望月アグリと申します

有住葉月

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第6章 いざ東京

6、お隣さんと近所へ

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望月アグリと申します。東京に出てきました。
右も左も分からない私にお隣さんが教えてくれることになりました

さあ、買い物かごと思いましたが、家を探してもありませんでした。
これも買わなきゃいけないんでしょうか。

「冨樫さん。」
お隣さんは冨樫さんと言います。
「あら、望月さん、まだ早いんじゃないの。」
「あの、お買い物かごなくて。」
「ああ、ヨウスケちゃん買い物しないしね。うちに古いのあるけど使う?」
「いいんですか?」
「余ってるからいいよ。」

なんと親切な方でしょう。
と言うことで、待ち合わせの11時に家の前に集合しました。
お姑さんがきました。

「望月さん、ていのもなんだからさ、あんたの名前教えてくれるかい?」
「私は望月アグリです。」
「アグリさん、可愛い名前だね。」
「可愛いって言ってもらえて嬉しいです。」
「子持ちには見えないね。」
「よくいわれます。」
「それもこれも、ヨウスケちゃんがいけないんだね。」
「いえ、私、ヨウスケさんと結婚したことは後悔してません。」
「こんな風来坊でも?」
「これで連れて帰れたら一安心です。」
「そう、うまく行くかね。」

おしゃべりしながら、商店街に連れて行っていただきました。
「なあ、アグリさん、今日は何を献立にするんだい?」
「お金、あんまり持ってこなかったので、小麦粉と味噌がほしいです。」
「え?何作るんだい?」
「すいとんです。」
「すいとん?」
「はい。私の実家ではよく出てましたよ。」
「ヨウスケちゃんの群馬の家は大きいって聞いたけど。」
「私の実家は実は貧乏なのです。」
「よくお嫁に行ったね。」
「死んだ父のおかげです。」
「縁があったんだ。」
「はい。色々今起こってることも父がそうしてくれたんじゃないかって思うこと多いです。」
「あんたも苦労したんだね。」

私はお店で小麦粉とお味噌を買いました。

「なんだか悪いね。うちが魚買ってて。」
「いいんです。私、すいとん好きなんで。」
「すいとん、好きな子に初めて会ったよ。」
「私、うどんが1番好物で。」
「うどん?」
「私の故郷にうどんの名所があるんです。いつか自分で作れるようになりたいです。」
「うどんなら、乾麺があるから簡単に作れるよ。」
「え?そうなんですか?」
「味は落ちるかもだけどね。明日、買うといいよ。」

本当、人との関係って大事ですね。色々と教えていただきました。
冨樫さん親子にはこれからもずっとお世話になるのですが、今日はこの辺りで。
お粗末様でした。
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