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マーロウの宝物部屋 R18
しおりを挟む男の人たちが走り去り、再び2人になった。
ガイウスたちの話は、時々上の空になり理解出来ない点もあった。結局、どうなったんだっけ?
「こころ、悪い。 今すぐここを抜け出したい所だが、これからの事を考えると、あいつらを利用したい」
僕を腕に抱いてくれているガイウスが苦々しく語る。
「この国は、ヴァジルの最後の難関なんだ」
ヴァジル今どうしてるかな。
僕が消えるのはいつもの事だけど、ガイウスまで居なくなって、とっても心配してるだろうな。
「隣の国との境が険しい雪山で、進軍するには不利過ぎて、海から攻めるにも海岸が遠浅で入り組んでるから、かなり遠くから兵を小型船に載せなければ一気に進軍できない」
ごめんなさい、ヴァジル、ガイウス。迷惑かけて。
「独裁的な王国で、大して戦力が有るわけでも、戦略に長けている訳でも無いが、近くの海運に重要な海域で国を上げて海賊行為をしているから、どうにかしたかった」
ガイウスが真剣な顔で、語っている。
その顔は、まさに大国の将軍だ。
「さっきの男の組織がどの程度かわからないが、国の中からひっかき回して手引きして、こちらの都合の良いものに政権を取らせれば、戦争せずに目的を達する事ができる」
頭がのぼせるような感覚が少し引いてくると、代わりにすごく感覚が鋭くなってる気がする。
「だから、しばらくは此処で留まりヴァジルと連絡を取りつつ事に当たりたい。すまない、お前をあいつの所に返してやれない」
僕は首をふった。
ガイウスが謝る事なんて何もない。
僕のせいでこんな所に来たのだから。
ガイウスを見つめると、何だか彼も顔が赤いし、汗をかいてる。
このくすり何だろう。
サイインザイってなに。
命は大丈夫とか言ってたけど。
「これから、胸くそ悪い茶番が始まるようだが……少しだけ時間を作る為に付き合う……すまない」
コクンと頷く。
僕はガイウスが決めたことに従う。
「……」
でも、僕、何だか 全身が変だ。
肌が鳥肌立つようにざわざわする。
胸が服に触れてるだけで、ジンジン痛い!
それに…僕のそこが……。
「こころっ。大丈夫か?」
ガイウスも息が荒くなってる。
そんなとき、再び複数の人間が階段を降りてくる音がした。
ガイウスが僕をそっと床に寝かせ、先程とったロープを器用に手と口で巻きつける。
「どうも、こんばんは」
兵士3人と中年の男性が現れた。
兵士の1人は、さっき来た兵士だ。
男性は、丸い眼鏡をかけた細目以外に、何の特徴もない普通の男だった。
こんな普通の男が人を牢屋に閉じ込めたりするの!?
「我が屋敷へようこそ」
僕は起き上がり、しゃがんでいるガイウスにすがりつく。
なんかこの人怖い。
「部下から聞きましたよ、駆け落ちしたお二人らしいですね。 実に素晴らしい! しかもお二人共とても魅力的だ!」
いきなり声が大きくなって楽しそうに手を叩いている。
「っ!?」
怖い!変だよこの人!
ガイウスに縋る手が震える。
「特にあなた! こんな綺麗な人間初めて見ました! こんなに美しいなら従者が道を踏み外すのも仕方ない。 ぜひ、私に特別な夜を提供して下さいね。お礼は致します」
男がケタケタと笑う。
何? これからどうなるの?
「2人をお連れしろ」
連れて来られたのは屋敷の一室だった。
異様な部屋だ。
広い部屋に大きいベット、壁にはジャラジャラ鎖の拘束具が色々ついてて・・・、小さいバスタブに、水道設備みたいなものと、大きな棚に並んだ、見たこと無い道具や薬品、馬の乗り物玩具?
テーブルに椅子に、ソファ、大きな格子のゲージ。大きな鏡。天井からたれ下がってる鎖やロープもある。
部屋にはお香が焚いてあり、むせかえりそう。
一貫性が無いけど、ここは何の部屋?
時々、色んなコンセプトがごちゃ混ぜで置いてある撮影現場もあるけど、そんな感じだ。
暖炉の火がついて居るので暖かい。
「……くそ…」
前に入ったガイウスが悪態をつく。
「ははは、褒めて頂いて嬉しいです。このマーロウの宝の部屋です」
男はとても嬉しそうだ。
でも、背筋が凍る。
本能が、この人を危険だと言っている。
「さぁ、その大きな男を壁の鎖につないでください」
ガイウスが、さっきの兵士に促され歩く。僕もその後ろをついて歩く。
ガイウスは跪いて腕を上げ、壁の高い位置から伸びている鉄の鎖の手錠を左手に装着される。
手首のロープを切り離され反対側も拘束された。
僕は隣で鎖のついた首輪をはめられた。
ガイウスよりも自由度は高く立ったり座ったり2メートルくらいは自由に動けそうだ。
でも、完全に囚人スタイルだ。
今から何が始まるの?
歩いている間は紛らわされてたけど・……やっぱり体がおかしい。
立っているだけなのに……足が…。
「さぁ、君たちはもう出てって良いですよ」
「はっ」
兵士たちが部屋を立ち去る。
これから僕たちはどうなるの?
特別な夜ってなんだろう・・・。
「改めまして、私はマーロウ。 今宵は一緒に楽しみましょう」
マーロウは、近くまでやって来て、挨拶をした。
「……ふざけるな。俺たちを解放しろ」
「良いじゃ無いですか、二人は愛し合うもの同士なのでしょう。 ご安心ください。私は野蛮な行為は嫌いです。純粋に性の探求者なのです。暴力や血は嫌いです。私を高ぶらせる性の喜びを探しているのです!!」
ズボンの上から自らの股間に手を置いて、熱弁するマーロウ。
は……初めて見た。
これは……変態という人種なの!?
恐ろしくてガイウスに抱きつく。
「それに、そろそろ良い時間ではありませんか?あらかじめ施した薬とこのお香の相乗効果で、お二人とも体の高まりを感じているはず。いつもはどのように楽しんで居るのですか?」
「……」
「まさかっ!? 主従関係という、しがらみに囚われ……まだなのですか!?」
「……だまれ変態」
マーロウが黙って天を仰ぐ。
「あぁ……たまらない!!素晴らしい! 今日が、二人の至高の瞬間なのですね!!ああ!なんと言うことだ。…美しい」
世界が違いすぎて怖い!
話がかみ合ってないし!!
目の前の怪物が恐ろしくて、怖すぎてガイウスに抱きつく手が震える。
「さぁ、そこの少年よ。従者の服を脱がしてください」
「!?」
僕はブンブン首をふる。
「暴力以外にも色々人を従わせるやり方はあるのですよ」
「……」
微笑む顔がとても怖い。
ガイウスを見ると、頷いている。
僕は、ガイウスのシャツをはだけさせて、ズボンを脱がせた。
ガイウスの下半身はすでに半分立ち上がっている。
「あなたはどうします?私が手伝いましょうか??」
マーロウが近づいてくる事が怖くて、自分で脱ぐ。
僕の反応してしまっているものも丸見えで恥ずかしい。
なんだか、とんでもない状況だ……恐怖しか無い。
「……さあ、2人がその気になって貰えるようにプレゼントです、私の特別な子たちを貸してあげますね」
マーロウが大きな棚へ向かうと、茶色いバケツくらいの蓋がついた瓶を持ってきた。
中は少しすけてて、何かが動いてるのが見える・・。
「……ぅっ……」
嫌な予感がする。
「何をする気だ!!」
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