我が為に生きるもの

いんげん

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伊織 病んだ蝶の心

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私は産まれた時から自分の体が大嫌いだった。

私は華だ。
他の一族の男たちと同じ華なんだ。

でも、周りのやつらは私を蝶として扱った。
キヨ様以来の、貴重な蝶だと……

許せない、どいつも、こいつも蝶扱いしやがって。

でも奴らに蝶として命令することで従えることは出来るけれど、華としての実力は、私は上の下。

優秀な者が多い帝都の一族としては……所詮、蝶になるしかなかった。

蝶なんてくそくらいだ。

なんで存在しなければならない?
華だけで十分だ。

私は、もうすぐ蜜を吸わないとならない。

生きるための食事として、ただ華としての機能も有るせいか食事を受け付けないわけじゃない。

できるだけ、吸いたくない。
同じ華の蜜を吸うなんて気持ち悪い。

「あたらしく仲間になる、蝶のあさひだよ」

「……あさひ」

「同じ蝶として面倒みてあげてください」

はじめてキヨ様に紹介された赤子のあさひ。

これが、蝶。

本物の…純粋な蝶

なんて繊細で可愛い

まがい物の私とは大違いだ。

可愛い。愛しい。
守ってあげないと。

糞汚いあの華たちから、私が守らないと。

この子は綺麗な蝶、おぞましい華たちの欲望で汚したらいけない


この子に似合うのは、私が認めた最高の華だけだ。
美しく、強く、あさひの為に生きる華。
それ以外は全員排除する。
私ならできる。

「いい?私が汚いものから守ってあげるからね」

赤子のあさひの頭を撫でた、心が浄化される。
いつも降り積もり腐っている泥のような感情が霧散した。
なんて清らかで、可愛い、あさひ。



大きくなっても、あさひは可愛かった。
清らかで優しくて繊細な蝶。
爛れた私とは大違いだ。

私は華として生きられない鬱憤を、同じ華にぶつけた。
彼らの蝶として君臨した。

「ねぇ、私、華の肌には触りたくないから絞ってよ。ほら、グラスだよ」
従順な華にグラスを配らせた。

私が作らせた地下室には、たくさんの道具や器具がある。もちろん牢屋も。

今日は蜜のテイスティングの為に灰を食べて来させた華を五人、天井から吊した。

ギリギリつま先がつくかどうかの高さで吊している。

屈強な華にとっては何でも無いことだけど、灰を食べて熱がこもりすぎた華たちは苦しそうに悶えている。

その足下にグラスを置いた。
倒れたら割れるほど繊細なワイングラスだ。
吊された体で、足下に置かれたグラスに蜜を注ぐ。

「どうしたの?できないの?」

出来ないと分かっているからやらせる。

「一番沢山グラスに入れられた奴の蜜をすってあげる。それと、汚い精液を出さなかった奴に入れさせてあげる」
吊された華の前のソファに寛いで眺める。
みんな、すでにペニスは完全に勃起している。
痣から垂れる蜜はダラダラと胸から下腹部に走って行く。

「長い時間付き合いたくないんだよね、さっさとやりなよ」
「伊織様!私が、一番あなたの期待に応えます!」
古株の壮年の華が懸命に体をよじり、グラスに蜜を垂らそうとする。

「そう?がんばりな」
「いえ!俺が!!」
皆がそろって屈強な体を馬鹿みたいに、必死にくねらせている。
なんて可哀想な生き物なんだ、可愛いあさひとは大違い。

あぁ…あさひ…可愛いあさひ。

昨日は初めて煌一の蜜を吸っていた。
私の蝶としての働きを評価している朔夜が、覗かれているのを黙認していた。

必死に煌一の痣に吸い付く、可愛いあさひの唇。
しがみつく手。
あぁ……堪らない…。
私は、着物の前をくつろげて、ペニスをしごき始めた。

「あっ……あさひ……あぁあ!可愛い……入れたい……吸わせたい……ああぁ…」

私の自慰を凝視している華たちが、そろって汚いペニスから精液を飛ばしはじめた。
あぁ、なんて醜悪。
今日はこのまま放置しよう。

「あっ……あぁん……あさひのペニスに触りたい……あっ…うぅ……」
私のペニスが反り返る。
あさひを思うと直ぐにペニスが精を吐く。
もう出そうだ

「伊織さまぁ!!ぐうっ!どうか!慈悲を!」
「伊織様!!」
せっかく、あさひの妄想に浸っていたのに、ガチャガチャと鎖の音がうるさい。
お仕置きが必要だ。

私は、自分のペニスを勃起させたまま歩いた。
華の前に立ち指を舐めて、一人の華の痣を爪を立てて引っ掻いた。

「ぐああああ!!伊織さまぁ!!うがあ!」
華がのけぞって悶え、射精する。
汚い汁がかかった。
なんて犬だ。

私は近くに転がっていたペニス型の張りごてを握り、華のペニスを擦った。

「伊織様!!あああ!」
濡れそぼった張りごてを隣の華の尻に当てる。

あぁ…あさひに挿入したい。
私のペニスを入れたい。

「伊織様…おやめください……あっ…ぐあああ!」
強く抵抗され進まない張りごて、仕方なくそいつの蜜を強く吸い上げた。

「うがああああ!!あっあっうっうう」
一気に弛緩した尻にそれを突っ込んだ。
華が大量に射精する。ドクドクといつまでも吹き出す。

汚いから、そいつから離れる。

「伊織様…」
壮年の華の前で止まり、下のグラスを蹴って割った。

「伊織様!!」


「あぁ…飽きちゃたなぁ。あさひの所に行こう」
私は着物を整えて、一番端にいた華の蜜を一口だけ吸った。

「あああっあっううう!!伊織さまぁあ!」
そいつも精液を吹き上げた。
まだまだ全員勃ちあがっている。

「あさひが私と遊んでくれたら、あとで吸ってあげるよ。それまで、これ以上汚すなよ」

私は地下室を後にして、あさひの所へ向かった。

あぁ、会いたい。
綺麗で可愛い、あさひに会いたい。

いつか……どんな扱いを受けてもいいから、あの犬どものように一口でも、あさひが吸ってくれたら……。

あさひ……どんな汚いことでもするから、私を華として認めて欲しい…

あさひ



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