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第4章 結婚して変わったこと
18、俺らしくって
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俺の名前は大杉緑だ。
今は恋人はいない。妻一人だ。
一般的に言うと、それが正常な状態であることは知っている。
しかし、俺は何年も色々な女性と関わってきた。
サチとうまくやるのが一番いいことだともう知っている。
だから、俺は俺なりにいい旦那を演じることに決めた。
ある日曜日、サチはまだ寝ていた。
俺は9時ごろに起きて、コーヒーを入れて雑誌を読んでいた。
「あら、あなた、起きてたの?」
「9時過ぎだからな。」
「ああ、もうそんな時間?」
「昨日、遅かったのか?」
「ちょっと面白い小説があって。読んでたら深夜になってしまったわ。」
こう言う時、その本はどんな本なんだとか聞くのがいい旦那なんだろう。
でも、俺は興味がなかった。
「まあ主婦なんだから、昼間に読むようにしろよ。」
「どうして?」
「仕事してなくて、昼間は暇だろ?」
「そんなことないわよ。」
「何が?」
「知らないの?」
「知らない」
「お父様に言われて、親戚の集まりとか弁護士夫人の会とか色々行ってるのよ。」
「ああ、母さんはそうしてたな。」
「なら、わかるでしょう。」
「でも、母さんは夜更かしなんてしてなかった。」
「あら、素敵なお母様で良かったわね。」
「嫌味か?」
「そうじゃないわよ。でも、私だって頑張ってるのよ。」
優しくしようと努めているのに、なぜか喧嘩になってしまう。
「すまん、言いすぎた。」
「意外ね。」
「何が?」
「今まで謝ったりしなかった。」
「そうか?」
「とりあえずね、弁護士夫人て職業婦人より大変なのよ。」
「そうか?うちの社員は残業とかしてるぞ。」
「あのタイピストね。」
「いや、佐藤さんのことじゃなくて。」
「ふうん。。でも、恋愛を諦めるあなたって想像できないわ。」
「いいよ。でも、俺なりに家族は作ろうと思うよ。」
こんな感じで仲のいい夫婦とは言えないが、明るい家族計画はしていた。
そして、サチの望んでいた家族が増えることになるのだが、それはまたの話で。
今日はこの辺りでさらばである。
今は恋人はいない。妻一人だ。
一般的に言うと、それが正常な状態であることは知っている。
しかし、俺は何年も色々な女性と関わってきた。
サチとうまくやるのが一番いいことだともう知っている。
だから、俺は俺なりにいい旦那を演じることに決めた。
ある日曜日、サチはまだ寝ていた。
俺は9時ごろに起きて、コーヒーを入れて雑誌を読んでいた。
「あら、あなた、起きてたの?」
「9時過ぎだからな。」
「ああ、もうそんな時間?」
「昨日、遅かったのか?」
「ちょっと面白い小説があって。読んでたら深夜になってしまったわ。」
こう言う時、その本はどんな本なんだとか聞くのがいい旦那なんだろう。
でも、俺は興味がなかった。
「まあ主婦なんだから、昼間に読むようにしろよ。」
「どうして?」
「仕事してなくて、昼間は暇だろ?」
「そんなことないわよ。」
「何が?」
「知らないの?」
「知らない」
「お父様に言われて、親戚の集まりとか弁護士夫人の会とか色々行ってるのよ。」
「ああ、母さんはそうしてたな。」
「なら、わかるでしょう。」
「でも、母さんは夜更かしなんてしてなかった。」
「あら、素敵なお母様で良かったわね。」
「嫌味か?」
「そうじゃないわよ。でも、私だって頑張ってるのよ。」
優しくしようと努めているのに、なぜか喧嘩になってしまう。
「すまん、言いすぎた。」
「意外ね。」
「何が?」
「今まで謝ったりしなかった。」
「そうか?」
「とりあえずね、弁護士夫人て職業婦人より大変なのよ。」
「そうか?うちの社員は残業とかしてるぞ。」
「あのタイピストね。」
「いや、佐藤さんのことじゃなくて。」
「ふうん。。でも、恋愛を諦めるあなたって想像できないわ。」
「いいよ。でも、俺なりに家族は作ろうと思うよ。」
こんな感じで仲のいい夫婦とは言えないが、明るい家族計画はしていた。
そして、サチの望んでいた家族が増えることになるのだが、それはまたの話で。
今日はこの辺りでさらばである。
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