副社長をしています」
名刺を差し出されて受けたった。
ハヤセ エイイチさんかぁ。
佐藤建設って聞いたことあるような無いような。
「君の名前は?高校生?親御さんと泊まっているの?」
ぼうっと名刺を眺めていたら聞かれた。
あっ、どうしよう名刺と持ち歩いて無いよ。
春から食品工場でΩ枠採用されて半年たったけど、ひたすら工場の中で働いているから名刺交換とかしたことない。
「えっと!僕は…石川 千歳です。春から食品工場で働いていて、今日は兄さんとご飯食べて帰るところで……」
名刺をポケットに入れてドギマギして答えた。
「そうですか…千歳君というのですか…」
ガタン
「ひゃあ!!」
突然奥の寝室から音がした。
何だか人のくぐもった声がする。
「運命の番に出会って舞い上がって…忘れてました…」
彼がそちらを向いてため息を吐いた。
一体向こうに何があるのだろう…。
気になる…。
まさか、恋人?
こんなに素敵な大人のα男性だもん恋人いるよね…
でも、なんか様子が違うような…
「まぁ、これまでの過去はちゃんと精算します。なので私とお付き合いしてくれませんか??」
過去を精算??
なにその表現…今の恋人と別れるだけの表現じゃないような……気になる…俄然扉の先が気になる!
鶴の恩返しの扉開けた男の気持ちが手に取るように分かる。
「……」
駄目!!
ガマンできない!
僕は勢い良く立ち上がって、奥の寝室に走った。
彼は驚いた顔をしたものの止めようとはしなかった。
「うわぁ!」
ドアを開けてすぐに後悔した。
ベッドには赤いロープで縛られ棒をくわえた男性が全裸で横たわっていた。
な…なにこれ……
早瀬さんって…
もしかして……変態!?
無理無理無理!!
変態は守備範囲外!!
普通がいい!
僕はそこから走って逃げ出した。
「千歳君!待ってください!」
後ろから早瀬さんの声がする。
捕まったらヤバイ!何されるの!?
怖いよぉ!!
僕はエレベーターの前に行き着いてバンバンとボタンを押す。
早く早く!!
変態に捕まっちゃう!
幸いな事にエレベーターはすぐに来た。
でも早瀬さんもすぐに来た。
「千歳君!」
僕は半分開いたドアからエレベーターに飛び込んで、乗っていた大きな男性に抱きついた。
「助けてください!!」
「うぉ!どうした……って早瀬??」
男性が僕をしっかりと抱きとめてくれたけれど、後ろを見て早瀬さんの名前を呼んだ。
うそおおお
まさかの仲間!?
ばっと顔を上げて改めて男性を見た。
作業着姿のムキムキの大柄な男性だ。もさっとした髪型に無精ひげで、早瀬さんとは知り合いに見えないけど…。
「大丈夫か?あいつに何かされたのか?」
男性が僕を後ろにかばってくれた。
良い人?
