望月アグリと申します

第6章 いざ東京

８、一週間経ちました

望月アグリと申します。私が東京に来て、色々な方にこれから出会うわけですが。

東京に来て、一週間経ちました。
冨樫さんの家に昼間の間はお世話になって、それ以外は家で一人で過ごしました。
ヨウスケさんが帰ってくる気配はありません。

ある夜、玄関に物音がしました。
私は部屋の隅に置いてあった、箒を持ってそおっと玄関に行きました。
そこには物影が！

私は精一杯の力でその人物を箒で叩きました。
「おいおい、ちょっと。」
「え！」
「え！ってアグリ？」
「え！ヨウスケさん？」

「とりあえず、痛いよ。」
「あの。」
「何？」
「他に言うことないんですか？」

「どうしていているの？」
「迎えに来ました。」
「いつから？」
「一週間前から。」
「あー旅行に行ってたからね。って言ってもね。」


私たちは居間に移動しました。
「あの、ヨウスケさん。」
「もう眠いんだけど。」

「あのですね、私、群馬に帰るのに迎えに来たんですよ。」
「大学もあるし、帰らないよ。」
「でも、淳のこと気にならないんですか？」
「そりゃ可愛いけどさ。あら、連れてこなかったの？」
「一週間で連れて帰ってきなさいって言うから、置いてきたんです。」

「そしたらさ、アグリ。君は明日帰ったほうがいいよ。」
「え、帰ってくれるんですか？」
「僕は帰らないよ。」
「なら。」
「僕は僕のしたいことがあるし、自由に行きたいからね。」
「私帰れません！」
「もう、好きにしなよ。僕も好きにするから。」
というと、ヨウスケさんは書斎に入ってしまいました。

一人布団に入ると、怒りが込み上げます。
一週間待った私に対する態度ですか？
でも、私は明日ヨウスケさんを連れ帰って行きたいのです。

「あ、あぐり」
寝室の外から声がしました。
「この家にお金はないからね。」
え！私、この一週間でもうお金使ってしまいました。

「ヨウスケさん、私、お金ないです。」
「じゃあ、質屋にでも行って、お金にするといいよ。」

質屋？よくわかりませんでしたが、明日冨樫さんに聞いてみることにします。
ああ、待たされた挙句、お金もない。
困ったことになりました。

と言うことで今日はこの辺りで失礼します。お粗末さまでした。