我が為に生きるもの

いんげん

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男と屋敷に到着したら、門の前には煌一が立っていた。

スーツ姿で怖い顔をして、此方を睨んでいる。
仕事帰りだったのか、白川さんの乗る車が走り去って行った。

「そいつを渡せ」
不機嫌を顕に、煌一が僕を抱く男の人に手を伸ばした。

「おいおい、そんな怖い顔するなよ。保護して来ただけだぜ」
僕は男の腕の中から、煌一のもとへと移された。

嗅ぎ慣れた匂いに胸に安心感が広がる。
さっきよりも頭痛が治まってきた。

「何があった」

「このちょうちょ様の車が立ち往生してたときに、灰が現れて影響を受けた。蜜で癒やしてやれよ」

「…お前、何者だ」
煌一が訝しげに尋ねた。

おそらく、同じ華だとは分かっていると思う。
あの侵入者の男の事もあり、煌一の警戒心は高まっている。
今にも攻撃をしそうな勢いだ。

「そんなに警戒しないでくれよ、ただの野良の華だ。今は人間の軍で灰を倒している」

男がひらひらと腕を振る。へへへと笑っている様子は恐ろしい華には見えない。
どことなく人好きするような……。

「…あの…」
僕が動くと、煌一が強く抱き直す。

「ん?」
男に優しい笑顔を向けられた。

「…助けてくれて……ありがとうございました」
僕がお礼を言うと、なぜか彼は驚いた顔でみている。
僕なにか変だったかな?

