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第7章 新生活
2、夢探し
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望月アグリと申します。皆様には東京の生活についてお話ししていましたね。
ある日、ヨウスケさんが夕方に帰ってきました。
「今日は帰ってきたんですね。」
「夕飯はないだろ?」
「ヨウスケさんの分は」
「アグリは?」
「雑炊で。」
「そんなの食べてるの?」
「だってお金がないんですもの。」
「僕もお金ない。」
二人でにらめ合いっこしました。
「ねえ、アグリ。」
「はい。」
「辻くんのところに行かない?」
「辻さん?」
「あいつ、すごい金持ちなんだよね。」
「でもそれって急に行くのは失礼じゃ。」
「僕と辻はそんな関係じゃないよ。大丈夫。」
と言うことで、辻さんのお家に向かうべく、電車に乗りました。
まあ、電車に乗るお金はありました。
駅を降りて、辻さんのお宅に向かう途中で素敵なお店がありました。
ショーウィンドウに素敵な洋服が飾られていました。
私はうっとりと見惚れてしまいました。
「ねえ、アグリ、行かないの?」
「え?」
「だって、さっきからその洋服見てるから。」
「ああ、見惚れてしまいました。」
「ほしいの?」
「いいえ、なんかすごいなって。」
「すごいって?」
「こんな素敵なものを作る人がいるって。」
「うちでは買えないよ。」
「ほしい訳じゃないんです。」
「じゃあなんで?」
「本当に見惚れたんです。」
ヨウスケさん、女心がわかりませんね。
私は、その時、あのワンピースの素敵なブルーが目に焼き付きました。
あの服を作る人ってどんな人だろう。
どんな人が来て、どこへ行くのだろう。
そんな夢見心地になりました。
「ねえ、アグリ、日もくれるから辻くんの家に行かなきゃ。」
「ああ、はい。」
「もう、ぼんやりして。」
と言うことで、洋服屋さんを後にして、辻さんのお宅にお邪魔する流れになりました。
私たちを迎えたのは、一等地に立つ、豪華なお家だったのです。
「あのう、お約束もなく来ていい場所なんでしょうか?」
「こう言う時に怯んではいけないよ。辻にはあって、夕飯をご馳走になろう。」
ヨウスケさん、ちょっとおかしいですよ。
でも、私たちは引き下がれなくなっていました。
そして、私は辻さんに会うと言うのに、先ほどのワンピースのことが心から離れないのでした。
と言うことで今日はこの辺りで失礼します。お粗末さまでした。
ある日、ヨウスケさんが夕方に帰ってきました。
「今日は帰ってきたんですね。」
「夕飯はないだろ?」
「ヨウスケさんの分は」
「アグリは?」
「雑炊で。」
「そんなの食べてるの?」
「だってお金がないんですもの。」
「僕もお金ない。」
二人でにらめ合いっこしました。
「ねえ、アグリ。」
「はい。」
「辻くんのところに行かない?」
「辻さん?」
「あいつ、すごい金持ちなんだよね。」
「でもそれって急に行くのは失礼じゃ。」
「僕と辻はそんな関係じゃないよ。大丈夫。」
と言うことで、辻さんのお家に向かうべく、電車に乗りました。
まあ、電車に乗るお金はありました。
駅を降りて、辻さんのお宅に向かう途中で素敵なお店がありました。
ショーウィンドウに素敵な洋服が飾られていました。
私はうっとりと見惚れてしまいました。
「ねえ、アグリ、行かないの?」
「え?」
「だって、さっきからその洋服見てるから。」
「ああ、見惚れてしまいました。」
「ほしいの?」
「いいえ、なんかすごいなって。」
「すごいって?」
「こんな素敵なものを作る人がいるって。」
「うちでは買えないよ。」
「ほしい訳じゃないんです。」
「じゃあなんで?」
「本当に見惚れたんです。」
ヨウスケさん、女心がわかりませんね。
私は、その時、あのワンピースの素敵なブルーが目に焼き付きました。
あの服を作る人ってどんな人だろう。
どんな人が来て、どこへ行くのだろう。
そんな夢見心地になりました。
「ねえ、アグリ、日もくれるから辻くんの家に行かなきゃ。」
「ああ、はい。」
「もう、ぼんやりして。」
と言うことで、洋服屋さんを後にして、辻さんのお宅にお邪魔する流れになりました。
私たちを迎えたのは、一等地に立つ、豪華なお家だったのです。
「あのう、お約束もなく来ていい場所なんでしょうか?」
「こう言う時に怯んではいけないよ。辻にはあって、夕飯をご馳走になろう。」
ヨウスケさん、ちょっとおかしいですよ。
でも、私たちは引き下がれなくなっていました。
そして、私は辻さんに会うと言うのに、先ほどのワンピースのことが心から離れないのでした。
と言うことで今日はこの辺りで失礼します。お粗末さまでした。
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