我が為に生きるもの

いんげん

文字の大きさ
上 下
3 / 34

食事

しおりを挟む

「伊織さんが言っていたけど、今回は皆で狩りに行ったの?」

僕は席に着いて、水を飲みながら聞いた。
煌一は前の席で、完璧なテーブルマナーでお肉を食べている。

人と群れるのが嫌いで、一人で行動しがちな煌一にしては珍しいと思ったんだ。

いつもは一人でふらっと狩りに行き、帰ってくる。
煌一が他の華と協力している姿なんて想像出来ない。

「誰があんな奴らと……別の場所だ」
「そっか。でも、皆と一緒の方が危なく無いんじゃ……」
怒った目で睨まれた。
「馬鹿にするな」

狩りに危険はつきもの。誰かが死んだなんて聞かないけど、怪我をする華は多い。
煌一に何かあったらどうしようと心配だけど・・・こういう事を口にすると、大概機嫌が悪くなって怒らせてしまう。

「まぁまぁ、あさひさんは煌一様が心配なんですよね。好きだから」
白川さんが見当違いの取りなしをしてくる。

「えっ!あっ、そんなんじゃ……」
手に取った葡萄がコロコロと転がる。

僕たちは、華と蝶で離れられない、幼なじみだし…好きとかそういう……。
「………」
ほら、白川さんのせいで煌一の機嫌がもっと悪くなってる。

僕らは、生まれた時からそばに居て、ずっと一緒で…。
今は、僕はお荷物だし。

「そういえば、海外で仕事をしていた華が帰ってくるそうですね」
「え?」

ドキンと胸が高鳴った。
まさか・・・。

「白川!」
煌一が乱暴にナイフを置いた。
ガチャンと大きな音が響いた。

「煌一! 帰ってくるのって朔夜兄さんなの!?」
思わず立ち上がって膝に置いたナプキンが落ちた。
僕が知っている海外に行った華は朔夜兄さんしかいない。

朔夜兄さんは血のつながりは無いけれど、僕と煌一のお兄さん的存在だった。

いつも優しくて、大好きだった。
沢山遊んでくれたし、僕に音楽を教えてくれたのも朔夜兄さんだった。
三年前に蝶の減少について海外の様子を調べに海を渡った。

その朔夜兄さんが帰ってくる!?

「………」
「ねぇ! 朔夜兄さんなんでしょ?」
煌一が食事を途中でやめて、口を拭った。
席を立って此方に向かってきた。

「白川、出て行け」
「はい」
白川さんが一礼して部屋を後にした。

僕の目の前までやってきた煌一が背広を脱ぎ捨てた。
きっと高級なものだろうけど・・・無造作に床に放り投げられている。

むしり取るように襟飾をとった。

ボタンが外されて痣がむき出しにされた。

「朔夜が帰ってきたらお前は、朔夜のを吸うのか?」
「……煌一……」
僕の座っていた席に座り、腕を引いて膝の上に座らされる。

お腹は空いてないけど、まだ昨日のが残っているのか、甘い匂いがする・・・。
目の前に出されると、食べたくなる。

「お前は昔から、朔夜になついていたからな・・・。喜んでお前の華にするんだろ」
「……そんなこと……」
煌一の痕から血がにじみはじめる。

「……どうだか。ほら、もう吸いたいんだろう。まだ残ってるぜ……」
血の誘惑に耐えられず、鎖骨の下に顔を寄せる。
甘い匂い。

昨日の新鮮なものよりは落ちるけれど、十分おいしそう。
舌の上にのせる。

美味しい。

「……んっ……」
ピチャピチャと音がする。

「……くっ……っ」
残りものだから量が少ない。
もう滲んではこないから、ちゅうちゅうと懸命に吸い出す。

ちょとずつ出てくる。

もっと、もっと・・・。

「……ちゅっ……ん……ふぅ……」
「……うっ……く……」

僕のお尻の下で、煌一性器が、ズボンごと押し上げてくる。
痛そうだとおもうけど、蜜を吸うのがやめられない。
もう中々出てこない。

「……こ…う…いち……出ない……」
出てこない蜜に焦れて、つい痣に歯を立ててしまう。

「ぐっ!!……くそ………」
ドクンと煌一の性器が跳ねて、お尻の下が温かくなった。
それと同時に痣から蜜が飛び出て、それを味わう。
お腹がいっぱいになって、まぶたが閉じてくる。

昨日夜に起こされたこともあり、煌一の腕の中で眠りについた。


しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

お客様と商品

あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)

【完結】I adore you

ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。 そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。 ※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。

逃げる銀狐に追う白竜~いいなずけ竜のアレがあんなに大きいなんて聞いてません!~

結城星乃
BL
【執着年下攻め🐲×逃げる年上受け🦊】  愚者の森に住む銀狐の一族には、ある掟がある。 ──群れの長となる者は必ず真竜を娶って子を成し、真竜の加護を得ること──  長となる証である紋様を持って生まれてきた皓(こう)は、成竜となった番(つがい)の真竜と、婚儀の相談の為に顔合わせをすることになった。  番の真竜とは、幼竜の時に幾度か会っている。丸い目が綺羅綺羅していて、とても愛らしい白竜だった。この子が将来自分のお嫁さんになるんだと、胸が高鳴ったことを思い出す。  どんな美人になっているんだろう。  だが相談の場に現れたのは、冷たい灰銀の目した、自分よりも体格の良い雄竜で……。  ──あ、これ、俺が……抱かれる方だ。  ──あんな体格いいやつのあれ、挿入したら絶対壊れる!  ──ごめんみんな、俺逃げる!  逃げる銀狐の行く末は……。  そして逃げる銀狐に竜は……。  白竜×銀狐の和風系異世界ファンタジー。

処理中です...