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イメージトレーニング R18
しおりを挟む次の日、マーロウが再び現れた。
僕らはソファに向かい合って座っている。
「では、確認しますが、こころ様は陛下の事が好きで、抱きたいのですか?」
キラリとマーロウの丸メガネが光る。
「だっ、抱きたいって男同士だよ? でも、僕が彼氏としてリードしたいけど」
これって友人との恋バナなのかな??
ちょっと恥ずかしいけど楽しいかも。
「男同士の営みをご存知無いのですか!? なのに……あんな高度な攻め苦を……面白い」
「男同士って、そのぉ、あのぉ、お互いのものを、一緒に……擦るんだよね?」
さすがに恥ずかしくてマーロウの顔が見れない。
「こころ様、男同士にも挿入する穴がありますよ」
マーロウが指で丸を作る。
「ええ??うそ?この世界の人ってそんな穴があるの!?」
「……」
体の大きさの違いは感じてたけど……。まさか構造まで違うの??
「……こころ様にもありますよ。最高に気持ちよくなれる穴が」
「えええ!?」
そんなまさか??
でも一回死んで生き返ってるし、こっちの人間仕様に変わったかもしれない。
「でも、その穴は手練ではないと、凄く痛むのですよ。こころ様は陛下に痛みなく挿入できるでしょうかね?」
痛いの!?
今僕は痛いのは凄く嫌だ!
ヴァジルにも痛い思いをさせたくない。
「この世界の男ならちゃんと知っているんですけどね。上手なやり方を。 こころ様には無理だと思いますよ。今、全然動けませんしね」
ぐさりと心に矢が刺さる。
「そんなことないよ! 僕、歩く練習だってしてるし頑張るよ!」
今、ヴァジルやガイウス、護衛に就任してくれたセドリックに付き添われ歩く練習を始めたんだ。
「陛下は健全な男ですよ。貴方は一年も眠てらした。その間に欲望はどうしたのでしょうね」
「!?」
そうだよ‥ヴァジルは最高にカッコいい男だよ。
ヴァジルに惚れている人間なんていっぱい居るに決まってる!
どうしよう!
「ご主人様やセドリック、それとも近衛兵でしょうかね。陛下の欲望を鎮めたのは……」
マーロウが股間に手を当てる。
ヴァジルの欲望を……。
「やだぁ!駄目!!」
僕はブルブルと首をふる。
「果たして、あなたが回復するまで待てるでしょうか? 誰かに取られてしまうかもしれませんよ」
そんな……。
やっと結ばれたのに。
「いい方法がありますよ」
「何!?」
マーロウが僕の隣に腰を下ろす。
「まずは、こころ様が陛下に抱かれるんです!」
「えっ!?」
マーロウが近づいて耳元でしゃべる。
ゾクゾクする。
「抱かれる側を経験すれば、自ずと抱くことも可能になりますよ」
「で、でも‥‥ヴァジルは男の人に抱かれたいんだよ!!」
「ぶっ!!ふお!! ごほん、失礼しました」
盛大に噎せたマーロウが苦しそうだ。
目に涙が浮かんでいる。
「とりあえず、陛下を抱くのは経験値と、体力の回復を待ち、今は陛下をその気にさせて、抱いて貰いましょう!」
「でも……」
「いいのですか?欲求不満になった陛下がご主人様と愛し合っても」
ガイウスとヴァジルが……。
愛し合う?
ぶつかり合う逞しい筋肉と筋肉。
ガイウスに胸のフサフサに顔を埋めるヴァジル……。
ちょっと……見てみたいかも……違う違う!!
駄目!
「僕、頑張る!!」
「その意気です」
先日の僕の行動せいか、僕の部屋はヴァジルの寝室になった。
夜になると、ヴァジルかガイウスが僕の夕食の時間に来てくれて、一緒にご飯を食べてくれる。
今日はヴァジルとご飯を、食べた。
しかし、まだ仕事があるらしく再び執務室に向かった。
トレノスの国王様は忙しい。
朝は僕が起きた時間にはもう居ないし、昼はずーっと仕事。夜は食事であって、その後遅くまで帰って来ない。
体力の戻らない僕は、夕食中にこっくり、こっくりしてしまうことも多い。
そうなると、いつの間にか布団に運ばれている。
ヴァジル忙しすぎ!!
