月の聖霊さまに間違えられた僕の話

いんげん

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騎士の親切心 R18

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スローモーションのように思えた。



僕の上に降り注ぐはずの蝋は、ロウソクの炎ごと、後ろから騎士さんに握られた。

そしてそのまま、投げ捨てられた。

驚く国王の首を絞めて



国王は動かなくなった。



「………」



僕も全く動けない。

え?国王は殺されたの?



「……しめて、落としただけです。生きています」

僕の疑問に答えるように騎士さんが話す。

そして国王をベットの端に放りなげる。

「この部屋には朝まで誰も近づきません。このまま、逃げましょう」

「……えっ……あっ…でも……」

未だに服さえ直せずに、ただ呆然と彼を見つめる。

綺麗な金髪は後ろで一つに結ばれている。

改めて見ると、華やかな雰囲気のある美しい青年だ。

「……貴方に迷惑がかかります……」



「良いのです、もう。この国も終わります、この国王とともに。私は、少しでも民と同じ騎士の仲間の為にと最後まで務め果てようと思いましたが……どうしても貴方を助けたいと思いました」

この人も、国や人の為に命をかけて戦う一人なんだ。

こんな世の中だけど、こんな世の中だからか……この世界の人たちは凄い。

一部の最低な人間に好きにさせるなんて、やっぱりおかしい。



「以前、貴方にお声かけをしました。街の屋敷のバルコニーで貴方は何かを一生懸命祈っていた」

覚えている。やはりあの時の人だった。

「覚えています」

「聖霊の幻かと思い声をかけたら、貴方は驚いて逃げてしまった。とても後悔しました」

騎士さんが、微笑みながら語る。

深い緑の瞳がとても優しくて綺麗だ。

「次の日も、その次の日も気になって、あの道を通りました」

そうだったのんだ……。

「でも、貴方の陰は見えるけど、外へは来られなかった。あの屋敷を調べてトレノスのものだと分かりました」

「!?」

僕は、やっぱり皆の足を引っ張っていた……。



「ガイウス将軍がいらしていることも。しかし、誰にも告げませんでした。トレノスの提案するこの国の未来が、今のこの国よりも遙かに良いものだったので」

「……ありがとうございます。」

「しかし、貴方はこの男に捕まってしまった。この時まで何も出来ずに申し訳ありませんでした」

騎士さんが、ベットの下で跪く。

「そんな!!貴方には感謝しかありません!」

「セドリックとお呼びください、聖霊様」

セドリックさんが顔を上げる。





「さぁ、参りましょう。こんな所に長居は無用です」

「……はい」

騎士さんが詰め襟の制服を脱いで僕に着せてくれた。

膝近くまで、すっぽりで温かい。

セドリックが国王の服を漁り、鍵を取り出した。

「聖霊さま、失礼します」

ガチャっと音がして足の鎖が外れた。

鎖のところが少しすれている。

何でもない怪我だけど、セドリックが悲しそうに見ている。

「ありがとうございます。あと僕のことは、こころって呼んで下さい」

ベットサイドまで這う。

「では、こころ様。すみませんが、布にくるませて頂きます」

「あっ、はい」

全身シーツにくるまれて、いわゆるお姫様抱っこをされた。

「申し訳ないのですが、私が良いと言うまで死んだふりをしていて下さい」

えっ死体ってこと。

了解しました。やったことあります。ゾンビ映画のエキストラで。

でも何故?

「国王は、閨の相手で気に入らないものの首を絞めたり、斬りつけることも有りましたので」

僕は疑問が顔に出ていたのか、言いにくそうにセドリックが答える。

何て酷い……。

今更ながら恐怖が蘇り、震え始める。

「……こころ様…」

「あっ……すいません。あれ……止まらない……あれ……」

なぜだか涙も出てくる。

止めようとしても、手の震えも収まらないし……。

死体役なのに!

「こころ様。すみませんでした。もっと早くお止めすれば良かった……」

横抱きのまま強く抱かれて、震えが止まった。

「ありがとうございます。もう大丈夫です」

「では」







部屋をでて少し歩くと、誰かに声をかけられた。

「セドリック殿、それは?」

セドリックが止まる。

動いちゃだめ。でも脱力。

「……王の夜の相手だ。可哀想に」

「ひい!早くいけ!」

夜の相手を殺して、疑われないとは……。

本当に人間的に問題のある男なんだと感じる。



それにしても、セドリックは僕を抱いたままで疲れないのかな?