「なにもしていない。運命の番だ」
男性が目を見開いて驚いている。
「お断りします!」
僕はきっぱりと答え、男性の後ろにピッタリくっついた。
運命の番が変態だなんて…。
「……あぁ…なんだ、まぁとりあえず今日のところは諦めろ、早瀬。ほら、書類だ」
男性が早瀬さんに紙の束を渡すと、一階を押してエレベーターを閉めた。
書類を手にした早瀬さんが苦い顔をしてドアが閉まり消えていった。
「…大丈夫か?」
男性が腰にしがみつく僕を振り返った。
僕は、ほぅと一息ついた。
良かった、とりあえず捕まらなくて。
「ありがとうございました」
腕を離して、改めて向き合う。
見上げないとならないくらいに大きい。
「えっと、とりあえず送ってくぜ。俺は佐藤。あいつの仕事仲間で友人なんだが…」
「僕は、石川です。さっき早瀬さんにあって…たぶん運命の番なんですけど……ホテルのあの人の部屋に別の男性がとんでもない格好で居て……あの人は変態なんですか!」
思わず佐藤さんに詰め寄る。
佐藤さんは一歩下がって両手を胸まであげた。
「まぁ…なんつーか否定しないぜ…ちょっと普通じゃない性的嗜好はあると思うぜ…ただ嫌がる相手に何かしたりする事はないと思うぜ…優秀ではあるし…」
やっぱり変態なのか…。
これは二度と会わないようにしよう…
しきりに申し訳ねぇという佐藤さんのワゴンで家まで送ってもらった。
「これ、俺の連絡先だ。何か困ったことがあったら何時でも連絡してくれ」
佐藤さんに名刺を貰った。
「ありがとうございました」
佐藤さんはとっても話しやすいおじさんだった。
佐藤さんに会ってなかったら早瀬さんのこと通報してたかもしれない…。
部屋に帰って改めて今日の事を考えてみた。
運命の番
まさかの変態…。
わ、忘れよう。別に運命だからって番にならないといけないわけじゃない。
早瀬さんは、赤いロープに縛られた恋人…多分βの30歳くらいの男性がいるわけだし…
何だか不思議といらっとする…何だこの気持ち…
気のせい!
絶対に気のせい!
あの変態と出会って3日後。
うちに変態からスマホが送られてきた。
ちゃんと契約されているやつだ。
その日から毎日、朝昼晩と3回メールが来る。
おはよう千歳くん
今日は、いい天気だね。
私は今日は、仕事で新宿だ…
なんちゃらかんちゃら…
こんにちは、千歳くん
今日は、私はランチミーティングがある。
君は食べ物は何が好きだい?
一緒に食事に行くならレストランとカフェどっちが良い?
それとも私が軽食を作るから、ドライブなんてどうだい?
こんばんは、千歳くん
今日の仕事はどうだった?
職場の人たちはどんな人がいるんだい?素敵な人がいるなら、ちょっと妬けてしまうよ。
なんかそんな感じで、毎日きっちりメールが届いて…
時々、どうしてわかったのかと思うくらい、好みのパーカーとかシューズが届いて、メッセージには君に似合うと思ってとか書いてあって……
「僕、恋愛とかしたこと無いからほだされちゃいそうでぇえ!!」
あれから友達になった佐藤さんに焼き肉をご馳走になりながら、話を聞いてもらっている。
佐藤さんはとても面倒見の良い頼れる兄貴って感じで、この人が運命の番だったなら、こんな葛藤なかったのにと思う。
「あいつ、千歳に本気なんだな。あいつが今まで呼び出し以外のメールしてる所なんてみたことねぇ」
佐藤さんが僕のお皿にせっせと焼けたカルビを入れてくれている。
ネギ塩カルビ最高。
「……そうなんですか…」
「あぁ…千歳があんな破綻した男と付き合うのは嫌だが……あいつ今までの怪しい付き合いの人間全部切ってたし、本気は本気らしい…」
それは嬉しい情報なのかそうでないのか…ただ悪い気はしないのが正直な感想かも。
「でも、まぁアイツはすすめねぇけどな、おんなじおっさんなら俺はどうだ?」
佐藤さんが僕にクッパをとりわけながら言った。
「ホントにもう、佐藤さんが運命の番だったらよかったのに…」
ズズっとクッパを食べながら言った。
「やめろやい!おっさんをからかうなよ、本気にするぞ!」
「あはは」
ブブブっと変態のスマホが鳴った。
君に似合いそうなものを送っておきました。今日届くと思います。
「あっ、すいません佐藤さん。なんか今から荷物が届くみたいです。帰らなきゃ」
食べ物もう食べ終わりそうだしちょうど良いかな?
「…そうか…じゃあ帰るか…」
なぜか、しょんぼりしてる佐藤さんがかわいい。
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