月の聖霊さまに間違えられた僕の話

いんげん

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ラッキーすけべ R18

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凄く温かくて気持ちいい。
体中の力が抜けて、ゆらゆらと波に揺られてるみたい。
このままずっとこうしていたい。

「……ふふっ」

誰かの声が近くでした。
なでられている頭が気持ちいい。
優しくて、あったかくて。
このまま、ずっとこうしていたいな。
怖い夢はもうこりごりだよ。
反射的に体がブルッと震えた。

「……もう大丈夫。安心して。側にいます」
ちゅっと頬に柔らかい感触がした。
意識がゆっくりと浮上してくる。
あっ、自分目が覚めそう……。

「……あれ?」
「目が覚めました? こころ」
すぐ真後ろからヴァジルの声がする。
あぁ、僕馬の上で寝てるのか

「って、お風呂!? わああ!」
目に入ったのは湯に浸かる、素っ裸の自分と、後ろから抱き込んで座っているヴァジルだった。
ちょっ、どうゆうこと!?
すぐに立ち上がろうとしたけれど、腕が外れない。
「いきなり立つのは危ないですよ」
「あっ、あの、何でお風呂!?」
状況が飲み込めずアワアワする。

タイル張りの割と広めの部屋に、石で作られた浴槽がある。
大人数人が入れそうなお風呂だ。
仕事ではポンポン裸になることは多いけど、それは仕事だから恥ずかしくないわけで……。

「あっちこっち泥だらけで、返り血も浴びていたので綺麗にしたほうが良いと思いまして」
「……あ、ありがとう。でも起こしてくれれば1人で……」
何だか恥ずかしくて、ヴァジルの体は直視できない。
後ろから抱き込まれているので、筋肉質な長い足は見えるけど。
自分のヒョロヒョロ加減が酷い。ツルツルだし。

「こころの綺麗な手で、誰とも分からない人間の血を触らせるのが嫌だったので」
硬く大きな手に、僕の手が載せられる。
戦う男と、見た目の綺麗を売る男の手は全然違う。
綺麗が仕事だけど、何だか恥ずかしい。

「……それなら別の人でも……」
ヴァジルって王様なんだよね?
普通こんな人のお世話する?
「駄目です。他の者に肌をさらし、触らせるなんて。どうかしないで下さい。何をされるかわかりません」
「誰にも何もされません」
「私は、あなたに触れたいですよ」
彼の手が僕の太ももをなでる。
「ひゃあぅ! あ、あ、あの!」
腕を離してくれた。
すかさず距離をとる。

浴槽の端に肘をついて笑いながらこちらを見ている。
向かい合ったので、裸のヴァジルが全部見えてしまう!
全身しっかりと筋肉に覆われて引き締まり、多くの傷が走っている。
白銀の髪がしっとりと濡れ色気を醸し出す。

こ、これは、からかわれている。
やっぱり、犬的な扱いなの?
「さ、さっきの事を聞きたいんだけど!」
「そうですね、では、あちらで話しましょうか」
ヴァジルがお湯からあがる。
「わあああ!」
ヴァジルのヴァジルが、起きてらっしゃる。

「あぁ、すいません。そのうち落ち着きます」
「おっ、おちつくって……っ……何で」
何でそんな事に。
あぁ、見ちゃいけないけど見ちゃう!

気になっちゃう!同じ男のソレなのに全然違うし!
「純粋に介抱しようと思ってたんですが、健康な男の性です。汚らわしいものを見せてしまいました」
「…………汚らわしいとは思わないけど…………」
逆に嫌悪感が無いのが怖い。
「では、慰めてくれますか?」
「なっ!? し、失礼しました!! ごゆっくりどうぞ!」
ザバッと湯からあがり、走り去ろうとする。

プールサイドは走ってはいけません。
小学校の先生の注意が蘇る。
そうですね、先生。大変危険です。

ヴァジルの前を走り去るときに、見事に足が滑った。
つるりと。
ふりあがる右足。
後ろに倒れていく上半身。

「うわああ」
「こころっ!」
痛みを覚悟しギュッと目をつぶる。

「っ……痛くない?」
目を開けると、再びヴァジルの上に座り込んでいた。
しかも彼の臍辺りにに僕のお尻が乗っているので、彼の起立したものが僕のお宝を押しのけジュニアに寄り添っている。

ラッキースケベ発動!
いやいや、違う違う!そうじゃない!

「ごめんなさい!」
混乱した僕は、僕のジュニアとかれのを引き離さないと、と思い彼のものを手にして横に避けようとした。
「……っぅ……こころっ!」
あれ!ダメだった!またブン!って戻ってきた!
僕のジュニアに当たる。
「ダメダメ! 離れて!」
お尻に当たる彼の下生えも、こそばゆく僕を刺激する。
あれ?どうしよう!なんか僕まで!
焦った僕は今度は、ちゃんと離れて貰おうと、そっと彼のものを両手で優しくつかみ

ゆっくり、ゆっくり下へずらそうとした。
「……ぅっ……ぁ……こころっ、駄目だ!」
しかし力強い反発力と濡れた手では滑ってしまい、また僕の元に戻って僕を刺激する。
「ふぁぁっ!」
困った!離れてくれない!
慌ててもう一度ヴァジルのものを掴む。
「っ!?」
「ごっごめん痛かった!?」
そうだよね、痛いよね。なんだか小動物をいじめてしまった気がして、とっさに撫でる。
「……ぁ……ぅ」
ビクンっと震えた。それが少し濡れてくる。

僕のものとは、大きさも全然違うそれが、苦しそうにしているのが、何だかとても興味深く。

面白く思えてきた。

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