しかも、週休2日とか無いのです!
僕が目覚めてから明確な休みが無かった。
その気にさせること不可能です!
だって、疲れてるだろうし、時間無いし!
あぁ……。
頑張ると決めて数日……今日も何もできずに終わります。
寝室につながっているお風呂に入り、ため息をつく。
お風呂は大人が3人入れるくらいの大きさで、石造りのシンプルなお風呂で、落ち着く。
今日からやっとメイドさんの介助なしで入れる。
昨日までは、逞しい女性メイドさんに手伝ってもらっていた。
大きい子供が4人いる肝っ玉母さん系の良い人だった。
ヴァジルが選んだ人なんだけど、最初合ったときに、男の人のほうが良いのでは?と言ったら、凄い圧力で彼女以外居ないよと言われた。何故……。
あぁ‥。
それにしても、その気にさせるって何だろう。
どうすれば良いのかな?
「あっ!!そういえば……」
穴ってどこ?
僕の新しい世界の穴はどこ?
ヴァジルと致す時の為にも確認しておかないと!
よいしょっとお風呂の縁の石に座る。
誰も居ないか周りを確認して、そっと股間に手を伸ばす。
性器と袋を乗り越え、サワサワと撫でる。
くすぐったくて、袋がキュンとする。
でも無い。
何もないよ。
もっと行くとおしりがあるけど‥。
無いよ、穴。
どうゆうこと?
僕はまだ、この世界の人間として不完全なのだろうか?
これは困った、誘惑してもヴァジルとできない。
僕には気持ちよくなれる穴は無かった。
これはやはり、僕がヴァジルを抱けという事なのでは??
よし!
ちょっとイメージトレーニングしよう。
僕は体を拭いて、よたよたとベットに向う。
ベットにはさっき夕食を食べる前に、暑いと言ってヴァジルが脱いだ詰め襟の白い礼服があった。
抱きしめるとヴァジルの匂いがする。
あぁ‥‥ちょっと勃って来ちゃった。
「ヴァジル……」
その服に、ふかふかの枕を2つ詰めて前を閉める。いい具合に膨らんだ。
仮想ヴァジルを仰向けに寝かせて、その上に四つん這いになる。
「……ヴァジル……好き」
仮想ヴァジルの胸に顔を埋める。
目をつぶると、本当にヴァジルがいるようでドキドキする。
僕の性器がムクムクと元気になる。
そうだ、僕は一年ずっと出してないんだった。
ヴァジルに顔を埋めながら、お尻を上げって自分のペニスに手を伸ばす。
まずは優しく上下させる。
「…ふぁっ……あ……あぁ……ん」
呼吸をするとヴァジルの匂いがする。
左手でヴァジルを抱きしめて右手でペニスを擦る。
先走りでヌルヌルしてきた。
気持ちいい
「あっ……ん…あん」
ペニスから、ぐちょぐちょと音がする。
「ふっ……あ…ん…ヴァ、ジル…あ…」
ちんちんを擦る手が止まらない。
でも立てていた膝はブルブルで、もう限界だ。
「…あ……やぁ…」
腰が崩れ落ちて、ヴァジルの服にペニスが擦れてビリビリと快感が走る。
「んん!!」
イクことは出来なかったけど、先走りがピュっと出てヴァジルの服を汚す。
「……」
足がガクガクで持ち上がらない。
僕のペニスが早く何とかしろと泣いている。
「あっ……ん!」
ヴァジルの服を抱きしめて、仰向けになる。
「はぁ……はぁ…」
まだ逝ってないのに疲れて動けない。
ヴァジルの服の下でペニスがピクピクと震えて泣く。
「ふぇ…あっ…ヴァジルぅ……ヴァジル…」
僕、新しい穴無かった。
誘惑だって出来そうにない。
悲しい。
ヴァジルが他の人を選んだらどうしよう‥。
涙が止まらない。
「ヴァジル…うぇ……ひくっ……」
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