我が為に生きるもの

いんげん

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伊織の秘密

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今日は伊織さんに呼び出されて、彼の部屋へ向かっている。
足取りは重い。

数日前に怒らせてしまったから……。

煌一は今日も仕事に向かい、朔夜兄さんも華の異変について深澤中佐と調べに出ていった。



何と言われても伊織さんに、煌一は渡せない。

「伊織さん、よろしいですか?」
「……良いよ」
伊織さんの返答を聞いて、襖を開けた。

伊織さんの部屋は、赤い絨毯が敷かれ、大きなベッドが置いてある、それ以外は必要最低限のものしか置かれておらず、広い部屋は意外と、がらんとしている。

「いらっしゃい、あさひ」
「……お邪魔します」
伊織さんはベッドに寝そべって肘枕でこちらを見ている。

「…あの先日はすみませんでした」
僕はベッドの近くまできて頭を下げた。

「どうして謝るの?よく考えれば……まぁ蝶なんだから自分の華を主張するのは悪くない事だと思うよ」
「…はい」
僕が一方的に好きで、煌一は華蝶の契約だと思っているけど。

「ねぇ、あさひもやっと蝶らしくなったって事なら、お願いがあるんだ」
伊織さんが体を起こす。
波打つ長い髪がサラサラと流れる。

「……なんでしょうか?」
伊織さんのお願いと聞いただけで、身構えてしまうのは失礼な話だろうか。
でも、嫌な予感しかしない。

「蜜を吸ってあげて欲しい華がいるんだ。その華も今まで一度も蜜を吸われた事がない不幸な華だよ。」
「……」
「えー駄目なの?蝶としてやる気になったんでしょう?」
伊織さんがベッドから降りて、正面に立ち耳元で囁く。
わざと息をかけてきて擽ったい。

「どうして私が吸わないのかって思っている?」
「……それは…」
思っていないわけじゃ無いけど、伊織さんが普段相手にしている華の数を考えれば、僕にお願いされても……本当なら文句が言えない。

「……うちの一族の人なんですか?」
うちの一族に蜜を吸ってもらっていない華は、まだ子供の華だけだと思うけど。

「あぁ、うちの華だよ。今まで一部の華以外には隠されて来た華。私には吸ってあげられない理由があるんだ。だからお願い、あさひ。その華の相手をしてくれるなら、煌一にも手を出さないし、あさひの事に口を出したりしないよ。本当に困っているんだ」

伊織さんが僕の前に跪く。

伊織さんは蝶にしては背も高いし細めだけどしっかりした体なので、跪いても顔が近い。

伊織さんが、僕にこんなにお願いをするほどの事なら、助けてあげるのが同じ蝶として当たり前の事だろう……でも正直に言って怖い。

隠された華なんて知らないし……どんな人物かわからないような華の蜜を吸うなんて、はい分かりましたと言えない。

「お願いだよ、あさひ」
「……あの…一度合わせてくれませんか?」
まずは会ってみたい、そしたらこの恐怖心も少しは薄れて…吸えるかもしれない。

「……その必要は無いよ」
伊織さんの腕が僕の腰に巻き付く。

「え!?」
「今、目の前に居るでしょう?」

この部屋には今、伊織さんと僕しか居ない。
もしかして既に誰かここに居るの?

恐怖に駆られて部屋を見渡す。
誰も居ない。
まさか見えない人物だなんて言わないよね!?

「私だよ……」
「えっ!?なんの冗談ですか?伊織さんは蝶じゃないですか!」
僕はからかわれたのだろうか?
酷いこんな嫌がらせ。

「冗談じゃないよ。私は蝶であり、華なんだ」
伊織さんが僕の腰から腕を外し立ち上がった。
着物の帯をシュルっと解いて、床に捨てた。
ゆっくりと着物を開く。

伊織さんの体は、近郊の取れた薄い筋肉で覆われ、長い手足が伸びている。
僕の頼りない体と違って男性の性を感じる美しい体だ。
でも、あるはずの無いものが有る。

「っ!?」
左の鎖骨の下に、華の痣。

華の痣が有る。

伊織さんは蝶なのに!?

僕はパニックで動けない。

伊織さんは、着物を脱ぎ捨て、僕をベッドに横たえた。

「私は産まれた時から、華であり蝶だった。」
僕の上に覆いかぶさる伊織さん。

「周りは私に蝶で有ることを求めたし、華の気持ちが分かるから、あいつらの蜜を吸ってやった!!だけど、私は……私は華だ!!自分をどう誤魔化しても、私は華で有りたい!」

伊織さんの目から涙が流れ降ってきた。

「私は、あさひに蜜を吸われたいんだ!!ずっとそう思っていた。でも、華として中途半端な俺は煌一に敵わない。だから諦めていた。他の愚図な華が、あさひに触らないように、私が相手をした!でも、あさひは煌一以外の華も相手にするなら、私も吸ってくれよ!!もしかしたら私がお前の運命かもしれないだろ!!」