「お…おう。どういたしまして…ちょうちょ様に礼を言われるなんて初めてだ…」

「俺は、帝都の華蝶の皆藤 煌一だ。こいつを助けてくれた礼はする」
煌一の言葉に、僕は安堵した。

よかった。
二人が争いになったりしないで。

「良いってことよ。今は人間の軍人として当たり前のことをしただけだからな。俺は深澤 弾だ、また会うかもしれないし、よろしくな」

「あの…、僕は…」
「じゃあな、ちょうちょ様」

僕は自己紹介をしようとしたけれど、間に合わずに深澤さんは行ってしまった。

「それで……お前は何でこんなに遅くなっているんだ……」

「……ごめんなさい…」

「待ってろ、お前を置いたら狩ってくる。」



着物に着替えて部屋で横になると、体への負担からか、いつの間にか眠りについていた。
誰かが部屋に入ってくる音で目が覚めた。

「……おい、起きられるか」
「おかえり、煌一。……ごめんね…」
「これに懲りたら出歩くな。」

煌一が枕元に胡座をかいて座り込むと、僕を引き起こして胸に抱いた。

わざわざ、僕の為に灰を狩りに行ってくれたんだ。

申し訳ない。

本当は常に華の誰かが居る、この屋敷に居れば安全で迷惑もかからない。
きっとその方がいい。

「さっさと飲め」
煌一がシャツの前を開くと痣が露出した。
痣からは蜜が滲んでいる。

そっと顔を近づけて、蜜を舐める。

「…ん……」
「っく!」

伊織さんの異様な蜜の搾取を思い出した。
酷い。
あんな吸い方、考えられない。

でも、蝶としては、沢山の華の願いに応える伊織さんの方が、皆の為なのだろう…。

蝶の数が足りていないのだから……。
そうあるべきなのかも知れない。

でも、僕は、煌一が良いと思うのは我がままなのかな?
朔夜兄さんは特別な人だから大丈夫だけど。

「僕……煌一の蜜が良い」
「あぁ!?お前何言い出すんだ、馬鹿」

僕の肩を掴む煌一の手に力がかかる。
ペロペロと煌一の蜜を舐めながら改めて考える。

「……ふ……ん…だって…他の人は嫌だから……」
「っくそ!」

でも、僕は煌一が良いと思っているけれど、煌一にとっては、他に蝶が居ないから仕方なく僕に吸わせているだけだろう。

本当は伊織さんのような色気もある大人の蝶がいいのかもしれない。

煌一の甘くて美味しい蜜。

その力が体に行き渡って、頭痛も消えてくる。
だるさや気持ち悪さも消えた。
不思議だな。食事にも薬にもなるなんて。

煌一の逞しい胸に手を置いて必死に蜜を吸う。

「…あっ……んく…」
「…うっ」
煌一の性器が勃ち上がっている。
ズボンを圧迫していて痛そうだ。

僕は、体が弱かったせいか、あまり今までこういう衝動がなかった。

2年前くらいに朝、下着が濡れていた時は、まだ性器から出てくるものが毒だと思っていたので泣いてしまった。

直ぐに隣の部屋に駆け込んで

「煌一!どうしよう、僕のからも毒が出てきちゃったよ!!」

と言ってしまったことは、今でも顔から火が出そうなほど恥ずかしい思い出だ。

あの時の煌一の顔は、朝から馬鹿な事で起こされた怒りで恐ろしかった。

煌一に教えられて、慰めることを覚えたけれど、殆どやっていない。

「ん…ふ……甘い……」
唇と舌でくちゅくちゅと吸う。
沢山甘い蜜が出てくる。

「……うぅ……くっ…」

立ち上がる煌一の物が布越しに僕の股間を圧迫する。

あれ?余計な事を考えていたせいか…僕のモノまで反応をし始めた。

どうしよう煌一にばれたら気持ち悪いって思われるよね……。
嫌だ……。

僕は煌一にバレないように腰を引く。

「…おい…逃げるな…」

グッと腰を引き寄せられて、僕の着物がはだけてピンと勃った性器が覗く。
煌一のズボンの下の勃ったものと、僕の性器が触れあう。

僕は、恥ずかしくて必死に着物を掴んで性器を隠そうとするけれど、その手を煌一に捉えられた。

「……離して…煌一」
「黙って吸ってろ」

顔を離して抗議をしたけれど、もう一方の手で頭をおさえられた。
目の前に美味し蜜が滲んでいる。
本能的に口をつけて吸い出す。

「……くっ!!」
「…ん…あぁ!……ん…あっ…」

煌一の手が僕の性器を掴み、擦りはじめた。
美味しくて、気持ちよくて、頭がぼーっとしてくる。

「……ん…ちゅっ……あぁ!んん!」
ちゅくちゅくと蜜を吸う。煌一の手は止まらず、僕のペニスが濡れはじめる。

煌一の手が零れた蜜を手に取り、僕のペニスに塗った。
途端にズクンとペニスが跳ねた。

「やああ!ふぅっ……こ…いち…駄目……変だよ…離して!!」

僕は痣から顔を離してイヤイヤと首を振る。

煌一は怖い顔で僕を見下ろし、流れた蜜を再びすくって、僕のペニスをしごいた。

僕のペニスが怖いくらいに腫れて立ち上がっている。

「ひゃああ!!あぁ!!煌一!やああ!」
今まで感じた事のない強い快感に逃げ出したくなった。
煌一の胸に手を突っ張り、体を離そうとしたけれど逃げられない。

ペニスに蜜を塗り込む様に上下される。
怖いくらいの快感から逃げられない!

「やめてっ…もうやぁ……離してよぉ!」

気持ちいい
でも刺激が強すぎて耐えられない!
もうやめてっ!

「あっう……ひゃあ!!」
「……あさひ…」
高まる射精感に追いかけられて逃げ場がない。

こんなに気持ちいいのはじめてで、怖い!

「あっ……やだぁ……あぁ…あっ!でちゃうっ!!」
煌一の手が僕の尿道をクリクリと刺激し手を僕の着物に入れ、乳首に蜜を塗る。

「いやぁああ!!」
腰が動いちゃう。

煌一のものに擦るように、動いて止まらないよぉ!!
やだ、恥ずかしい!

いつか見た腰をふる犬みたいだ。
こんなの軽蔑されちゃうよ!

「あっ、うぅ……見ないで!見ちゃだめぇ!」

煌一は相変わらず睨むように怖い顔をしてる。
きっと僕を気持ち悪いと思ってるんだ。
涙が出てくる。

「あっ…あっ…うぅ…ふぇ…」


煌一に乳首を捏ね回されて、ペニスを勃たせ、腰を動かして煌一のズボン越しの性器にこすりつける。

煌一のズボンが中と外からぐちょぐちょになっている。

煌一がズボンからペニスを取り出すと、飛び出して僕のものと直にぶつかりグチャっと滑った。

「…くそっ…っう…く…」
「いああぁあ!」
僕のペニスから精液が吹き出した。

僕は我慢できない快感に悶え、目の前の煌一の痣に、強く吸い付いた。
勢いよくコクコクと、飲む。

「ぐぁあっ!!……あっ……っく」
煌一のペニスがグッと立ち上がり、大量の精液を吐き出した。
ビクビクと震えて後から後からたれてくる。
いつもは不味くて嫌いだけど、今は無性に飲みたくて、煌一のペニスにしゃぶりついた。

「あさひ!!」
必死になめていたら、お腹いっぱいで眠くなってきた。
コクコクと首が揺れる。

「……うっ…あっ…お前まさか…」
口から邪魔な何かを出して、眠りについた。

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