すごいなぁ。



そんな事を考えていたら、セドリックがどこかの部屋に入り、止まった。







「こころ様、一度おろします。動いて大丈夫ですよ」

程よい硬さの場所に降ろさてた。

顔にかかる布を払われる。

簡素なベットとチェスト、木の椅子がある。小さい部屋だ。

入ってきたドア以外にもう一つドアがある。

「兵士の仮眠に使われている部屋の1つです。外で水を汲んできます」

セドリックが反対のドアを開けて出ていった。





一人になると、乳首がジンジンと痛い。

現代日本で、暮らしていた僕は、ロウソクなんてケーキの上にのっているイメージしかない。

まさかあんな使い方をするなんて……。



性器の上に落とされなくて本当に良かった。



僕は、ベットに起き上がり、気になってセドリックに借りた制服の前を開いた。

胸の前を開くと、両方の乳首に赤い蝋が張り付いている。

少し取れている左の蝋を指でつまむと、周りが少しボロっと取れた。でも、ジンジン痛い。

「……んっ」

周りからポロポロ取っていく。

乳首の所についた蝋が綺麗にとれない。

爪でカリカリ引っ掻くと、乳首にビリビリと痛みが走る。

「あっ……つぅ……ん」

でも、取ってしまいたくて、必死に引っ掻く。

すると、セドリックが木の桶を手に戻ってきた。

「!?」

「おかえりっ、なさい……」

セドリックが呆然としている。



どうしたのだろう?

あぁ、乳首の蝋必死に取っている僕が滑稽なのか。

それにしても取りにくい。

「セドリックっ、ん……ロウソクってどうしたらっ……あっ……取りやすい?」

「……」

セドリックが固まって真っ赤になって、震えてる。



そうだよね、笑いたいよね。馬鹿みたいだよね。

「……いいよ」

思いっきり笑って。と手を開く。

すると、桶を床に落としたセドリックが僕のもとへやってくると、乳首に口を、当てた。



「ん!?あっ!」

どうゆうこと!?何でぇ!?

僕が驚いて困惑してると、セドリックは僕の乳首を丁寧になめ、蝋に歯を当てる。



そうか!温めながら取ってくれて居るんだ!

そうだよね、蛇口をひねればお湯が出るわけじゃないし、傷は舐めておけみたいな世界っぽいイメージだし。

セドリックの親切心なのか。



セドリックの金髪が胸に当たってくすぐったい。

「……はぁ……はっ…」

「んっ、っう……」

真剣に、乳首を吸うセドリックの吐息が‥。

背中を抱く強い腕が……。



ヴァジル……今どこにいるのかな……。

会いたいよ。



「あっ!!んん!ひゃあぁ」

「っ!」

ヴァジルに思いを寄せていると、蝋が取れた乳首に、セドリックの歯が当たった。ジンジンとした痛みと、ビビッとした快楽が走り、変な声が出てしまった。

恥ずかしい……。



左が綺麗になると、セドリックが右へと移る。

セドリック、蝋どこいったの?

まさか食べちゃった!?

大丈夫なの?



ふと思い浮かんだ疑問は、再び乳首を舐めしゃぶられる恥ずかしさで霧散した。

「んっ……あっ…ごめ……なさ…い。こんなっ!ああ!こと……」

「……はっ……ん…こころ様っ……私に……おまかせ下さいっ…」



これが誰にでも優しい騎士道ってものなのか。

男の乳首を綺麗にするなんて、絶対に嫌だろうに。



「んっ!!やぁあ!!……あっ……」

再び、蝋が取れて乳首を、食まれた。

電流が走る。



「……」



セドリックが無の表情になり、ゴクリと音がした。

ええ??この世界のロウソクって食べれるの???

そんなこと無いよね??

いやでも食品の上に乗せるし、ちょっとくらい平気なの??

とグルグル悩んでいると、セドリックが落としたけど、無事だた桶の水で手ぬぐいを絞りやってきた。



「失礼します」

セドリックが僕を拭こうとしてくれた。

「あっ自分でやります!」

しかし伸ばした手は、セドリックのてをつかめなかった。

「いいえ。私の唾液がついていますので、お手が汚れます」

きっぱりと言われ、セドリックが僕の胸を優しく拭き始めた。

「っひゃ……」

汚くなんてないと言おうとしたけど、セドリックの口の温かさから、布の冷たさにびっくりして声を飲んだ。



セドリックは、丁寧に乳首を拭う。

はっ…恥ずかしい!

凄く!!

こんなキチンとした騎士さんに、乳首拭かれるなんて……。





しばらくして、ようやく開放され、服を直された。





「こころ様。朝方、兵が集まってくる混乱に乗じてここを出ましょう」

「はい」





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