「……伊織さん」

「頼むよ!!私は華だ!!あさひの為に蝶であってもいい、でも私も、あさひの華にしてくれ!」

涙と共に伊織さんの蜜が、ポトポトと落ちて僕の胸を赤く染める。

伊織さんが、こんな悩みを抱えていたなんて……。

胸が痛い。彼の慟哭が心臓に刺さる。

僕が考え無しに生きている間、伊織さんはこんなに苦しんでいたなんて……。

「あさひの為に蝶になれるのは私だけだろ……私を飼ってくれよ」
「伊織さん……」
僕の顔の横についている腕が震えている。

僕は伊織さんの頭を抱き寄せた。
ギュッと抱きしめる。
あぁ、伊織さんって僕が思っていたよりも、ずっと逞しい。

「……あさひ?」
「伊織さんの蜜吸わせてください」

断れない。
伊織さんの、このお願いは断れない。

今まで彼が僕の為に華の蜜を吸ってくれていたというなら、断る訳にはいかない。

僕は伊織さんの痣に唇を寄せていく。
ペロリと舐めた。

「あっん……ああ…いあぁ!」
伊織さんが高い声を上げて喘ぐ。
伊織さんの蜜は、はちみつみたい。甘いのに喉を通る時はすこし刺激がある。

トロトロと滲む蜜をペロペロとなめる。

「あぁあ……あん!……気持ちいい!あさひ……気持ちいいよ!」
今までの華の三人とは違って、力を与えられるような蜜ではなく、なんだか癒やされるような蜜だ。
飲みやすい。
つい舌で何度もすって舐める。

「…ん…っう…」
「だめ……あさひ……良すぎる……もう逝きそう……あぁ…あん……」
伊織さんの綺麗なペニスは触って居ないけど、完全に勃って反り返っている。
ひくひくと頭が震えている。
美味しい、蜂蜜美味しい。

「あん……たまらない……気持ちいい……アイツら……ああぁ……こんな快楽……ずるい……うぅああ!こんど絶対……なぶってやる……ああん!」
伊織さんが綺麗な顔を快楽に歪ませて怖い事を言っている。

僕は舐めるのをやめて、ちゅくちゅくと吸い始める。

「やあああ!!やぁあ!あああん……なにコレ……酷い……ああぁ…」
よがる伊織さんの髪が僕の顔や体について、くすぐったい。
伊織さんの綺麗なペニスからドクドクと精液が飛び出す。

「うそだろ!……ああ…うぁああ……止まらない!気持ちいい……あん……あぁう……ずるい……こんな……気持ちいい……ただの華が……許せない……あぅ!!ああああ」

僕は一生懸命コクコクと吸って蜜を飲み込む。
おいしい。体にやさしい。
お腹が、ほこほこする。

伊織さんの性器は衰える事無く立ち上がっている。

「…あぁ…最高……あん……いい……いい……こんなの逆らえるはずないっ……あの糞たち……あぁ……くそぉ……いい!!」
「ん……ふぅ……あ……」

僕が吸う度に伊織さんが歯を食いしばって精液を吐きだす。
伊織さんは他の華に怒りながら、よがっている。
華であり蝶であるために複雑なのだろう。

「あぁ……でる……うっ……何度も…ああ!……もう……絶対入れさせない……こんなの……ずるい……いい……ああん!」
「ちゅっ……ん……うぅ…ん」
伊織さんの精液で僕のお腹がビショビショになっている。
僕のおへその下で伊織さんが腰を振る。
ぐちょぐちょと音がして恥ずかしい。

「いあぁ……入れたい……突っ込みたい……あさひにはめたい……いい…んん!!」
「いやぁ…」
それは駄目。
それは……だめだよ

「わかってるっ……あぁ!!でも……あぁぁん……止まらない腰が……でてる!……なんど逝っても……あああ……こんなに……いい!!」
伊織さんはもう泣きながら、よがり腰を振っている。
今まで蝶としてあんなに華に君臨していたのに……。

「はぁ…はぁ……あさひ!あさひ!!私の蝶!吸って!もっと強く!!めちゃくちゃにして!」
「伊織さん……ふっ……ん」
僕は、伊織さんの痣に強く吸い付き、蜜を吸い出そうとした

しかし、他の三人と違って、伊織さんは柔らかい肌をしていたので……

がぶっと噛んでしまった。

「ひゃああああ!!んん!!あああぁ!!いぐぅぅ!!」
伊織さんが舌をだして、叫び逝った。

「いく!いくぅ!びゅるびゅるでてるぅ!!」
伊織さんのペニスから精液が尿みたいに噴き出す。
止まらない。

「あさひ!!もっと噛んで!!噛んで!」
求められ、躊躇いながらも伊織さんの痣を噛んだ。

「ぎゃああ!!あさひ!!あああ!!ぐぅうう……見て!馬鹿みたいに逝ってる私を見て!!」
伊織さんが起き上がり、僕の膝あたりで膝立ちになった。
「精液!私のしるがぁ!!だめだ…はぁはぁ……ぐあああ」
伊織さんのペニスから、ちょろちょろと精液が出続けた。



「……あぁ…はぁ…はぁ……」
やがて精液の放出がとまった。

僕はもう伊織さんの精液でぐしょ濡れになって居る。
伊織さんが息を切らして僕を見下ろす。

「あぁ……快楽に殺されるかと思った……こんな天国あじわってるのか、あの犬ども……許せない……」
「伊織さん……」
また怖い事を言っている。

「あさひ……私の蝶。私はあさひの華で、蝶だよ。あさひの為ならなんでもするよ……だから……私も飼ってね……他の華には出来ないことも私なら出来るよ」
「えっ?」
「煌一とやる時は呼んでよ、私があさひの後ろを解して雌にしてあげる」
僕はブンブンと首を振った。

きっとそんな日は来ないけど、遠慮します。







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