我が為に生きるもの

いんげん

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選ばれる華

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なんだか頭のはっきりしない時間が多い気がする。
いつも凄くお腹が空いていて…。
一日の中で記憶がはっきりしない時間が増えている。

でも意外と体調は悪くない。


今日も夜になって、蜜が欲しくなった。
そしたら、おおきな華が僕を連れ出してくれた。

あぁ、ここは僕のお屋敷だ。
僕の華が住んでいる所。
「さぁ、おいで。あさひ。待っていたよ、私も煌一も」
迎えてくてた色素の薄い髪の華が、僕を抱き上げ歩き出した。
後ろからおおきな華もついてくる。

「煌一君はどうですか?」
「段々と理性が薄れてきているよ。あさひのことを求めて暴れているから、今は伊織の地下室に吊し上げた。あさひの様子は?」
横抱きにされて歩かれると顔の近くで蜜の匂いがして、吸いたくて堪らない。

「あれ以来、煌一君の蜜を吸っていないからか、体調は悪くなさそうだが、蝶の本能に支配されて、起きている間は蜜を求めている」
「僕お腹空いた…」
僕を抱く華の着物を握り彼を見上げた。
華は僕を見つめ満足そうに微笑んだ。

「待ってて、あさひ。今からあげるからね。ついでに、あさひの蜜も頂戴ね」
「良いよ」
「では、深澤中佐ここまででいいですよ」

僕を抱く華が、大きな華に言った。
大きな華は何か言いたそうな顔をしている。

「……はい」





連れて来られたのは、見たことの無い部屋だった。
下は石の作りで木で出来た牢屋や、鉄の鎖がぶら下がっている。
そこで、華の腕の中から開放された。

そしてよく見ると、僕の華も腕を鎖に繋がれて吊るされていた。

「っ!!」
「あさひ!?」
彼が僕に気がついて、鎖を揺らして動き出した。
部屋にガシャガシャと音が響く。

僕は彼に駆け寄ろうとして、抱いて来てくれた華に止められた。

「あさひ、だめだよ。彼は今、病気なんだ。だから……君の蜜で治してあげないと…」

「おい!朔夜!なんでソイツを連れてきた!?出ていけ!!くそぉ!!俺が正気なうちに!」

鎖に繋がれた華が大きく暴れて叫んでいる。
吊るされた手首から血が滴って、蜜のようでクラクラする。

飲みたい。
僕は彼の方に手を伸ばす。

「ちょうだい」

「っ?!……あさひ??」
彼の動きが止まった。僕を心配そうに見ている。

「あさひは煌一の蜜で、少しおかしくなっていて、蝶の本能が強く出て来ているんだよ。大丈夫。他の汚染されてない華の蜜で治るよ。それに、そのおかげで煌一の治療も出来そうだしね」

「どういうことだ……」
吊るされ蝶の顔が怖い。
僕と僕の後ろの蝶を睨んでいる。

「特別な蝶には蜜があるんだって、それを摂取すれば治る可能性が高い。あさひのお尻から出るんだって、ね、あさひ」

後ろの華に聞かれて、コクンと頷いた。

この繋がれている華は病気なんだ…
治してあげないと…。

僕の大事な華なんだから。

「じゃあ私があさひに蜜をあげるから、煌一があさひの蜜を啜りなよ」
「っふざけるな……」
吊るされた華が再び暴れてはじめた。

「このまま正気を失って、あさひを殺してもいいの?」
「……くそおお!!」

後ろの華が僕を拘束したまま、壁に繋がっている鎖をいじる。
するとジャラジャラと音がして吊るされた華が、腕は鎖に繋がった手錠に拘束されたまま、床に崩れ落ちた。

僕を拘束する華が、僕を抱いたまま、ゆっくりと彼の前に寝転んだ。
その上に僕が寝そべる。

すると僕の股間に彼の立ち上がり始めているものが潰される。

「さぁ…あさひ、私の蜜を吸っていいよ」
華が着物を開いて痣を露出させた。
僕はお腹が空いていたので、すぐにそこに口を寄せた。

「…っく……あぁ……いい…いいよ…あさひ」
この華の痣は傷がついていて、上手に強く吸わないといっぺんに、たくさん吸えない。

ごくごくごく

「あさひ!!たくさん飲んで!あぁ!うぅ……お腹いっぱいにするんだよっ……く……」

芳醇な蜜が美味しい。
クラクラしそう。


ごくごく

華のペニスが僕の体に潰されている。

「あぁ…あさひ……うっ…私の可愛い蝶……あっ…く…」

ごくごく

僕の股間の下が湿ってきた。
潰されている硬いペニスがビクビクして苦しんでいる。

僕は頑張ってお尻を上げてあげた。

ごくごく

「うああっ……く…あさひ……」
僕がお尻を上げて開放された華のペニスが、立ち上がって精液を撒き散らす。独特の匂いが充満する。

「……」
突然後ろから…着物をめくられた。
手錠のかかってるいる華が僕のお尻を剥き出しにした。
そして僕のお尻に顔を寄せた。

「ひゃあ!んん」
お尻の穴を舐められて、はじめての感覚に驚いて悲鳴をあげる。
「あさひ…ちゃんと吸い続けて」
下にしている華に頭を引き寄せられて再び蜜を吸い上げる。
「…んん…あさひ……」

くちゅ くちゅ

僕のお尻で後ろの華の舌が動き回っている。
ひだをめくりあげ、媚肉を舐め回す。

「あぁ!!やぁ…んん」
蜜を吸っていたいけど、声が出てしまう。
たっぷりの唾液でほぐされ、貪るように舌が入ってくる。

「あさひっ…吸って…」
「んぁ…んん…あぁ…ぅ」
声を我慢しながら、下になっている華の蜜を懸命に吸う。
でも後ろが気になって、つい歯を立ててしまい、華が息を飲んでいる。

下にいる華の性器と、僕の性器がぶつかりあって、擦れあって…気持ちいい。
お互いの精液で下半身はぐちょぐちょだ。

「あぁ…僕……出ちゃう…んん」
華の舌が僕の蜜壺に行き当たった。
弾けるように蜜が溢れる。

下の華が腰を突き上げて僕を追い詰める。

だめっ!
ペニスもお尻もぱんぱんで……

「やああぁ!!煌一!!煌一!」

僕は叫びながらペニスから射精し、後ろから蜜を溢れさせた。
下の華の精液も吹き出している。

熱い


「っく……ん…あさひ……」
後ろの煌一が僕の蜜を吸っている。
その刺激は快感というには、あまりに甘い。
とろけるような心地だ。

「ふぁ…いやぁ……やぁ…ひ……こう…ち…」
トロトロといつまでも射精が続いている。

そうだ、煌一だよ…。

僕の華

僕の大好きな人…。



「……あさひ……」
煌一が僕のお尻から口を離した。
僕は起き上がって、煌一に抱きついた。

「…ずっと心配してたんだよ……」
自分がとんでもない格好をしている自覚はある。
でも、それでも煌一が無事なのを確かめるように、煌一の胸に顔を押し付けて鼓動を聞く。

鎖で繋がれた煌一の腕が僕らの間で邪魔をしている。

「……あさひが選ぶのは、煌一なのか…」



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